牡牛座の季節によせて~キャロル・オーティス・ハースト『あたまにつまった石ころが』

※この投稿は2017年に寄せられたものを編集して再掲しています。

 

こんにちは。
うさ子です。新緑がまぶしい季節になりましたね。

うさ子のお家でも、庭のあちこちから草木の新芽が顔を出し始めました。
さらにこの時期は虫の幼虫も生育期で盛んに活動を始めるんですよね。
活動するのはいいのですが、一番大事なバラの葉や新芽に集中してとりつくので、対応が大変なのです。
虫って朝早~くから活動しだすんですよね。カラスノエンドウというマメ科の雑草にはアブラムシがビッシリついています。虫って美味しいものを知っているんですね。

 

さて、この心地よい牡牛座の季節にご紹介したいのは、キャロル・オーティス・ハーストの「あたまにつまった石ころが」という絵本です。

このお話は、作者の父親の思い出語りの形式で進んでいきます。

 

父親は子どもの頃から石集めが大好きでした。周りの人たちは、「あいつは、ポケットにも頭の中にも石ころがつまっているのさ」と言っていたそうです。
「大人になったら何になりたいんだい?」と聞かれると、「なにか、石と関係あることだったらいいなあ」と答えていたそうです。

やがて、大人になった父親はガソリンスタンドを始めるのですが、店の奥の壁に棚を作り石をコレクションしていました。
当時、自動車を持っているのはお金持ちだけでしたが、お金持ちでなくても買える自動車が出るようになると、この車を一台手に入れて、一度バラバラにして、なんどもなんども組み立てなおし、すみからすみまでわかるようになると、大量の部品を集め、修理の仕事をするようになりました。そして、その仕事は大繁盛したのです。

ところが、大恐慌が起こりました。世の中が不景気になり、ガソリンスタンドも閉めることになりました。父親は一生懸命仕事を探し、どんな仕事でも引き受けました。
それでも、仕事が見つからず、雨の降る日などは、バスで科学博物館に出掛けて行き、石を飾ったガラスケースのある部屋で一日中過ごしたりしていました。そして、そこで出会った、博物館の館長さんのはからいで、博物館の夜の管理人の仕事につくことになるのです。

絵本の本文はここまでなのですが、あとがきの部分によると、父親はその後、博物館の鉱物部長になり、働きながら大学にも通い、最終的には博物館の館長に就任したのだそうです。

 

私はこのお話全体に流れる空気感がとても好きなんです。
牡牛座の金星というのはこういうことなのかなとも思います。

自分が好きで大切にしてきているものがあり、それは時代が変わり周りの環境がどんなに変化したとしても、不動のものとして自分の中に、時には形ある物として存在させることができる力こそ牡牛だなぁ、金星だなぁと思うのです。
「私にはこれがある!」という絶対的な価値観ですよ。

 

先日、バレエダンサーの熊川哲也氏の対談番組を見ていた時にも感じました。

自分が本当に満足できるのは、自分が作った世界でしかない!
「本物が好き。美しいものが好き。僕の家の周りには美しいものしか並んでいない。なぜなら、俺が完璧に語るから。俺が語ると五次元の世界が生まれる。縦、横、高さ、時間、それと愛だよ!」

熊川さんって魚座なんですね。ロマンチックな語りは水星が魚座だからですか?
金星が牡羊座で火星が牡牛座という組み合わせだからなのか、俺がいいというものはみんながいいって言うんだよとまでおっしゃるのです。
そこまで、熱く自分の好きなものについて語られたら、それまで興味がなかったとしても、無関心ではいられなくなるでしょうね。

 

自分が好きなもの、一番大事にしたいものってなんだろう…
この時期、衣替えをしながら、荷物のかたづけをしながら、体のメンテナンスをしながら、自分の金星の価値がわかる人は、自分以外の人の金星も大事にできるのかなと思ったりしていました。

人の金星を侵略しない、敬意を示すことって、人間関係には大切なことですよね。
それは、相手が子どもであってもそうなんだと思う。
握りしめているものが、ただの石ころにしか見えなかったとしても、ここにしまっておくといいよと言って、宝物をいれる箱を手渡したいものです。

 

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