これは終わりの話ではない、はじまりの話なのだ ~Beginning of Life~

新年!
さあ、今年は何かはじめよう!と
お正月は通信講座CMがバンバン流れる。

世の人々は一年の計は元旦にありと、リセットがかかるようだけど、わたし的にはお正月だからと再起動はかからない。
意外とそんな人も多いのでは?

お正月!新しい年!
はじめよう、はじめようって
今年は何をはじめる?
考えているうちに半年くらい過ぎたりして…

占星術をたしなむ人も、火星が間もなく新しいサイクルに入ると言ったって、体感的にはピンとこないと思っているかもしれない。

さて、どうやって火をつける?ってね。

でもね、生まれた時から火は着いている。

赤ちゃんは1人では生きられないもの。
私たちには、火が消えないように命を育ててくれた人がいるのだから。

もしも、もやもやと何をはじめてよいかわからないと考えているなら、それこそが明日への芽生え。

明日への芽生えは真夜中にある。
なんだか眠くてしょうがない時は、転機の前触れともいうじゃない、
夢の中に答えがあるかもしれないね。

星々がスタートを告げるのは1/28。

今は夜明け前。

さて、これが読まれているのは、新年が明けている頃かもしれない。

新年早々に、このような話、と思われるかもしれませんが、これは終わりの話ではなく、はじまりの話。

私にも、あなたにもあることなのです。

この12月に祖母が他界した。
祖母は、その一週間ぐらい前から、ほぼ意識なく寝たきりだったよう。
そして亡くなる前日、母からこんなメールが届いた。

「今日はみんなが来てくれて、呼びかけると少し手を動かしたりしてわかるみたいだった。おばあちゃんは今、最後の火を燃やしています」

最後の火を燃やし尽くす。
この言葉に思いを馳せながら、メールを読み終えて実家へ電話すると、今晩が最後だろうと伝えられた。

外はもう暗く、今からでは新幹線に乗っても間に合うかわからない。
落ち着かない気持ちで、何を準備して良いかわからず、おもむろにホロスコープをひらいてみると、

Ascのルーラーは月、8ハウスに。
Dscのルーラーは土星、6ハウスに。
古典のルールに詳しくはないが、ホラリーの真似をして月を追ってみると、6時間後に太陽、12時間後に、古典では凶星とされる土星、火星と角度をとる。
もうこれ以上、読む必要はなかった。

そっか…
幼い頃から大好きだったおばあちゃんの最後に、私は立ち会えない。
機嫌よく笑っていた、あの日が最後になるのだろう。
あの日、手にクリームを塗ってあげながら、悲しくもないのに涙が溢れ出したこと…
なぜだったのか理解した。

それから12時間後、朝方のまだ暗いうちに携帯は鳴った。

97歳だった祖母。
若かりし頃は大変な時代。
祖母もまた、それは、それは筆舌に尽くし難い人生であったと聞いている。

私が子どもを産んでから、祖母はむかしの話を色々としてくれた。
テレビや本ではけっして出せないような、切なく壮絶な当時の母たちの話。
苦しい時代、我が子達を甘やかしてあげることが出来なかった事への、自責の念にかられる胸中も打ち明けてくれた。

どの話も、心が握りつぶされるような思いで聞いたのを覚えている。

そんな祖母も数年前から、もう私たちの住む世界とは違うところに意識だけは行っているようだった。

そして、この人生最後の夜。
ホロスコープの月は太陽、土星、を通過し、火星へと向かっていた。

翌朝、祖母は最後の命の火を燃やし尽くし、息を引き取った。
家族にとっても、お別れの時を迎えた。

冷たくなった祖母の頬に触れながら「おばあちゃん、今度はもっと楽に生きられる人生を選んで生まれ変わってきてね」と心の中で話しかけると、返事が聞こえた気がした。

「そんなに悪い人生だったわけじゃないよ」ってね。

肉体の終わりは、終わりじゃない
さよならではなく、お疲れさまでした。

最後まで火を燃やし尽くして、
完全燃焼したからこそ火星、土星の解釈は、
終わりは、新しいはじまり。

種火もちゃんと残っている。

私の中には、お母さんから、おばあちゃんから、そのまたおばあちゃんから、大切に守り継がれた火が燃え続けている。
そして息子の中にも。

私たちも、しっかり命の火を燃やさなくちゃね。

葬儀の準備をしている時、地方の言い伝えなのだろうか、亡くなった人の指に赤い糸を巻きつけておくと、またこの世に生まれ変わってくることが出来ると言われているらしく、母は祖母の指に巻くための赤い糸をほぐしていた。

息子に「ひいおばあちゃんはあなたの赤ちゃんになって生まれ変わってくるかもね!」と言うと
「ぼくの赤ちゃん? やだー‼」だって。
どんな映像を思い浮かべたのかしら?
想像するとおかしいね。

おばあちゃんが、もしも生まれ変わる事が本当に出来るなら、次に生まれてくる場所はもう地球ではないかもしれない。

火星か?宇宙ステーションか?
きっとまるで違う世界にビックリして叫ぶに違いない。

オギャー‼

はじまり、はじまり

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