2019 獅子座の言葉 柳田国男

心理占星術家・nicoが選んだ今月の言葉は….

 



遠野よりさらに物深き所にはまた無数の山神山人(やまがみやまびと)の伝説あるべし。

願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめよ。

柳田国男著「遠野物語」より

 

今月の言葉

柳田国男

1875年7月31日生まれ。

日本の民俗学者。獅子座に太陽、天王星を持つ。「日本人とは何か」その答えを求め、日本列島各地や当時の日本領の外地を調査旅行。泉鏡花や田山花袋といった小説家たちが遠野物語に対する書評を積極的に記し、近代の幻想文学にも影響を与えた。

 

獅子座は、太陽を支配星に持つ火エレメントの代表選手である。火エレメントとは、「私とは何者であるか」の問いに答えを見つけるべく、己を信じ、直感を信じ、我が道を進む努力をし、「個」の存在を確立していくという特徴を持つ。

 

私は、もっとユニークな人間になれるだろうか。

胸を張って生きることができるだろうか。

もっと高みに、もっと美しい世界に飛躍できるだろうか。

 

火のエレメントの人たちは、このように日々、自分に対し問い続けるわけだが、現実はなかなかそううまくいかない。

日常の雑事に追われ、些末事に頭を悩まし、気がつけば理想の自己像から遠く離れた生活をしている。

それでもいつかと願う。

それでもいつか、「願わくはこれを語りて平地人を戦慄せしめ」たいと。

 

柳田国男は貧困に喘ぐ農民の姿を見て、農業の在り方に警鐘を鳴らした。

 

「農家は政府の保護にすがることをただ一つの逃げ道とするふうを辞めて、独立して国住建産業となるだけの計画を立てるのが自覚である」と。

 

今、このような時代だからこそ、柳田国男が言うような獅子座的な意思が必要である。

誰かに、何かにすがるのではなく、自己の存在、自己の生き方にプライドを持つこと。
誰かがなんとかしてくれることを待つのをやめ、自身の信じた活動に光を当てること。
そのためには、これまでの、誰かのやり方を踏襲するだけではだめなのだ。新しい生き方、新しい意識の持ち方を創造していかなければならないのだ。
だからこそ、古びた考え方を超え、当たり前となっている常識を超え、右に倣えをやめ、「平地人を戦慄せしめ」るような、そんな生き方を選択する必要がある。

 

それなのに、いまだ何をそんなに恐れる必要があるのだろう。

国も会社も、政治も経済も、信じられるものが次から次に失われつつある時代に、何をびくびくし、引っ込んで生きる必要があるのか?

 

一度くらい直感に従い、やれるところまでやってみたらいい。

与えられた枠組みの中で縮こまって生きている人たちに自らの太陽の光を大いに浴びせ、喜びとともに解放させてあげたらいい。

まずは、今の自分にプライドを持ち、その存在を一歩高みに置くこと。

自己を卑下した人にユニークな創造性はやってこない。

 

獅子座の季節。

人に何を言われてもいい、むしろガタガタいう人たちを尻目に自分の生き方に集中し、何か新しい自分に挑戦してみたい。

柳田国男の言葉を読み、そんなことを考えてみることができた。