射手座の季節によせて~長谷川義史「ぼくがラーメンたべてるとき」

木枯らし舞う季節になりました。
皆様、風邪などひいていませんか?

 

うさ子です。
うさ子は寒いのが苦手です。毎晩、湯たんぽを抱いて寝ているのです。湯たんぽ、冷えの強い方にはお勧めです。寝起きが変わる気がしますよ。

 

さて、今日、ご紹介する絵本は…「ぼくがラーメンたべてるとき」長谷川義史さんの作品です。

表紙の絵がとてもインパクトがあり、少年がラーメンを食べているシーンなのですが、食いしん坊のうさ子ならずとも、子どもが興味を引くような演出だなと思います。
でも、内容は深いんです。

 

“ぼくがらーめんたべてるとき、となりでミケがあくびした。
となりでミケがあくびしたとき…。
となりのみっちゃんがチャンネルかえた。
となりのみっちゃんがチャンネルかえたとき…。
となりのとなりのたいちゃんがボタンをおした。
となりのとなりのたいちゃんがボタンをおしたとき…。
そのとなりのゆうちゃんがバイオリンをひいた。
そのとなりのゆうちゃんがバイオリンをひいたとき…。”

 

この「ぼくがラーメンたべてるとき」というお話、となりのとなりのがずっと続いていく。そして、そのとなりはとなりのくにまで続いていく。そのとなりのくにではなにがおきているのか…。
自宅でラーメンをすするぼくと同じ時間に地球の裏側では戦地に倒れこんでいる子どもがいるのだ。

 

行き着いたとなりの何とも言えない切なさ。

それでも、この本は読んでおく価値があると思うし、絵本なので、お話の表現が小さな子どもにもわかりやすく、画風もほのぼのしていて優しい印象が残る。

人がここではないどこか遠いところに思いを馳せる時、そこに行けば、今ここでは得られない何かを手に入れることができるような気がする時、射手座のエネルギーは不思議と、大丈夫!きっとできる!と希望的観測を示し未知の世界を体験することを後押ししてくれるのだ。

 

人生の途中だったり、一年の中の射手座期だったり、いづれにしても、射手座の季節のワクワク感、ドキドキ感は、多くの人との触れ合いの中だからこそ得られるんだろうと思う。

 

今から7~8年位前、うさ子は、月に一度シュタイナーの水彩画教室に通っていた。その時の話。その教室の先生の息子さんが、4年生大学を卒業し、今度は別の大学の医学部に編入されたのだそうだ。なんでも、「医者になり、国境なき医師団に入って、世界中の子どもたちと友達になるんだ。」と言っているという。
それを聞いていた人たちは、もちろん私も含めて「わぁ~すご~い!かっこいいですね~。」と感嘆の声をあげていた。

 

それから、時を経て、まだ記憶にも新しいと思うが、イスラム国の事件が起きた年。連日その事件を報道する新聞記事の中で、私はその人を見つけた。イスラム国の犠牲になられたGさんのとなりでさわやかに笑む青年は、まさに、あの時の先生の息子さんだったと思う。彼は医者になり国境なき医師団に所属していた。Gさんとは日本で所属していた教会が一緒で、新聞には尊敬していたGさんの死を悼む内容が書かれていた。

その新聞記事に載っていた写真の青年の笑顔は射手座の夢の実現を思わせた。(Gさんの犠牲には心からご冥福をお祈りいたします。)

 

「ぼくがラーメンたべてるとき」の中に描かれていることは、すべてが日常だ。だが、この地球上のどこで暮らすかによって、その日常は全く違ってくる。

どこか遠いところに夢や理想を思い描く時、その思いの中に、この地球上の世界が平和であることを組み込めたら最高だろうなと思う。

 

日本はまだまだ捨てたもんじゃないと思うんだよね。
いろいろあるけど、他人や他国を思いやれる人は大勢いる。

 

「ぼくがラーメンたべてるとき」を読み聞かせした時の子どもたちの反応は、とてもシンとして、厳粛に受け止めているように感じる。真実はピュアな感性には真っすぐに伝わるんだよね。

 

是非、一度読んでみて!

それから、寒くなるけど、あったかい食べ物で和んだら気分もほんわかして次に行ける活力も湧いてくるよ。きっと。うちは、今日はキムチ鍋かな。
それじゃ、またね!

 

うさ子より。

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