星音の履歴書 蠍座 - ジョルジュ・ビゼー

オペラ「カルメン」、劇不随音楽「アルルの女」で知られるビゼーは、19世紀に活躍した、フランスの作曲家です。

 

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http://www.bach-cantatas.com/Lib/Bizet-Georges.htm

 

カルメンの多くの曲は、誰でもなじみのある曲ばかり。
けれど何度聴いてもその度に血が騒ぐような、勢いと圧倒的な力強さがあります。それは自分の中に灯る、炎を燃え上がらせてしまうほどのエネルギー。

ビゼーはどのような星を持ち、音楽を作り上げていったのでしょうか。

 

「カルメン」、「真珠採り」など オペラの作曲に情熱を傾けたビゼーは蠍座の太陽を持っています。

完全なる独自の世界、音楽を打ち出す作曲家に蠍座が少ないのは、誰かの世界に深く入り込み、自分にないものと一体となり、新しい自分へと変わることの方が蠍座が望むことだからでしょう。

自分が持ち合わせていない、異なるものを取り込むことは、苦痛でもありますが、それによって大きく自分が成長することが出来るのです。

オペラの作曲は、他者によって作られた世界に入り込むという蠍座の感覚に合うのです。そして、人間と人間の間で交わされる思いが、歌という形で表現され、非常に水のエレメント的です。

題材である「カルメン」も「アルルの女」も自分の心に忠実で、奔放な女性が登場し、彼女に心を奪われた男性が、愛と狂気によって自ら破滅の道に進んでいく、という共通点のあるストーリー。

 

二つの作品が、彼の音楽の代表作といわれるほど優れた出来になったのは、男女の間の感情、執着、嫉妬といった普段見るのがはばかられる心の裏側の要素を音楽にうまく乗せたからだ、と思うのです。

 

彼自身メリメの原作を読み、カルメンの魅力に惹き込まれ、オペラ化を熱望したと言われています。
彼自身、心の暗い部分を強く感じていたからこそ、「カルメン」の底にある、どろどろとした愛憎を表現できたのかもしれません。

 

ビゼーに聞けるなら、カルメンのどこに惹かれたのか聞いてみたいものですが、自分の価値観を変容させてくれるような異質の相手を、心の奥で求めていたのではないか、と私は思います。

 

「カルメン」第一幕

 

ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet)
1838年10月25日パリで生まれる。

声楽教師の父、ピアニストの母のもとで音楽に親しみ、9歳でパリ音楽院に入学。19歳でカンタータ『クローヴィスとクロティルデ』でローマ大賞を獲得する。リストを驚かせるほどのピアノの技術を持つが、ピアニストではなく、オペラ作家を目指す。オペラなどの劇音楽の作曲に専念する。

25歳のときのオペラ『真珠採り』でオペラ作曲家の地位を確立させ、ドーデの劇『アルルの女』付随音楽、オペラ『カルメン』などを作曲したが、1875年3月にパリでの初演は不評であった。

『カルメン』初演の約3ヵ月後である1875年に36歳の若さで永眠する。