
お洋服が大好きだ。
そんな訳で、町ゆく人の服装などを眺めているのも楽しみの一つ。
最近ウォッチングするする中で、ひときわ気になる人達がいる。
土星期以降のマダム達だ。
※各天体には、それぞれその天体を成長させるのに最も適した年齢があり、土星期は55才~の年齢を指す
とにかく彼女たちの個性的で、余裕のあるお洒落が見ていて、楽しい。
どんなアイテムにだって「着られて」しまったりしていないのだ。
そして今の様にカジュアル全盛ではない時代に、娘時代を過ごした人達のファッションは、どこかしらエレガントだ。
今回は、そんなマダム達のお話を。
ちょうど梅雨入りの頃だったか。
カフェでお見かけしたマダムは、黒地に白で、紫陽花が描かれたレオナールのシャツ。
洗練された色味を廃したプリントは、ビアズリーのリトグラフの様だった。
また、同じ季節の銀座で、美しい白髪をシニヨンにしていたマダムも忘れられない。
前から見るとシンプルな装いなのに、後ろ姿の大判のシルクスカーフに、雨あがりの空と同じ色の紫陽花が咲いていた。
種類が特定できる花のプリントを纏う事は、その花の季節を纏う事だ。
一年の内、ほんの数回しか着られない衣類を持つ事は、無駄で、非生産的でー。
しかし、なんて優雅で贅沢な事だろう。
その季節を寿ぐ一篇の詩のようだ。
装うことを詩をよむ事になぞらえるなら、天体では、まず金星と水星の作業なのだろう。
金星による自身の内面の豊か美意識や詩心を水星の技巧で表現する。
nico先生講座によると、「水星は外界との最初の窓口」。
水星の本分は「情報を収集して知識を溜め込む」事ではなく、吐き出す事。外へ表現する事だという。
マダム達の装いの季節を感じ、花を美しいと思う金星の叙情性も、その花を纏い外界へ表現する水星の技巧も、年期を重ねた素晴らしく水準の高いものだ。
やはり、マダム達をみて、すべからく全ての女性は美しいのだと感動する。
さて、ここまでお読み頂き、さんざんファッションの演説をぶった筆者自身「季節を詠うような一着」は持っているのかと、疑問に思われた方もいるかも知れないー。
答えは、YES。
その一着だが、「白梅の枝にとまる鶯の刺繍のついたピンクのチャイナカラーニット」という…
季節は、それは、それは、もう高らかに唄うだろうが可愛くもパンチの効いた一着で。
その上サイズもすこぶるスリムなので、残念ながら、今のところ一度も外に着ていけていない。。。
来年こそ、鶯は春を告げる唄をうたえるだろうか?
ホー ホケキョッ。