天秤座の性質のひとつに、自分の考えを決め切る前に左右の意見を聞いてみてから、、、というのがあると思います。優柔不断とみられるのはこのためかもしれません。すぐに決めないのはどこか迷っているからなのでしょうが、天秤座てきには自分の考えと反対の考えがどんなものだか気になるという性分があり、あえて反対側について考えたり調べたり、実際にそれとなくやり取りしたりします。そこを考えないままにバッサリ切って無視するのは苦手です。反対について考えたあと不要ならチョキンと切ります。
先日の二コラボでの火星サイクルについての討議では、このような自分の中には無い意見や存在の仕方について、どう感じて、どう振る舞うかの違いが見えておもしろかったです。乙女・天秤・蠍の対人サインに個人天体がある人たちは、他者存在と比較したり照らしたりして自分の輪郭や感情を知るようで、金星感覚の育て方、火星感覚の使い方の中にかなり環境や他者の影響があるんですね。これはきっと本に書いてある通りなんですが、ひとつのテーマで話し合って、目の前にその違いが立体的に浮き上がると、なるほど、これか!と思いました。
反対側を意識するうちに、自分にはなかった選択肢や方法が増えてきて、自分のものと比べてみます。そこでいきなりぐるっと意見が180度変わることは少なくて、最初の考えに立ち戻りつつもとの自分の考えを少しスライドさせる、ということをよくやります。自分にはなかった考えを取り入れて、アレンジする、補強する、補完するとか、そういった感覚です。調整幅が大きくなるとはじめの考えと60度80度くらい方向が変わることもあります。
あああ、はじめと180度ちかく変わるときもありますわ。人の視点を入れて調整しているうちに、全く真反対のことをしようとしていたんだね、はじめの自分ってば!!と気づいたような記憶もありますなー。そういう流れだとしても、はじめにやりたかった方向性に対しては、やっぱりこれでよかったんだ、という感覚を捨て切らないかも。
自分が何かを取り込むにあたって、それをもうちょっと知りたいという動機が加わってくると、参考にさせていただくために、いろいろ話を聞くために関係を持つという流れ。風エレメントの軽さをふくんだ関係は、まだ切っ掛けでしかない、入口部分だぁと思います。
天秤座に木星が入るとなると、オポジション的な反対側に位置するようなものに触れて、自分とちがう部分を比べて、おお!それもあったか――!、みたいな視野の広がりにつながる期待が。それは自分を揺らして位置を調整することになるので広がりとともに迷いも体験していくことかな。
直接的な対立で波風が立つような場の空気が意外と神経に触るので、当たり障りのないコミュニケーションで隠すところを隠して、そこにはあえて触れないというのも天秤座的です。場においてポーズ的に感情表現をする一面もあるかもしれません。表の場から平和で友好的な調和を乱すモノ、相手がつい顔をしかめそうなモノ、汚いモノを取り去りたい。天秤座は見せてもいいところとそうじゃないところを意識的に切り分ける性質もあります。
準備不足や自信のない状態で人のたくさんいるところに出ると、見られたくない部分ばかりが人目についているんじゃないかと不安になることがあります。間口を広げて見るうちに、左右の広がりよりも上下の差に悩むようになるかもしれません。このあたりは乙女座からの流れを感じる部分でもあります。
自分の中で作りだしたそういう流れに沈みそうになるのをいったん断ち切って、さまざまな人、反対側の人もいるところへ生れ出るのが天秤座。木星が獅子座・乙女座にあった期間につくった自分らしさをもって、コレいかが??と売り込むには、はじまりのサイン牡羊座にも負けない思い切りがいるのかも。