nicoの星宙予報2018 天秤座

季節の変わり目に対応する柔軟サイン・乙女座の期間、皆さんは自身の生活、人生の中に、どのような反省点、修正点を見出しただろうか。

そして、それに合わせ、どのような努力や調整ができただろうか。

 

2018年の火星最接近は、私たちに「いつでも自分の身に危機は起こり得る」ということを教えてくれた。

もちろん、それは災害や事故といったものだけの話ではない。

仕事や収入を失う不安、若さや健康を失う不安、別離の不安、孤独の不安といった、自己存在を脅かす喪失の不安を強く刺激されることとなった、そんな火星最接近を体験した人もいたかもしれない。

火星=牡羊座=蠍座は、そのように危機感をあおり、「生き残らなくては!」という意識を高めるエネルギーを持っている。

もし、この時期に危機感を感じたのなら、平和ボケした自分に喝を入れるべく、その思いに忠実に動くといい。心が感じることは、いつか起こり得る“胸騒ぎ”、そして“可能性”なのだ。そして、すべて人生の教訓なのだ。

これが、月=蟹座、火星=蠍座、木星=魚座の構造となっている。

火星が動けば月が揺れ、よって木星が対処しようと工夫を始める、という防衛のシステムが働くということである。

 

このメカニズムに合わせ、太陽・乙女座期にどのような創造的反省や未来的修正ができただろうか。ちゃんと問題にフォーカスし、解決の方法を具体的に検討できただろうか。無駄な動きを調整すべく、スケジュールは立てられただろうか。また、そして重要な乙女座のテーマ、このような時代にあなたを生かす「手に職」「手立て」の洗練はできただろうか。

 

9/22(土)、秋分の日の前日、恒例の火星ワークショップがあり、恒例の季節図読みをやったのだが、そこではくどくど、本当にくどくど「この1年は、自分の中に水星、特に乙女座のテーマである「自分を生かす技術力」を大切に育ててほしい」という話をさせてもらった。

 

 この提案には、もちろん三つの根拠がある。

 一つ目は、秋分図のチャートを見ればわかるだろう。ASCは射手座、そしてMCが乙女座になっている。射手座は、もちろんこの秋の大きな旬のテーマとなっている。11/9に木星が射手座にイングレスするからだ。

 射手座は壮大な理想を掲げ、そこに情熱的に向かっていくサインである。つまり、秋分期間の3か月は、「どこに向かって」「どうなっていきたいのか」といったビジョンを作り上げていくときであるということがわかる。

 

 

けれど、射手座=木星はともすると、ただの夢想家、はったり屋、口弁慶(口ばっかりで行動が伴わない)、張子の虎(見かけは立派だけど、中身がともなわない)になってしまうこともある。

それを防ぐためには、柔軟サインのステップ、双子座(オポジション)、乙女座(スクエア)といった水星チームを先に育てておく必要があるということになる。

 十分な知力を育て、十分な技術力を育てる。 それができて、初めて「どこに向かって」「どうなっていきたいのか」が可能になるということだ。

 

 二つ目は、もちろんこの1年の季節図のテーマでもあり、ここ3年、トランジット上でも特に重要な天体となっている山羊座=土星の完成のための「手立て」として、乙女座がその土台を支えているということである。

 前回も書かせてもらったが、地エレメントの完成のためには、まずは牡牛座で誰もが持つ「自分にすでに備わっている能力」「ギフトのように与えられた才能」を実感し育て、乙女座でそれを社会で通用する技能、技術として磨き上げなければ、とても山羊座が目指す「私にふさわしい役割」を手にすることはできないということ。

だから、土星が山羊座にいる間に、このステップを繰り返し踏むことは、決して無駄にならない。むしろ、牡牛座に天王星がいる7年間をかけて行ってもいいだろう。

 


 

 そして三つ目は、秋分のテーマでもあり、また1年間のテーマでもある、天秤座を目指すにあたり、そのひとつ前の乙女座がしっかり訓練されてなければ、やはり天秤座に向かうのは難しいであろうということだ。

 春分図も夏至図も、そしてこれから向かう冬至図もMCが天秤座になっている。そしてもちろん、秋分図はもともと天秤座がテーマであることから、この1年は天秤座的テーマ、国で言えば、外交問題や協力関係の問題、その前提となる「日本という国の価値をアピールする場づくり」がどれくらい完成へと向かえるかということ。企業や団体、個人ももちろん、これに付随したテーマが重要となるわけだが、では、何をどう見せたら個性を一番効果的にアピールできるかを考えた場合、つまり、乙女座までで完成したであろう「武器=強み」になるわけだ。

 

 だから、国は党内のごたごたをさっさと解決し、外交に強い日本を作っていくのが先決だ。

 外交問題は待ったなしだ。中国は経済制裁という強みで世界経済を脅かし、北と南は手を結んだ。日本にとっての抑止力がアメリカの後ろ盾だけではなんとも悲しい。

 個人だって同じだ。何かの後ろ盾だけではなかなか厳しい。自己の“持ち物”の提供がどのくらい価値を持つのか。私にとっての大切な財産とはどのようなものなのか。もう一度、秋分期間にそれを考え、そして育ててみるといいだろう。 そうすれば、11/9以降、何かしらの飛躍が期待できるかもしれない。