今月のおでかけ ~恐れを慈しむ!大妖怪展

ただいま開催中の大妖怪展(@江戸東京博物館)へ行ってきました!

妖怪は、日本人が古くから抱いてきた、異界への恐れや不安感、また”身近なもの”を 慈しむ心が造形化されたものです。(「大妖怪展」パンフレットより)

異界とは、人間が周囲の世界を分類する際、自分たちが属する(と認識する)世界の外側。異世界。 (wikipedia–「異界」より)

人間が太刀打ちできない、自然の破壊的な力。
体を蝕む病。
理不尽に降りかかる難……
古来、日本人はそれらの大いなる力や見えない不安や恐れ、心に渦巻く感情などを、おかしく愛くるしい物として表現して向き合ってきたようだ。
大妖怪展に見る妖怪たちは、どれもユニークで、恐ろしいものというより、慈しみと畏敬の対象であったことがよくわかる。

異界の大いなる力を取り込む、つまり異物を受け入れ、そして自分を変容(成長)させるとはまさに冥王星の象徴である。
見えない敵は怖い。嫌悪したり、排除したり、背を向けていては自分の中に取り込むことはできない。心の奥深くを見つめ、恐れや不安を見つめ、形ある像として描く先人たちの知恵とその感性には驚かされる。

高井鴻山の「妖怪図」は、実在する生き物のように細部に至るまでリアルで、その緻密さに驚かされる。歌川国芳の作品は構図が斬新で、まるで飛び出す絵本のようだ。どれだけ見ていても飽きない妖怪たち。

冥王星克服のためには、スマホの中の仮想のモンスターを探すのではなく、自分の恐れや不安を何か形あるものとして息吹を吹き込むのが一手かも。

大妖怪展 ― 土偶から妖怪ウォッチまで

東京会場: 江戸東京博物館 開催中~8/28(日)
大阪会場: あべのハルカス美術館 9/10(土) ~ 11/6(日)
大妖怪展オフィシャルサイト

gashadokuro

wikipedia–『相馬の古内裏』より