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占星術の夏至、IC

夏至。占星術では太陽が蟹座の0度に位置することを指し、ホロスコープ円ではICと呼ばれる一番底のポイント。
天底のICに対し、天頂にはMCがあり、それらを結ぶIC-MCの縦軸ラインは、占星術において重要視されるポイントのひとつ。個人のホロスコープでは、人生がこの二つの極、IC=「私的な自己の基盤となる心のよりどころ」と、MC=「公的な社会での自己実現」が時に対立し、また補完し合いながら作られていくことを表している。樹木に例えるならば、しっかり大地に張りめぐらされた根がIC。幹から伸びた枝に実る果実がMCというわけだ。
そのICのキーワードには、心のよりどころ、帰るところ、土台、魂のルーツなどがあげられる。具体的にいうならば、家族や身近な親しい“人”や、家や故郷といった“場所”、人によっては宗教や思想、アートなど自分を支えているもののことである。

世界の夏至

夏至をネットで検索すると「キャンドルナイトのイベント」や、「昼が一番長い」などという説明ぐらいでなんだかあまり注目されていない。世界ではどうなのだろうと調べてみた。
北欧ではミッドサマーデー(夏至祭)が各地で行われ、今でも夏至は重要な位置づけである。現在はキリスト教と結びついているように思われているものもあるが、それらはキリスト教伝来以前の自然崇拝の時代からの言い伝えを背景にした伝統的な祭だそうだ。夏至には様々な奇跡が起こると信じられ、それにまつわる習わしが前夜から朝にかけてあるようだ。
ヨーロッパの夏至祭

イギリスの環状列石ストーンヘンジ。ここでは中心にある祭壇石を結ぶ直線上に夏至の太陽が昇る。ふだんは遠巻きにしか見ることができない遺跡のエリアに入れることもあって、毎年多くの人が夏至の日の出を拝むために集まるそうだ。
英ストーンヘンジで夏至の祭り、神秘の現象に2万3000人

日本でも伊勢神宮にほど近い二見興玉神社で「夏至祭」が行われている。夏至の日には二見ケ浦の夫婦岩、しめ縄で結ばれたふたつの岩のちょうど真ん中から朝日が差し昇るのだ。その朝日を浴びながら、禊を行うというもの。さらに天気が良ければ、富士山がその日の出に重なるという、なんともシンボリックなコンステレーション!

ほかにも世界には夏至を知るための遺跡がいくつも存在している。ギザのピラミッド、メキシコのチチェンイッツァ、ドイツのゴセック・サークルなども夏至の太陽が昇る位置を正確に表している。どうやら古代の人々は暦も時計もない時代に「その時」を体現するためのために巨大な天文、祭祀の施設を作ったのではないか。それほど当時の人々にとって夏至が重要だったことがわかる。

境目の特別な領域と「その時]

東洋思想の陰陽で考えると、夏至は陽が満ちて陰に転換する地点、つまり陰陽が交わる境目である。
この境目というのは、実はライン(線)ではなく、領域として古代ではとらえられていた。現在は男/女、生/死、あの世/この世など対立する境目には、きっぱり線が引かれているイメージがあるが、そもそも中世くらいまではその境界線というものは曖昧であった。境目はあちら側(A)にもこちら側(B)にも接していて、AでもBでもどちらでもない。そしてAとBが融合し、AもBも含むけれどA+Bというだけではない特別な領域があったと考えられていたようだ。
例えばお盆や祭りのならわしには、あちら側とこちら側の世界を隔てているゲートが開くイメージがある。すると境界は曖昧になり、特別な領域が日常に現れる。盆踊りや神楽や宴など、そこでは日常の秩序はご法度。良いも悪いも、ごちゃまぜのカオスである。人々はカオスにおこる爆発的なエネルギーを日常に取り込むと考えられている。
夏至もいわば、境目のゲートが開かれるカオスでパワフルな時間なのである。

カオスの力

ではふたたび占星術の視点にもどって……。夏至、境目の「その時」、特別な領域のどこにチューニングするか。そこから何をすくい上げたらいいのか、個人のホロスコープで考えてみる。
個の人生という一本の樹に豊かな実りをつけるための安定した幹。それを支える根。心のよりどころとは、表層に見える家族、家、故郷、思想やアートといった根からさらに深く伸びて自我の意識の奥の水源に繋がっているはずである。
表層のものたちはやがて形をなくしたり、変わってしまうかもしれないが、水源から湧き出る泉は濾過(浄化)されていて、普遍的かつ枯れることがない。
夏至の「その時」には水源へのゲートが開き、湧き出る泉にチューニングする力が高まる。カオスの中ですくい上げるものは、社会での自己実現を支えるゆるぎない根になるはず。
夏至を調べていくうちにビジュアルでイメージが重なったのは、「宇宙樹」とも言われる北欧神話のユグドラシル。地中の根が泉に繋がっているのがわかる。
ikeuchi0616

さてさて2016年6月21日。東京では太陽が蟹座0度に入るのは7:34am、日の出は4:25am。どこでどう過ごそうか。

この記事を書いたひと

池内昌子
セラピスト。リフレクソロジーをはじめとするボディセラピー、アロマ・ハーブなどの薬草術、心理占星術をとおしてからだとこころを探究する活動をしています。現在はma-collaboとして、ヨガスタジオnidaと出張でセッション、ワークショップなどを行っています。
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