nicoの星宙予報 2018水瓶座

お知らせ:これまで毎月の「赤ペン12サイン占い」に掲載していた全体の流れを「nico の星宙予報」として掲載しています。

 

占星術業界は、この一か月山羊座土星の話題で持ちきりだったという。
ある生徒さんが「どこを見ても何を読んでも、上ばかり見ないで、地に足をつけた生活を目指そう。無駄をなくしてシンプルに生きようといった言葉が並んでますよー」と教えてくれた。
そういった同調圧力が固定観念を作り、それ以外の生き方の選択ができなくなるのではないかという息苦しさを感じた時、風エレメントの水瓶座が大いに役にたつ。

フランス革命の目指した「自由・平等・博愛」は、同時期に発見された天王星=水瓶座のスローガンにもなっているわけだが、いつの時代でも「自由」という観念は、国においても企業においても、また個人のおいても、一番遠い理想であることは間違いない。

しかし、風エレメントの成長過程にある「自分の考えを持つ」「知性を育てる」という行為は、自由をつかみ取る重要な力となることも理解できるだろう。
なぜなら、個人の頭の中にあるものは誰にも奪えないからだ。
最後の不動サイン水瓶座期に、知性、情報、考えや意見にどれだけ揺るぎない個人の価値を見出せるか。
それが水瓶座期の大きな目標となる。

山羊座土星が作り上げるシステムは、もちろん社会を安定させるために必要なものだが、それが果たして「私」にとってのスタンダードとして機能するのか、または多くの人たちにとって心地よく働くのかと考えると疑問が残る。
これからの山羊座土星の運行期間3年の中で作り上げていくシステムをどのようなものにしていくか、今回の水瓶座期に感じる何かしらの違和感をとらえておくことはとても重要になるだろう。

牡牛座の違和感を感覚で理解することができるように、同じ不動サインである水瓶座が感じる違和感は、思考によって判断することができる。
自分の思考がNOということは、自分のスタンダードではない。
周囲がどれだけOKと言っても、水瓶座期に自分の頭がNOと言っていれば、それは長続きするシステムにはなり得ない。
水瓶座期は価値判断を思考にゆだね、頭の中の世界を気持ちよく「私流」に整えておきたい。
そうすれば、言うべき「時」を見失うことはない。

国の理念、企業理念、個人の理念は、過去から未来へと自然な時流=風の流れなのだ。
アジア外交に対しても、今、このタイミングでNOをしっかりと実感し、声を上げておくこと。
こうありたいという声は、きちんと発言しておくこと。
それが国、企業、個人の存在価値を最終的に決めてくれるだろう。
 
また、今月の言葉にも登場したシモーヌ・ヴェイユのもう一つの言葉に、

純粋に愛することは、隔たりへの同意である。
自分と、愛するものとのあいだにある隔たりを何より尊重することである。

というのがあるが、これもまた人類が目指す大きな理想であり、実現への道のりの険しさを想像するのは容易である。
家族やパートナーの間でさえ価値観のすれ違いは必須であるのに、人々の間の中に存在する隔たりを尊重するということは可能なのか?

この隔たりを超えた先の体験からもたらされる恩寵=価値がある。
水星の成長した姿が天王星だとしたら、「知らない」に刺激されることによる大きな成長、が期待できるのもこの水瓶座期なのではないだろうか。
人との交流からもたらされる、そこにしか存在しない反応による価値。
そこに新しい未来の可能性を探ることも、この時期ならではの体験になるだろう。

2018年、火星は水瓶座に155日滞在する。
つまり、1年の約42%に値するということになる。
これだけ水瓶座を行ったり来たりするということは、水瓶座的サバイバル力――誰にも奪えない自分だけの知性を身につける、自分だけの意見を持つ、人々との交流の中でお互いの隔たりを楽しむ――を身につけておけば、社会を生き抜く大きな力となると考えることができるわけだ。
これは来る2020年の水瓶座におけるグレートコンジャンクション=水瓶座時代を体験する上での力となることも大いに考えられるだろう。
 
だからこそ、同じ不動サイン同士である蠍座・木星体験も、同じ支配星を背景に持つ山羊座・土星の感覚を育てていくことも重要だということだ。
知性による違和感の体験が水瓶座だとしたら、感情による違和感の体験は蠍座である。
まずは、心の違和感、所属の違和感を解消しておくことが大事であるということである。

これで1年の流れとしての自分の感覚(牡牛座)、魂(獅子座)、心(蠍座)、思考(水瓶座)の4つの不動サインの実感が整ったということになる。

果たして皆さんの中で、揺るぎない神殿としての「私」が実感できているだろうか。