2017 天秤座の言葉 アニー・リーボヴィッツ

心理占星術家nicoが選んだ今月の言葉は…

 

最高の写真を撮るなら、その場の一部になるの。
相手と同じことをするのよ。
空気のような存在になれば、自由に写真が撮れる。
写真とは、空を舞う芸術だもの。

ドキュメンタリー映画 『アニー・リーボヴィッツ レンズの向こうの人生』より

今月の言葉

アニー・リーボヴィッツ

 

1949年10月2日アメリカ生まれの写真家。主に肖像写真で有名。太陽、水星、海王星を天秤座に持つ。1980年にジョン・レノンとオノ・ヨーコの写真を撮影。この数時間後にジョンはNYで暗殺。1991年にはデミ・ムーアの妊婦姿を撮影し論争となる。

7番目のサイン天秤座は、風エレメントと活動サインの特徴を持つ。7という数字は素数であることから新しい動きが生まれることを、それに加えて活動サインは、場を作り出す活動力を意味する。
では、風エレメントの場の作り方とはどのようなものなのだろうか。

映画の中で、元カルフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーが言う。
「彼女は環境や周囲の人間に順応するのがとてもうまくて、みんなを気分良くさせることができるんだ」
また、ザ・ローリング・ストーンズのミック・ジャガーも言う。
「そのころ女性のフォトグラファーなんて珍しかったけど、彼女はいつもそこにいて、気がついたら仲間の一人になっていたんだ」

風とは、目に見える物質ではなく、空気が流れ動く現象そのもののことを言う。
風の起こるところにはよどみがなく、新しく軽やかな心地よさがあり、どこかにとどまることなく、そこにあるすべてのものをなでていくのだ。

活動サインである天秤座は、その風の性質を使って場を育んでいく。
停滞した環境に新鮮な空気を送りこみ、まるで風のような自然さで、その場にいる人々の意識を呼び覚ます。

なぜか?
天秤座は、人との関係性の中で自己を発見するサインだからだ。
乙女座までの流れの中で得た「私」であると思ったものが、多様な他者との出会いの中で崩壊する経験をすることもあるだろう。
これまで知ることのなかった「私」を他者の中に見つけ、私のアイデンティティが揺らぐこともあるかもしれない。

その時に知るのだ。
私の美意識を守るため、自由に生きるために、その場にふさわしい空気となればいい。
強く吹く風でも、柔らかな微風でも、その時に最適な風を起こせばいい。

活動サイン天秤座の風は、多くの人の人生を目撃しながら渡りゆく。
肖像写真の中に様々な人生の物語を、被写体の思考を、言葉にならない声を、時代を、目撃する。
天秤座の活発な知的活動は、人が作り出す空気とともにある。
それが人や時代を映す「空を舞う芸術」となっていくのだ。