2018 乙女座の言葉 安藤忠雄

心理占星術家・nicoが選んだ今月の言葉は….



りんごは青い方がいいと思うんですよ。

人間も青い方がいい、何も知らない状態の方がいい、100歳まで青い方がいいと。

完成したらだんだん赤くなってくるじゃないですか。

それよりも人生最後まで青い方がいいと思っている。

青いということは可能性があるということですからね。

自分は青リンゴだ、青春だ、希望があるでしょ。

うちの事務所にね、青いリンゴの絵があるんですよ。

青いリンゴの彫刻もあるんですよ。

それ見ながらね、

建築の設計家になりたいと思ったときの気持ちを思い出していますよ。

安藤忠雄インタビューより

今月の言葉

安藤 忠雄

1941年9月13日大阪市生まれ。太陽、海王星を乙女座に持つ。

建築家。
独学で建築を学び、1969年安藤忠雄建築研究所設立。代表作に「光の教会」「ピューリッツァー美術館」「地中美術館」など。1979年「住吉の長屋」で日本建築学会賞、国際建築家連合(UIA) ゴールドメダル、ジョン・F・ケネディーセンター芸術金賞、フランス芸術文化勲章(コマンドゥール)、イタリア共和国功労勲章イサム・ノグチ賞など受賞多数。2009年ガンのため胆嚢・胆管・十二指腸・膵臓・脾臓の5つの臓器を摘出。

乙女座というサインはとてもユニークだ。水星を支配星に持つ地のエレメントゆえに、「真面目」「神経質」「近視眼」なとど言われることもあるが、私の考えでは、これらはどれもあまり当たっていない。自分勝手でだらしなく、おおらかな乙女座をたくさん知っているからだ。

もちろん乙女座の中に真面目で神経質な要素があるにはあるだろう。けれど、それ以上に、彼らのユニークな個性のほうに目がいく。

彼らの個性とは、もちろん地エレメントからきているものだ。自分の感覚に忠実であろうとする地エレメントの内的世界は、常に静かな奥行があり、独特で個性的である。

そしてまた、個人サイン最後の乙女座は、12サインで一番、自分に対するこだわりが強いサインであると言っていいかもしれない。いつまでも未完の感覚を持ち、自分であろうとすることに熱心であり、世界に好奇心を持ち、そしていつまでも自分自身の可能性を追い求め続ける。それが安藤忠雄の言う「青い」ということである。

いつまでも「青い」と感じるからこそ、できないことに不安や無力を感じることもあるだろうが、その「青さ」がひたむきな努力へと向かう原動力にもなっている。

また、ピタゴラスの最初の完全数6(1+2+3)番目のサインである柔軟サインの乙女座は、自分自身とのマッチングだけでなく、環境とのマッチングを求める。自分の存在が、また自分がつくり出すものが世界とうまく調和していないとき、乙女座の特有の神経質さが出てくることもあるだろう。自分であることの存在の不安に襲われるのだ。

安藤忠雄は、著書「建築家 安藤忠雄」の中で住まいに関してこのようなことを言っている。

極小ともいえる敷地での自然との共生というのは、普通に見れば、小さな建物の3分の1を占める中庭は、なんと無駄な存在かと思われることだろう。だが私は、自身の長屋暮らしの体験から、この中庭という自然の空白こそが狭い住居に無限の小宇宙を創り出すのだと信じていた。同時に、その中庭から入り込む自然を、厳しさを含めて受け止め、日々の生活の彩として受け入れる強さが人間はあると考えた。

乙女座の中にはいつも静かな小宇宙がある。そこは絶えず環境と調和しようと変わり続け、揺れ続け、未完の感覚を楽しみながら世界に挑み続ける世界である。

自分が青いリンゴであり続けることを受け入れてしまえば、むしろずっと自分の可能性を楽しむことができる。

つまり乙女座は、実は12サインで一番、自分であることを面白がることができるサインなのかもしれない。