
心理占星術家nicoによる「時期読み百景」。毎月、太陽がサイン移動した瞬間のホロスコープ(イングレスチャート)を分析し、わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を読み解きます。
出来事の当たる・当たらないではなく、占星術で時期をよむことの面白さ―――人、国、時代に起こった出来事を私事にするための道具―――をお伝えした一遍です。
「星宙百景2025 魚座期のおさらい編」で、このようなことを書いた。
2025年2月28日、世界中に衝撃が走った。トランプ大統領とゼレンスキー大統領の生々しい口論のニュースが飛び込んできたのだ。
「あなたはカードを持っていない」
「私はカードで遊んでいるわけではない。私はとても真剣だ。私は戦時下の大統領だ」二人のやり取りを固唾をのんで見守っていた世界各国のリーダーたちは、おそらくそれぞれに「我々の国にはカードがあるのか」と考えたのではないだろうか。
その後、欧州各国の首脳らは次々とゼレンスキー大統領を支持。そのゼレンスキー大統領は、スターマー英首相が主催する首脳会談に出席するため、前日にロンドン入りした。天空上では、牡羊座金星がその瞬間、まさに逆行を開始したときだった。その動きが9月上旬に起こる。それをもう少し詳しく考えてみたい。
2025 魚座期のおさらい編 ~牡羊座の金星逆行「わたしにはカードがあるのか」夢想の世界から、生き残りをかけた厳しい現実へ
ここから金星は魚座へと引き返し、そしてまた牡羊座へと向かった。この魚座⇔牡羊座の流れは、今後、土星、海王星がたどる道でもある。
「牡羊座へと進んだ天体が魚座へと戻り、また牡羊座へと向かう。この行ったり来たりの動きの中で、わたしたちはどんな体験をし、何を学ぶことになるのか、ぜひ注目してみてください」この半年、事あるごとにそんな話をしてきたような気がする。
8月15日、アラスカでトランプ――プーチン会談が行われた。トランプ大統領は「大きな進展があった」と述べたものの、停戦合意や和平協定などの明確な成果はなく、具体的な合意にも至ることはなかった。それよりも、アメリカで盛大な歓迎を受けたことによる、プーチン大統領の外交的勝利の印象を強く残した。実質的な外交成果は乏しく、トランプ大統領は完全にプーチン大統領に振り回されただけに終わったということだ。
そして8月19日、米・ホワイトハウスにて、二度目のトランプ――ゼレンスキー会談が開かれた。
その前日、インタビューでトランプ大統領は、「戦争の行方はゼレンスキーにかかっている。ゼレンスキーが変わる必要がある」と言ったが、その言葉を受けてなのかどうか。彼はトレードマークの軍服を脱ぎ、黒のスーツに身を包んでトランプ大統領の前に現れた。
前回の会談で「スーツではない服装」が批判の的になったことを受けてのことだという。ゼレンスキー大統領のスーツ姿を眼前に、以前、軍服を批判した記者からも、そしてトランプ大統領自身からも「素晴らしい」「カッコいい」という称賛が上がり、会談の雰囲気づくりに大いに役立ったということだが、まあ「視覚的外交」という言葉があるくらいなのだから、そんなものなのかもしれない。
ここまで長々とトランプ&ゼレンスキー会談について書いた理由は、前回、太陽が魚座に入った直後、金星の逆行のタイミングで一回目の会談が物別れに終わり、そして今回、乙女座期に入る直前に二回目の会談が行われた。魚座と乙女座は180度、オポジションの関係であることから、この二つの会談が補完関係にあること、伏線回収に至る可能性があることが示唆されている。どんな伏線回収か。
結局、停戦合意までは至らなかったものの、武器供与や航空機・防空システムの提供を示唆し、安全保障と支援の約束にこぎつけることはできたのは大きかった(が、まだまだ戦争は続くということだ)。



トランプ大統領、プーチン大統領、ゼレンスキー大統領、三つの三重円を並べてみたが、プーチン大統領のこの揺るぎない感じはどこから来るのか。ゼレンスキー大統領と共に欧州各国の首脳たちも会談に駆けつけたが、あのペコペコぶりを見たら、とてもプーチン大統領に立ち向かっていく力があるようには思えない。これが人生経験の違い、百戦錬磨の迫力ということなのだろうか。
ゼレンスキー大統領が軍服を脱ぎ、黒いスーツに着替えたこと。
プーチンの顔色をうかがいながら、結局、強気で出られないトランプ大統領のこと(22日、プーチン大統領に対し、追加制裁など次の措置を取るまでに二週間の猶予を与えたという。これまでも結局は圧力強化に踏み切らず、煮え切らない状態が繰り返されていた)。
そして、ひとり気合が入ったプーチン大統領のこと。これらを魚座からの流れの、一つの着地と考えていいのではないか。
わたしたちは、この三人から何を学ぶことができるだろうか。
8月26日(火)の月イチ勉強会では、彼ら三人のチャートを利用しながら、『三匹の子豚』よろしく、3つの生き様(選択肢)について考えてみたい。
① ゼレンスキー 軍服を脱ぎ、黒いスーツを着る
② トランプ そこそこ力を発揮しつつ、どうしても超えられない存在がいる
③ プーチン 三ヶ国による会談に応じる気配を見せない
ここ半年の流れを振り返ることで、恐らく解決すべきテーマが見えてくると思う。次回、8月26日の月イチ勉強会では、この辺を整理し、残りの半年の過ごし方のための準備をしておきたい。
日本は日本でいろいろある。
やはり石破政権の行方が鍵になるだろうか。「石破降ろし」に裏金議員が躍起になっているとか、自民党がお粗末すぎて腹が立って仕方ない。結局、こういった議員をやり込められなかった石破首相のリーダーシップのなさがすべての元凶なのではないか。
その石破政権の行方は、やはり土星の動きにかかっていると思っている。
9月1日、土星が魚座へと戻ったとき、新しい動きは出てくるだろうか。このままでは国会は運営できないわけだから、すでに水面下で連立を組む話は進んでいるはずだが、その動きが加速するのが今期の乙女座期となるのだろうか。
表立った動きはなくとも、以下のイングレスチャートの12ハウスの強調は、水面下で活発な動きがあることを予感させる。

今のところ、維新の会が連立の有力候補と言われているが、石破政権とは組まないということだ。ということは、小泉進次郎を押すための準備を整えているということだろうか。
このように書くとASC乙女座、12ハウス強調は、未来向きでいいなと思う。
柔軟サインの目的とは、こうなるか。目指すべき未来があり、そのために必要な知識や道具を揃え、来るべき時を待つということ。それもこれも、乙女座生まれの宮沢賢治が『銀河鉄道の夜』で書いた、「みんなのさいわいとは何か」を考えての準備ということになるか。
乙女座生まれのメディアアーティスト・落合陽一は、このように言った。
「いつか解決したい課題とは何なのか」を考え続けることが大事なのだと。「自分が解決したいと思う小さな問題を探せ」と。
iPS細胞の山中教授は「こんな細胞があれば多くの患者の治療に役立てられる」という問題を考え出し、自分でそれを解決したと。これは以前に紹介した安宅和人の『イシューからはじめよ』と同じ意味だろう。
かつて防衛族であった石破首相は、2027年に起こると言われている台湾有事を無事乗り切るために、まだ自分はやるべきことがあると言っているという。それまでに日本を立て直したいということだ。彼がもし、首相の座にしがみついているとしたら、「いつか解決したい課題とは何なのか」を考え続けるためと言えかもしれない。
落合陽一は、五つの問いを自らに投げかけようと言っている。
- それによって誰が幸せになるのか。
- なぜいま、その問題なのか。なぜ先人たちはそれができなかったのか。
- 過去の何を受け継いでそのアイデアに到達したのか。
- どこに行けばそれができるのか。
- 実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか。
なるほど、柔軟サインの時期に問うべきテーマ、また自分の中の水星―木星―海王星を育てるために問うべきテーマは、この五つの問いに明確に示されているのがわかる。
とにかく、太陽乙女座期、ASC乙女座期に日本にとっても、またわたしたち個人にとっても、「自分が解決したいと思う小さな問題を探」すことからはじめてみるといいかもしれない。
世界には解決すべき問題であふれている。けれど、実際、自分にとって無関係に思えるような問題にコミットすることは難しい。
では、自分にとって大切な問題とはなんだろう。
その上で、五つの問いに答えられるような文脈を手にできたら、日本も、そして個人の世界もうまく動き出してくれるのではないだろうか。さて、日本のリーダーでこれをやってくれるのは誰なのだろう。
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心理占星術 月イチ勉強会は、毎月第4火曜日開催!
さまざまな話題を心理占星術的視点で取り上げながら、象徴の考え方やリーディング力の向上と心理カウンセリングへの理解を深めています。
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2025年8月の勉強会は、本稿をさらに深堀り!
記事にあったとおり、現在の天空は、大きくエネルギッシュな天体の動きが見逃せません。
土星&海王星の逆行の影響、火星&冥王星のハードアスペクト、そして乙女座のイングレスチャートの特徴(ASC乙女座、12ハウス強調)など。
こうした影響は、今どのように出ているのか?! トランプ大統領、プーチン大統領、ゼレンスキー大統領、今後の世界の動向を左右する三人のチャートを利用しながら、これからの行方そしてわたしたちが彼らから学べる振る舞いについて考えてみたいと思います。
後半は、ライブ鑑定。
モニター参加のAさんは、お悩みではなく「家族がより良くなる(ウェルビーイング)ためのヒントを知りたい」と、家族が今後向かうべき方向性について関心を寄せてくれました。
そこで、家族の関係性づくりはもちろん、さらにそこから「自分」がどう生きるべきか。そんな視点でご家族のチャートを見ていきます。
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