冬至を過ぎると日差しが変わる。日に日に光が明るく華やぎ、植物たちは小さなふくらみを隠さない。寒い日が続いているが、それでもおのずと新しい季節への期待が高まるではないか?
どんな未来を築いていこうか。
皆さんの中にも、そんな前向きな力が育ってきているだろうか。
水瓶座は、ユートピア思想、理想主義的サインである。
奴隷を解放したエイブラハム・リンカーンも平和を唱えたジョン・レノンも、また個人心理学を創始したアドラーも、太陽、もしくは月それぞれに水瓶座を持っている。リンカーンの言葉「すなわち万人はどこにあっても自由でありうるという願いを少しも変えようとは思いません」ではないが、個人が個人らしく生きること、世界がよりよくなっていくことを彼らは本気で願っていた。
先人たちの生き方を見習えば、水瓶座期は、つまり人がどのように生きれば幸せになるかについて本気で考えることが可能な時期であることがわかる。
では、具体的にどのようなことを行えばいいのだろうか。
こちらの2020年の水瓶座太陽イングレスチャートを見てみてほしい。
天王星を残して、すべての天体が北半球に沈み、太陽が非常にタイトにICに寄り添っている。ここから、この時期、国/企業/個人は、まず自分たちの根っこを見つめなおしてみること — つまり、ルーツ、由来、理由、欲求や衝動を丁寧に掘り起こすことが大事になる、その必要性が考えられるだろう。
先日、阪神淡路大震災は節目の25年を迎えた。多くの人たちが、ここから新たな生き直しを迫られたのではないだろうか。不安の中、未来を再建してきたことを思い出し、自分たちが生き続ける理由をもう一度見つめ直し、また新たな一歩を踏み出していく、そんな意識を刺激されたかもしれない。
何気ない日常を生きていたら、ふと忘れてしまう、そのような「今、自分が生きている“所以=根拠”」を今一度、再確認してみること。それが2020年水瓶座期に必要なこととなる。
それは、国/企業/個人のすべてのレベルで必要だろう。国であれば、その法案やシステムが必要な理由を根本的に議論する場が出てくるかもしれないし、企業であれば、なぜそのプロジェクトを急ぐ必要があるのか、それは企業のどのようなアイデンティティに関わっているのかを共有することが大切になるかもしれない。個人であれば、個人を取り巻く一つ一つになぜ? という疑問を持ってみるといい。そして、きちんと理由があるもの、納得しているものだけを残していく。
こうした確認作業が、国/企業/個人に確固たる枠組みを与え、しっかりとした軸が生まれ、そこから2020年を生きるための未来が育まれていくのだ。
そこから、私たちは再び未来に目を向けていくことになる。
それぞれの価値観にふさわしいユートピア的未来。実現可能かどうかは関係ない。どうあったら、人々の未来は良くなっていくのか。そのイメージができなければ、新しいアイデアも利他的な仕組みも提案することはできないのだ。
アメリカとイランの緊張関係はいまだ続くだろう。大統領再選を狙うトランプは、新たな仕掛けを用意してくるかもしれない。けれど、本当は双方ともに戦争など望んでいない。そんな不安定なときだからこそ、日本はその存在の力 — 双方の懸け橋となることができるかもしれない。今月15日、中東3か国を歴訪していた安倍首相が帰国した。ロシアとの北方領土交渉や北朝鮮による日本人拉致問題の解決への決意も表明すると言われている。
先のイングレスチャートは、まずASCルーラー魚座・金星(5ハウス入室)の力を確認することができる。つまり、今、存在を示すべく理想を表明していくことが必須であり、または金星は8ハウスの支配星であることから、そのために周囲の協力を仰ぐこと、今は協力関係の中で力を利用し合うことが可能であることがわかる。外交でこの配置を利用しない手はない。
それは企業も個人も同じである。
自分の魅力=強みをどう表現するか。そのうえで、誰とどのように親密になるか。そこを生き抜く知恵として考えてみることができるだろう。
2020年水瓶座期は経済、関係性ともに安定感のある時期となっていることに加え、水瓶座は陽サインでもある。まずはしっかり自分たちの在り方=根っこを確認すること。そして未来に向けて理想(たとえ実現不可能だとしても)を持つこと。そのうえで、人とより親密なパートナーシップを結び、目的のために人の協力を仰ぐこと。
こうしたことを今期の水瓶座期の指針として過ごしてほしい。