第2回:こどものホロスコープは取扱説明書?!家族内の力学を分析

いまを生きる子ども達と、それに関わる大人たち。

正解のない時代の子育てに、心理占星術を役立てみようというニコラボ 子育て研究会。

第2回の様子をお届けします!

 

目次

ホロスコープから浮かび上がる母子の関係性
そのこどもの振る舞い、実は親の期待に応えている?!
占星術における、こども=「月」は本当か
ホロスコープで家族内の力関係が明らかに
親から見たネガティブな部分、長い目で見ると才能かも
ホロスコープ分析のご感想
こんなママさんが参加中!

 

 

1回目を終えたとき、悶々とした気持ちがどこかにあって、なぜならそれぞれ家族というのは構成要素がまちまちで、一人っ子だったり兄弟がいたり、親と同居だったり、シングルマザーだったりするし、また置かれている環境——地域性や経済状態なども大きく違っていたりして、どこに焦点を当てて考えればいいのか、なかなか難しかったりする。

また、ただでさえ正解なんてない人生において、やれ子供の可能性をつぶすな、親の価値観を押し付けるな、子供と友達になりましょう、𠮟りすぎるなといった情報があふれにあふれていて、「子育てにおいて、占星術の技術が最も生きる法とはどういうものか」ということを考えに考えてみたのですが、この際だから原点に帰って、つべこべ言わずチャートを読んでみようということになり、今日を迎えたわけです。

「子育ては現在進行形 終わりがないから難しく、そして希望もある」心理占星術家 nico ブログ より

 

 

第2回目は、いよいよホロスコープ(ネイタルチャート)分析に入りました。

前半は、前回同様、参加メンバー約10名のヒアリングから。

お一人づつ、いま子育てについて考えていること、疑問や悩みなどを聞いていくと…..なんとここだけで90分!!

 

予定時間の2/3を過ぎてしまっていたことから、参加者の方から「本題に入るまでが長い!」とのお声もありました(;^_^A

しかし、ここまで丁寧にヒアリングする理由は、「お母さんは答えを求めているかもしれないけれど、「答え」を提示するのではなく、語ること(ナラティブ)の中で、自分の答えを選択できるような対話ができると一番いい」というnico の考えにあります。答えは自分自身の中に既にある、というのは、nicoの心理占星術講座やカウンセリングでも一貫するポリシーかもしれません。

 

そうした中、二人のお嬢さんを成人させたベテランママ、カノエさんからは「お母さんの弱点は、絶対子供に反映する!」という力強い自論が飛び出し、また、ご主人とおおらかな子育てを行っているHirolinaさん、PTA評議会で地域ぐるみの子育てを実践しているKNさんからも、まったく異なる新しい視点が持ち寄られました。

 

後半は、いよいよホロスコープリーディング。前回テーマにあがった、「そもそもホロスコープでこどもの何が分かるのだろうか」「どんな情報を導き出せたらお母さんは安心するのだろうか」そんなシンプルな疑問を抱えながら、リーディングスタートです。

 

ホロスコープから浮かび上がる母子の関係性

子育て研究会、初のホロスコープリーディングは、当初予定を変更しゲストをお招きしての検証になりました。

まずは息子さんのホロスコープの個人天体といわれる5天体から、焦点となりそうな天体をピックアップ。それに伴い、両親の個人天体も確認し、家族内の力学を中心に、息子さんのやる気スイッチの押し方、欲求の理解などに触れました。

実際、心理占星術のカウンセリングは、子育ての悩みにどう役立つのか?!

そんな疑問をお持ちの方に向けて、リーディング内容を特別公開!! かなり長文となりますが、きっと発見があるはずです。

 

 

そのこどものふるまい、実は親の期待に応えている?!

nico: おそらく参加者の皆さんが普段使っているのは、子供=月を見る。そして、年齢域を考えた時には、いまは水星期に入っているので水星を見る、という読み方でしょうか。だいたい12星座のテキストブックと月の星座というのを組み合わせて読むのがほとんどだと思いますが、(果たしてそれが本当なのか)占星術的に検証または立証できている部分、そうではない部分を今日は確認していきましょう。

 

nagomiさん: わたし自身もお母さん方の鑑定を行っていますが、先ず 年齢域とアセンダント(ASC)をチェックしてから話を聞いていきます。

息子はいま水星期に入っていますけど、とにかく狭くて開かないところがアセンダントの蠍に出ているのかな、と見ています。もっと子供なんだから無邪気にワイワイ、いろんな子と遊べばいいのにな、と思うんだけど、とにかく交友範囲も狭いというか……。うちの子は2~3歳の頃から、心が通い合えるマブダチーー「ね」といっただけで「うん」といえるようなお友達にしか心を開かない。そのお友達は、今は会わないけれど心の友、としてずっと息子の心の中にあるように、本当に心を許した人にしかなかなか友達になれない、というのがあります。ただ、外に行けばいろんな子と遊んで「今日は楽しかった」とは言うのですが「友達ではない」と。友達というカテゴリーに彼なりのオーデイションがあって、そこを通らないと入れてあげない、っていうのがありますね。

それで、アセンダントをすごく注目しています。

 

nico: なるほど、アセンダントの特徴を共有しておきたいと思います。アセンダントは、心理占星術的にはペルソナであり、むしろその顔をつくらないと上手く防衛できない、ということですから、この場合は蠍座という仮面をつけて自分自身を守っていると言えます。アセンダントは、性格を作るものではないですし、息子さんの中にも蠍座はありません。つまり、環境の中で蠍座という仮面をつけた方が生きやすくなっている、と見えます。それはお母さんとしてどうですか。

 

nagomiさん: まだ、言語化できていないモニャモニャとしたものがあって、それを守るためなのかな、と思います。

 

nico: それは逆かもしれません。心理占星術的には、アセンダントというのは環境の期待から作られているはずです。だから、蠍座を期待されている、水のエッセンスを息子さんは期待されている感じを受けますが、どうなんでしょう。やっと出来た子供という母親との強い結びつきを期待されている感じがあって、そこから人生が始まったという気がしなくもありません。

 

nagomiさん: (笑)期待はしていないけどなー。もしかしたら、お誕生日のときに「とても大切な子なんだよ」とずっと語り掛けてきた、という小さい頃からの刷り込みかも……

 

nico: nagomiさんは蠍座の水星ですね。お話の中で印象的だったのが、息子さんに対して「どう思ってるの?」と思いを聞こうとしているというエピソード。息子さんは、双子の水星で個人天体にも全く水エレメントがありません。にも関わらず、(蠍座の)水っぽい感じがするというのは、もしかすると、お母さんが水エレメント的なアプローチをしている故の、身についた振る舞いなのかもしれませんが、どうでしょうか。

 

nagomiさん: 息子の気持ちは聞きますね。「どういう気持ちなのかを言葉にしてほしい」というのは都度都度言っています。「できないんだな、この子は」と思いながらも、だからこそやらせたい、というのが堂々巡りしています。

 

nico: やはり本来の息子さんは「気持ちの子」ではない、ということです。感情の人でもない、気持ちで世界を見ているわけではないですよね。

個人天体は本来の性質になるので、息子さんがもつ風らしさをもっと引き出した方がよさそうな感じがします。ただ、これだけ風が強い(5つのうち3つが双子座)ということは、水で過剰補償すると思います。そこにアセンダントが結びついている=水のエレメントを求められている、と見えます。

その水の性質からどれだけ離れていけるか、それがこれからの成長、息子さんの大きなチャレンジという話をしてみたいところですが、お母さん的にはどうでしょうか。

 

nagomiさん: どうりで気持ちが出てこない訳かぁ。いや、なんで出てこないのかな、と思っていたんですけど……

わたしの中には、気持ちを話さないといけない、誰でも気持ちを話すもの、という刷り込みがありますね。だから、しゃべってほしいし知りたい。ただ、息子を見ていて、そういうことではないんだな、というのも感じてはいます。

 

nico: お母さんのホロスコープにある才能でもあり、一方で閉じた回路になっている強力な結びつきの部分(水星・蠍ー金星・乙女* )は、nagomiさんの性質ーーすごく社交的に見えているけれど、実際はとても内向的なんですよね。その内向的な部分に息子さんが合わせている感じがあり、水の過剰補償をしている=お母さんに寄り添ってあげている、というのが幼少期からのクセとして出ていて、それが「お友達にも寄り添ってあげるものだ」となっている。

そこで、ここからは、本来息子さんがもっている双子座の性質を出していきたいね、というのがあるんですけど……

*共に陰サインであり自分の内的な世界の充実を望むサイン

 

nagomiさん: あ、でも息子は、この双子座の性質は出ているんです。(お友達に)寄り添わないので、なんで寄り添えないのか、もっと寄り添えるのではないか、かといって水っぽい感じもあるし、なんだろうな、ていう疑問はずっとあります。

 

nico: 心理占星術的には、アセンダントはペルソナなので、アセンダントで「環境に求められている」と息子さん自身は思っているのかもしれません。ただ、過剰補償というのは能力です。過補償というのは、自分にないものを環境から取り入れることによって、より自分の能力を高めていくというテーマなので、お母さん・お父さんとの関係を通して寄り添う能力というのを一時期高める必要があったのだと思います。ただ、素の自我は「(風のエレメントらしい)寄り添わない」ということかもしれませんし、(そこが見えているなら、本来の息子さんらしさを育む)一つチャンスになりそうです。

占星術における、こども=「月」は本当か?

nico: ここでひとつ考えてみたいのですが、皆さん子供=「月を読む」と言っていますが、子供にとっての月、月を読む一番の理由は何でしょうか。
基礎講座的に考えると、月は「わかってもらえる」という安心感。この息子さんの場合は、いて座という性質をわかってもらえると、そこに安心して所属ができます。 月が受け止めてもらえないと「わかってもらえない」疎外感が生まれ、所属に不安を感じてしまいます。

お子さんが安心できる環境づくりのためには、お母さんの理解が大切です。すると、いて座の月の安心とはどういうものでしょうか。息子さんを見ていて何か発見はありますか。

 

nagomiさん: 息子は一般的なステレオタイプのいて座の感覚ではないですが、「お母さん、今日家にいる?」って聞くんですね。「いるよ」というと、「じゃあ、僕は遊びに行ける」と言うんです。 「お母さんがアンカーになってここにいるなら、僕は、自由に出て行けるけど、お母さんが家にいないなら、心配で僕は出て行けない」と。

ふっ飛んで出ていくようなイメージとはちょっと違って、自由に飛んでいくためには杭が打ってないと行けない、飛んでいくための軸が必要なのかな、という感じはしています。

 

nico: 月をいて座に持っている人には「自由にしてあげるといいよ」といいますけど、放任とはちょっと違います。「港、港に女あり」という旅人ではないですが、ちゃんと待ってくれている人がいる感覚が大事というのは、確かにありますね。

実は、月だけでお子さんを見てくのは、難しいと感じています。大人にとって太陽や月は、自分で作っていかなくてはならない部分です。自分の力で安心を作っていかなくてはならないし、自分の人生は自分で切り開かなければなりませんから、太陽や月を、そこにある性質としては読みません。むしろ、地球型天体である水星、金星、火星の3つが個人の資質に限りなく近いものです。

もう一度、個人天体に注目してみると、息子さんのいて座の月は、ちょっと独特です。息子さんはふたご座とおうし座の要素が強く、自分自身の感覚をすごく大事にし、いて座の月と性質が合ってない部分があります。いて座が満足するには、これから長い時間が必要な気がしますが、どうでしょうか。

 

nagomiさん: 息子を見ていると、おうし座の火星のスピード感のほうがしっくりくるかなあ。小さいうちは月を見るといいますけど、あまり感じないです。ただ、とりとめのない柔軟宮(射手座)の感じはものすごく出ています。

 

nico: 個人は月だけで出来ているわけではないですからね。自我が目覚め始めてくると、月や太陽が「こうしていきたい」という欲求として出てきますが、そもそもの性質は地球型天体と呼ばれる内惑星としての水星・金星・火星のほうが、その人の揺るぎない資質として出やすい印象があります。

実は、ご一家のチャートを見たときに、息子さんのおうし座の火星はカギになるな、と思いました。地のエレメントはスローペースが特徴なので、「習得の遅さを大事にしてあげたらどうでしょうか」とお伝えしたかったのです。

 

nagomiさん: まさに、そこが課題になっています。息子はサッカーをやっているのですが、なかなか頭角を現せない。技術はあるけど闘志がなかなか出てこないんです。 こればかりは、本人次第なのでどうしようもないのですが。

わたしも、占星術師として普通に考えたら水星期には月や水星からアプローチしていくのでしょうけれども、母親目線としては「おうし座の火星をどうしたものか」「やる気スイッチどこにあるんだろう、どうしたらいいんだろう」と思います。

ホロスコープで家族内の力関係が明らかに

nico: 息子さんの5つの天体(太陽・月・水星・金星・火星)を見たときに、火星だけトーンが違うところが、お子さんにとってのストレスのポイントになりそうです。

そこで、ご両親の火星を見てみると、お父さんはバリバリのおひつじ座、お母さんはてんびん座。どちらも活動サインの火星で、息子さんの不動サイン・おうし座の火星をすごくもどかしく、ドン臭いと感じている気がします。特に、お父さんの火星はおひつじ座(活動の火)、支配星でもあり、だいぶごきげんな配置ですね。木星と土星も効いていて、ザ・スポーツマンという感じですが、息子さんの火星にとっては、ちょっとストレスフルかもしれません。

息子さんは、「(両親が自分に対し)ドン臭いと思われている……」と感じ、ストレスが生まれるとも思いますがどうでしょうか。

 

nagomiさん: そこに家族の関係性の力学がありますね。親が二人とも活動の火星で、夫のおひつじ火星は瞬発力があってパーンといくし、私のてんびん火星も意外とケンカっ早いので、息子とはかなりトーンが違います。

 

nico: そんなご両親を見た子供の立場としては、おとなしく内向的になるしかない部分もありそうです。そして、息子さんご本人は、おうし座の火星に「お父さんのようにはなれないな」と失望ポイントになっていそうですから、ご両親のおうし座の火星に対する理解が必要だと思います。

決して、おうし座の火星がダメなわけではなく、習得に時間がかかる性質ということ。自分の中で腑に落ちて「できた!」と実感するまでは、なかなか「できた」という振る舞いをしない習性です。地のエレメントは、「わかった」「納得した」というところに喜びがあり、粘り強い性質があるので、飽きもせずに同じことを練習している不器用なおうし座の火星こそが、息子さんの最終的な能力になる可能性があります。

これは、たとえサッカーで頭角を現せなくても、失望しながら鍛えた火星力は最終的な強みになるということ。そのつもりで、長い目で見てやらせてあげるといいのではないか、と思います。これは絶対に能力になる、という強い期待がありますが、どうでしょうか。

 

nagomiさん: ダメなところこそ時間をかけて、というのを夫に理解してもらうのが、なかなか難しくて。

 

nico: お父さんが息子さんの習得の遅さにイライラしてしまうということですか。

 

nagomiさん: そうなんです。ただ、夫がのほほんとしていたら、息子のおうし座の火星「なんだ、この!」っていうのが出てこないような気もしています。夫の激しさがあったほうがいいのか、ないほうがいいのか。難しいところです。

 

nico: 難しいのは、お父さんが土星・火星の感性を持ちすぎているんです。息子さんの火星のアスペクトが土星だったら、「鍛えてナンボですよ」と言ってあげたいのですが、海王星とコンタクトしているということは、霧雨に濡れたみたいに、自分の火星に対して失望していく感じが募りやすい。だから、ギャンギャン土星的に抑えることだけが、得策だとはいえない気がします。

お父さん、(火星・土星の性質から)鍛えるのが好きすぎな感じがしますが、それは自己満足でしかないんです。お父さんの火星・土星に対し、息子さんの海王星・火星はまったく違う個性ですので、ここをもう少し引き出したい。そうなると、お父さんの土星のアプローチでは無理だと思うので、たとえば、もう少し感覚型のコーチとか….

 

nagomiさん: 私も違うコーチだったら伸ばせるのかも、と思うことはありますが、いま感覚型のコーチはいなくて。スクールとチーム、あちこち入っていますが、メインになっているチームでは頭角がなかなか現れてこない。

夫としては、「あいつ、いいんだけどね」で終わっているところが満足いかない。夫は、サッカーではありませんが学生時代にスポーツを思いっきりやっていたので、自分の息子にも、もっとスポーツで活躍してほしいという願いや希望があり、もどかしく感じているようです。そこに、私が間に入って、どうしたものかというのがあります。

親から見たネガティブな部分も長い目で見ると才能に

nico: ミッドポイントも見ましたが、お父さんは本当に木星・土星が強いですね。今のお話を聞くと、お父さんの木星・土星のイメージが、息子さんに刷り込まれやすい感じがするので、アプローチを変え、息子さんの海王星・火星を理解してくれるコーチとかアウトソーシングするのはどうでしょうか。

おうし座火星の特性ーーずっと同じことをコツコツ頑張って「できた!」という感覚を自分の中に作っていく真面目さの部分とともに、海王星の能力がまったく違うところに出てきているはずです。たとえば、サッカーはチームプレーのスポーツですから、周りの空気を読み的確にパスを送れるとか、そうした部分に海王星がすごく効いていると思います。

お父さんのように個人の技術を強めたいおひつじ座と、司令塔のように全体の空気感を読める息子さんの能力というのは、まったく別物。息子さんは全体の空気をつかむのは、すごく上手そうな気がするんですよ。

 

nagomiさん: 確かに空気を読む力はすごくて、私と夫がケンカをしているときでも、ボソッと言うのが、「この空気をどうしたらいいんだろう」「ここで、僕はどう振舞ったらいいの」と言うんです。でも、年齢的にもうまく使いこなせるところまでは、未だいっていない。

チームの中でも学校のクラスの中でも、全体の空気を読んでしまうがゆえに、真ん中にポンと入っていけないようです。「この場をどうするんだ」とフワフワと浮遊している感じになってしまう。そこが、学校に行きづらいとか、お友達やチームの中での問題として出てきて、今は弱点として見えてしまっています。

普通のお母さんだったら、学校に馴染めないし、サッカーでも頭角を現さないし、空気ばっかり読むしで「なんじゃこりゃ」って、なると思います。

 

nico: 海王星・火星、こうしたアスペクトの人は、気を遣わなければいけない環境に身を置いている、与えられた試練や環境ということでもあります。できれば、海王星・火星を理解できる、もっと柔軟なサッカー教育とかチーム作りをしているところであれば生かせるかもしれません。

これから金星期に入ってくると、おうし座の火星も安定してきそうな気配もあるので、ぜひ長い目で見てあげたいところです。お父さんの火星・土星は、全然息子さんとかみ合ってない感じがするので、ここを別のコーチでまかないたい、という提案があります。

というのも、関係性の力学がこれだけ働いていると、家族間で解決するのはちょっと難しいですよね。

おひつじ座火星のお父さん、てんびん座火星のお母さんでは(お互いが対抗するサインなので)息子さんに対して真逆な反応をします。お父さんのような火星おひつじ座タイプの人が理性的になれるとはあまり思えませんし、かといって「できないものをやれ」というのはストレスにもなります。冷静な判断として、そこは他者にアウトソーシングをしてもいいだろう、と思います。

 

nagomiさん: 水星期だから水星を見るのではないのですね。水星が不安定になる原因は、水星ではなく認めてもらえないおうし座の火星というのが、他の不安定さとして出てきている感じがあります。ただ、その反応も遅くて、違うときに現れてくるんです。私と夫だとあまりにもタイプが違うので、息子のスピード感がわからず、そこを汲み取ってあげられないんです。

 

nico: そうですよね。吐き出せないおうし座の火星ですから、溜め込んでストレスになったときに、何かトリガーが来ると不安定さが出てしまうかもしれません。そういうストレスやペースの遅さというのは、常にフォローしてあげる必要がありますし、その遅さは時間をかけて能力になっていくので、長い目で見てあげるという視点も必要になってきます。そして、金星期になってくると、使い方がだいぶ変わってくるだろうと思いますし、最終的には強みになっていく能力だ、というところでお父さんと話を進めていけるといいのかな、と思います。

違いは個性ですから、心理占星術では扱い辛そうなところを将来の可能性として見出します。息子さんのようにちょっと難しいエネルギーは、少し遅咲きになりやすいというところがあります。「能力だけど、まだ出てきていない」とわかれば、お母さんの安心につながるかもしれないので、そこも今後は伝えていきたいところですね。

 

ここで、もうひとつ弱点を考えると、いて座の月が木星を拾いやすいという点が挙げられます。月には受動的なアンテナ機能があり、多くの占星術家は、ネガティブに反応しやすい部分を月で読むこともあります。

息子さんの場合は、太陽と月が180度なので、ちょっとバランスが崩れやすく、よりネガティブなものを拾いやすい。いて座の月は、木星的な力をキャッチしやすい傾向があるので、周囲の期待ーーお父さん、学校のお教室の中での期待なども汲み取っているのかもしれません。人の期待に応えて、いい子で振舞おうとすればするほど、自分の言うべきことや言いたいことが奥のほうに追いやられてしまう。キャッチした期待を太陽に還元させていくためには(太陽の陽の部分、ふたご座の水星という部分含め)自分の言いたいことが言える訓練は必要になってくるでしょう。

 

nagomiさん: 自分の意見を言うのは、今のトレーニング課題です。それが「気持ちを言って」に繋がっているのですが、なかなか本人からでてこない。

 

nico: いて座の月が一番理解を求めているのは、気持ちではなく、未来の希望です。だから、「どうしていきたいのか」を聞いてあげてほしいんです。いて座の月は本来、気持ちは見ていません。「こうなったいいな」という期待を見ているので、その期待を聞いてあげると、息子さんは「こういうことがしたい」「こういうプレーをしてみたい」といった自分なりのイメージが出てくると思います。

 

nagomiさん: あります、あります。未来の期待ばっかりで足元が見えていないというのが弱点で(笑)。

 

nico: それは弱点ではなく、今のところ息子さんの安心感です。お母さんしか、そこのところを聞いてくれる人はいない。外で言ったら「やれないくせに何い言ってるんだよ」と、オオカミ少年になってしまう。月は、他人と共有できない部分ですから、ここはひとつ、お母さんが一緒に息子さんの言うことにノッて盛りあげるのはどうでしょう。

 

nagomiさん: はい、「やって、やって」とはノせていますが、つい、土星的なことも言ってしまいます。「もうちょっと、片付けしてくれないかね」「生活を整えてほしい」とか、バシッと閉じ込めてしまいます。それではいけないな、と思いながら……。

 

nico: 日々の生活では、お母さんとしては近視眼になりやすいし、お父さんは超スパルタ。

息子さんは、いて座の月らしい--実現するかどうかわからないけど、面白おかしく未来を語っているときに一番、「わかってもらえた!」と安心を感じるので、そこを受け止めてあげながら「じゃあ、楽しいイメージをしながら、片付けをしてみようか」と、そんなフォローをしてあげるといいかもしれません。

ここまで、月の読み方を何通りかしてきました。まず、月はネガティブな受動体になっていて、息子さんの場合は周囲の期待を背負ってしまうタイプ。そうなると、太陽の部分が生きてきませんよ、というお話がひとつ。陰陽のバランスは基本的なものなので、太陽の年齢域でなくても、月に偏りすぎるのはよくないということです。

 

* * *

 

今回は、お子さんのホロスコープを分析しながら、家族間の関係性を紐解いていきました。実際に、親御さんから見たときにネガティブに思える部分も、視点を変えることでまったく違う可能性を秘めた資質であることがわかりました。関係性の力学は本当に発見が多く、親子、子供の問題解決にも大いに役立つので、この辺の理解は今後も深めていく予定です!

ホロスコープ分析のご感想

未解決な問題が解決しました!
実は、我が家の場合は、息子に私の弱点が引き継がれていないと思っていました。でも、そもそも自分の弱点って気づかないことも多いんですよね。気づいているものは、努力で補っていることもあるので、そうでない未着手のものが引き継がれていくという感じかもしれません。

若かりし頃、私が子どもを持つ経験が必要だと感じた理由は、自分自身が人の気持ち(感情)というのがよくわからなかったというのもあって、だから足りない要素を取り込みたかったのだと気づきました。

で、私が息子に「気持ちを聞かせて」としょっちゅう聞くのは、私自身が人の気持ちを知りたいという欲求なんだな、と腑に落ちた次第です。
そして、息子からモニャモニャしたものしか出てこないのは、幼さゆえに語彙が足りないからだと思っていましたが、私と同じ理由があるということにも納得

もう一つ、実は今回、息子の「やる気スイッチ」がどこにあるのかを伺おうとしていのです。火星の話になったのは、ちょうど私の聞きたいこととピッタリでした。
子どもの火星をどう使うと力を引き出せるかのヒントもいただきましたし、私自身が聞きたかった「今のテーマ」に沿っていたので、モヤっとしていた部分に言葉をあてはめてもらってスッキリしました。

人のことは客観的に見えるのですが、親子というのは近すぎるがゆえに良く見えないんですよね。

それに、子どもはどんどん変わっていくのに、幼い頃の印象がずっと残っていて、いつまでも親の方がアセンダント(ASC)の印象をひきずっているような気もしました。
ASCを断ち切って、親離れ子離れしていくというのは、これからの時代の大切な課題になりそうです。
(40代・nagomiさん)
息子のホロスコープを見て「挫折の人生」と勝手に決めつけていた私
個人天体からここまで読めるのかと驚いています! 復習を兼ねて、私たち親子の力学を考えてみました。

息子と私は太陽と月の組み合わせが地と水、夫は水と地で全員陰サイン。

息子の中の違和感は、水星火星の不動に対し金星の柔軟宮なのかと思いました。彼は太陽も月も不動なので、唯一、金星だけが柔軟サインです。

アセンダントに太陽コンジャンクションなので、本来なら牡牛座の自分が好きだと思うものをコツコツゆっくり積み重ねて自分の価値にしていく方が生きやすいのでしょうが、私の水星&金星の獅子座の火があおっていたことに気づきました。可能性を広げるためにいろいろ経験させるのではなく、もっと深く一つのことを大事にしてあげたら良かったのかな、と思いました。

金星双子座、柔軟宮風のエレメントの活かし方ですが、2ハウスにあるこの金星を、息子は営業マンとしてコロナになる前は収入に繋げていたと思います。モダリティだけみると営業なんて全く向かない感じですが、営業成績もよく今までの経験から言葉巧みに仕事に繋げていたような気がします。

私は、息子は挫折ばかりの人生だと思っていて、ホロスコープを見た時にも、アセンダントに太陽木星、ディセンダントに月冥王星、10ハウス火星のTスクエア、土星天王星コンジャンクション、金星オポジションの配置から、この子は何をやってもうまくいかない人生なんだと勝手に思ってしまいました。その頃は、ハードアスペクトが武器になるとは学んでいなかったので、単純に挫折を自分で選んで生まれてきたと納得してしまったのです。

それで仕方ないと思うところもありましたし、既に息子はかなり大人になっており、占星術を前向きに使うことができませんでしたが、もっと早く子育てに活かしたかったと思いました。

私の中のネガティヴな思考でホロスコープを見ていたので、可能性を見つけることもできず、息子の人生は「挫折の人生だ」と勝手に納得したところも、息子にとっては失礼な話だと憤ったのだと思います。

先生の言うことが聞けない息子のことも理解できませんでした。みんながやってることになぜ反発し、先生から嫌われるようなことをするのかも理解できず、息子の言い分とか考えは聞かず、息子が間違っていて先生が正しいとも思っていたので、息子にとっては安心して守られている居場所というのはなかったと思います。

親としては、真面目な子が良い子だと思っていたので、中二の反抗期を迎える前ぐらいから問題を起こす厄介な子としか思えず、子育てにコンプレックスしかありませんでした。こんな母親だったので息子にしてみれば、なんてわかってくれない母親なんだと思って、息子も諦めて勝手に生きるしかないと感じていたのかもしれないですね。

いろいろ占星術で分析してみたい気分です。

(60代・和佳 さん)

 

こんなママさんが参加しています!

現役ママから元ママさんまで、お母さんの年代、お子さんの学齢、住んでいる地域など多様なバックグラウンドを持つ参加者の皆さん。共通点は、全員が心理占星術を学んでいること!

現役ママ&パパさんはもちろん、占星術に関心がある方、子供たちの未来を一緒に考えてくれる方なら、お子さんがいなくても構いません。意見やアイデアを積極的にお寄せいただける方のご参加をお待ちしております!

 

[NEW] カノエさん(60代元ママ:20代の👩ふたり/埼玉)
20代の未婚女子をもつベテランママ。「母親の弱点はこどもに投影される!」など体験談から得た多くの問題意識をもつ。社会も含め、年々自然に母親になる環境が難しくなっていると感じている。母親世代から祖母世代へと移行していくいま、これからの時代の母の在り方、子育てに関心があり参加。

[NEW] KNさん(40代のママ:小学生/大阪)
PTA評議会で委員を務めるなど、地域コミュニティぐるみで子供のための環境づくりに意欲的に参加され、複眼的な視点で子育てに向きっている。子供のホロスコープは知らないより、知っていた方がいい。

[NEW] Hirolinaさん(30代のママ:幼稚園👨2人、1歳/東京)
本業のアクセサリーデザイナーと子育てを両立させるため、夫も積極的に育児に参加。夫婦関係の良し悪しが子育てには大事と考えている。お互いが自分らしく、自分がムリをしない、マイペースでの子育てを実践中。

 

▼鈴木ワカナさん(40代のママ:小3👨/東京)
緊急事態宣言の影響による、こどもの不登校や自殺率の増加について問題視。解決のひとつの手段として、占星術が助けにならないかと考えている。

▼和佳さん(60代元ママ:33歳👨/東京)
元お受験ママ、既にこどもは独立しているが、子育てについては長らく悩みと挫折を感じていた。占星術をきっかけに自分と子供は別人格であり、コントロールできないことを知る。心理占星術で自身のコンプレックスが解消された経験から、現役ママさんに役立てられることがないか、と参加を決意。

▼ふーみんさん(40代:小5👩、年長👩/神奈川)
長女が知的障害と自閉症のため、コミュニケーションが取りずらく思いがくみ取れない。さまざまな療育プログラムを試すが、どれも表面的なアプロ―チで馴染めず、参考にならなかった。そんな中で心理占星術は人の本質を読み取れると実感を得ている。

▼na naさん(40代:中2👨、高2👩/青森)
発達障害の長男が小さなとき、子供のネガな面に注目してしまいがちで、どうしたら受け入れられるか悩んでいた。良い面を見てあげたいのに、ついつい悪い方に心配してしまう。夫が多忙だったため、子育てはワンオペで健康状態が優れない時期が長かった。こどものホロスコープはこれまで見ないようにしていたが、今回から。

▼Maikoさん(30代:4歳👩/大阪)
ホロスコープからこどもの能力や資質をみつけてサポート出来たらよいと考えている。世の中の教育までの視野がもてていないので、研究会で考えていきたい。

▼lunchさん(30代:4歳👩、1歳👨/大阪)
夫が転勤族のため、両親や友人が近くにおらず閉ざされた環境で子育てをしている。近所のママ友とは、目先の習い事などの会話はするが、子育てについて深い話ができず孤独を感じていた。この会でシェアしたり話をきいていきたい。

▼ukakoさん(30代:1歳👨/大阪)
これまでこどもとベッタリだったが、4月から保育園に。まだ悩みらしい悩みはないが、子育てについての話が聞けるといいと考えている。

今後の検証テーマ
1.子供の様子は月のトランジットに影響されるか
言語化できない子供にとっては、安心・安全の感覚を非言語で受け取っている様子を観察すると、月のトランジットと結びつく様子が見えてくるかもしれない。

2.子供が自分で占星術を使うことは可能か
自分が見ている真実と、他人が見ている真実が異なるとしたなら、こども自身が占星術を使ってみると、どうなるのだろうか。

3.母親の弱点は子供に引き継がれるのか
母親の弱点が、こどもに投影され引き継がれるとしたら、それはどのような作用なのだろうか。母親自身が気が付く方法や何かの対策はあるのだろうか。

第三回目となる次回は、5/7(金)。思春期のお子さんの進路に関するお悩みを取り上げる予定です。

お申込みの詳細は、ブログやSNSでお知らせします!

 

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