1944年の夏、イギリスに生まれたジェフ・ ベックのギタープレイは、精緻なテクニックと、ラフなスタイルを織り混ぜ、多彩で独創的なサウンドを展開していきます。
ガラス細工のように繊細で危うく、触れると一気に爆発しそうなセンス。星の調べをそのまま写したかのような、この世の物とは思えない美しさ、哀愁を帯びた音色、また、のどかで屈託がなく、どこまでも自由に広がる空間、かと思えば一転して、果てしない不穏さや荒々しくワイルドでダイナミックなうねり…一本のギターを自在に操り、瞬時に多様な表現をするジェフ ベック。これほど、スリリングなギタリストは、他に類を見ない、と、私は今日まで魅了され続けています。
ジェフの太陽は、非常に勢いのある蟹座の1度。そこに、蟹座0~1度で金星と土星がビタリと三つ巴に重なっています。ストイックな練習風景が目に浮かびます。実際、少年時代にラジオから流れるレス・ポール氏の奏法に圧倒・触発され、友人から壊れかかったギターを借りて、必死で弦を張り弾き始めたそうです。
また海王星は、天秤座1度にあり、それ自体も強く働き、太陽・金星・土星と、タイトにスクエアを形成。強い干渉を示します。
これらの強烈な天体の配置が、1975年にブルース、ロック、ジャズなどの多様な音楽の融合というテーマを持ってあらゆるテクニックを駆使し、ソロとして、全曲インストゥルメンタルのアルバム、ブロウ・バイ・ブロウを発表。見事に結実へと、導いたように思います。
また、少年時代、月が獅子座にあるジェフ ベックの心に火をつけ、とりわけワクワクさせたのは、ジーン ヴィンセントのロックンロール。
素直で無邪気な感情と、ユーモアたっぷりに、個性を表現したいという思いを、同じく獅子座にある火星が、独自のアイディアで、
自身を唯一無二の存在へと駆り立て、更に獅子座にある木星が派手なアピール力を授け、もうひとつ獅子座の冥王星が、揺るぎ無き者として、君臨させる、とでも言いたげです。
ポール・ロジャース曰く、「ギタリストには二種類しか居ない。ジェフ・ベックと、ジェフ・ベックだ」と。
地元でいち早く、脚光を浴びていたエリック・クラプトンやジミー・ペイジといったギタリストに比べ、器用に弾きこなすのに、なかなか陽の目を見れず悩ましかったジェフ・ベックは、自動車整備士とギタリストの二足のわらじでした。
(クラシックカーのフォードを仕上げる趣味は、ギタリストになってからも、プロ並みの趣味として、今も継続。ガレージにこもる日々も、あるのだとか。)
そして、当時のある日、クラプトンが脱退し、空きがあるヤードバーズに、ペイジに誘われ加入し、2人でツイン リード奏法を確立、と、水星は双子座にある、それらしい、エピソードも残って、います。
また、ほとんどギターを手にしたその日から、ピックを拒否し指で弾く、珍しいギタリストと言えます。
ジミー・ペイジに、「ギタリストの為の教科書だ」と、言わしめたブロウ バイ ブロウ発表の翌1976年に、アルバム、ワイアードを発表し、全米16位を獲得。
また、2011年にローリングストーン誌が選ぶ史上偉大な100人のギタリストで5位に選出されました。
2005年から、継続的な来日公演、精力的に活動しています。
今年の蟹座の季節、来週に発表される、新作に、期待しています。
ジェフは、今年72才になりました。ジェフの天王星は、双子座10度。同じく双子座の水星とは、14度離れています。もう既に、ジェフ・ベックは、伝説としての域に達し、普遍の価値を持つ遺産を、沢山残したと思われます。それでも、未来へ向かって、進化を続けて、リアルタイムで、その魔法のように磨きがかかったギターブレイを、聞かせてくれるなら、私にとって無類の喜びです。