人を羨んではいけません。
薔薇と向日葵、どちらが美しいかなんて比べられないでしょう?
それに、苦しさを抱えていれば、人の痛みがわかるでしょう?
じゃあ、薔薇にも向日葵にもなれなかったら、どうすればいいの?
人の痛みなんて、わからなくていい。とにかく私、今幸せになりたいの。
若い頃そう思っていた。
自分の中で100%でなくてもおおかた納得して、あるいは「こんなもんか」と諦めて、
穏やかな気持ちになれるのなら良い。
でもそんなに簡単に他人を羨む事をやめられる?
そして羨む事にゆかりの深い天体は「火星」。
自分の世界を愛する“I have”のサイン牡牛座向かい側、蠍座は人を合わせ鏡にして成長するサイン。その支配星火星は、他者を前にしたとき、「この人のこれがほしい」と強く刺激を受ける。それにより、「私にないもの」「私の本当にほしいもの」に気づき、成長や変容を促されることになる、そういったサインだ。
そういう感覚だと講座でnico先生は解説されていた。
そして火星は、安心や欲求を担当する「月」とも縁が深い。
火星は、「エンジン」にも例えられる事も多くて
上手くはたらけば、自分の純粋な欲求のための建設的なエネルギーとして健やかに動く。
悪く転がると、自分の安心を守るために他者を攻撃したりと暴走する。
なんだかモヤモヤ・イライラしているのは、火星というエンジンが空まわっている音だ。
あくまで私的な経験からの話になるが、モヤモヤ・イライラするその気持ちの正体を見極めずに、自分を不愉快な気持ちにさせる対象を悪者にして攻撃する事は、自分を幸せにはしない。
まだ外に吐き出しているだけため込んでしまうより、後々自分の心にかかるダメージは
少ないと思う。しかし、「私は正しい事をいっているだけ」と声高にさけんでいたものが
嫉妬と羨望から来るただのヒガミだったと気づいた時、かなりこっぱずかしい。
まさに黒歴史だ。
今回は、そんな赤面ものの黒歴史を一席。
まだ私が学生だった頃、ちょうど季節は初夏。
道ですれちがった同世代のその女の子は、ピンクの半袖ニットにヒラヒラした白いスカート。かかとの高さも高すぎず低すぎず絶妙に上品で綺麗に見える中ヒールの白いサンダル。
典型的な鉄板デート服というやつで。 もちろん、かたわらには彼氏らしき男の子。
今、そんなファッションの女の子を見かけたら、可愛らしく、ほほえましく思うだろう。
ちょっとくすぐったいような。懐かしいようなきもちで。
しかし当時の私は、彼女達が遠ざかるなり、隣りの友人に語尾の上がる意地の悪い調子で、
「あれ見たぁ?」
友人も見知らぬ女の子のストレートな愛されコーディネートに、何だかカチンときたのだろう。
「みたみたっ。」
「なんかさぁ。白いスカートにピンクのニットだよ?」
「うん。靴まで白でねっ。」
友人の賛同を得て、私の悪口もさらに気分よく絶好調だ。
「全身甘甘コーディネートなんて、本当バッッカみたい。白にパステルだよっ??」
「ホンット、安易だよねっっ。」 友人の胸のすくようなパーフェクトな相槌。
「キっモチワぁルっっ。」
最後のセリフは、2人の声が完璧にユニゾンして、バッチリな気のあい方だった。
当時は、何故あんなに彼女のファッションに苛立つのかわからなかった。
よくわからないジリっとした焦りと、彼女のまぶしさの前にちょっと心が暗く沈む感じ。甘くやわらかな装いをした女の子に苛立ちが止まらなかった。
あの頃の私の心を悪く言った内容からよみとるなら。
きれいであかるい色同士を組み合わせるような愛されファッションを「安易だ」と馬鹿ににしながら、すなおに身に着けられる人が羨ましかった。
そしてそんなヒネた自分をそのまま理解してくれる人が欲しかった。
もやもやの正体も解らず、相手を攻撃する以外にどうしていいかわからなかった。
2016年現在、5月22日から火星は、逆行しながら火星の力が最も強くなる蠍座へと入宮する。力の強い火星は、悪く出ると人に攻撃的な影響を及ぼしやすい。
また蠍のサインは水のエレメント。「水のエレメント」は感情や心の問題を扱う。
そして天体の逆行期間は、その天体の象徴する事柄の「ふりかえり」に最適な時期。
どうもイライラ・モヤモヤしてしまう対象があるなら、その気持ちと対話してみると、
モヤモヤから「自分が本当にしたい事、ほしいもの」というお宝がみつかるかも知れない。
そして、私と友人のあの辛辣な悪口大会にも後日談がある。
数年後、私がデート服にえらんだのは、「フリフリの白いスカート」。
トップスは。。。 もうご想像がつくと思うが 「ピンクのニット」だ。
キレイなOLファッションになった友人のチョイスは、フリフリしてこそいないものの、
フェミニンな白ワンピースに、足元はきれいに見える絶妙なヒール高のサンダル。色はもちろん「淡いピンク」。
ハイ。結果的に、白とピンクの全身甘甘コーディネート、大正解でした。
悪口言って、本当ごめんなさい。