以前、小学4年生の女の子がこんな事を言っていた。
「先生なんてぜんぜん生徒の事を見ていない」
まあ、そうでしょう。
どんな素晴らしい先生でも、30数人の生徒を1人で逐一見ていることは難しい。
小学生になれば、伝えたいことは言葉にして自分からアプローチしていかなければならない。
自分の事は自分で。
自分から伝える。
これが子どもにとっての小学生の壁とも言えるでしょう。
この小学生のお嬢さんの話を聞きながら、むかしむかしあるところでお世話になった部長の言葉を思い出しました。
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それは半期ごとの評価面談でのこと。
「で、君は今期は何をやったのかね?」
え?部長?それ聞くの?
当時、私の席は部長の目の前。
「毎日見てましたよね?」と言いたかったが、部長の表情から察するに、これは本気なのだと悟り頭がクラクラした。
前任管理者が不祥事を起こした後、次々とスタッフが辞め、誰もが入りたがらなくなったチームの立て直しの為に座った席。
人員不足。残業過多。社への不信感もんもんのカオスとしかいいようのない場がこれだけ変わったのに。
なるほど。
色々な現場で、口ばかり美味い人がどんどん出世するのを『なぜだろう?上層部は見ていないのだろうか?』と苦い思いがあったが、目の前に座っていてもこうなのだからしょうがない。
言葉より行動で示せ。
いやいや、言葉も大事なのかもしれない?
気がつくのにいったい何年かかっただろうか?
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さて、話を小学生に戻しましょう。
おおよそ6才〜小学生は、『母と自分』以外の第三者、友人、先生、近所の人など、『家の外』の外部の他者とコミュニケーションしていく段階に入る。
個々の気質や生まれ育った環境で、早い・遅い、得意・不得意はあったとしても、この時期に身につける『人に自分の気持ちや状況、自らの事を伝える力』は、学校という小さな社会から、もっと大きな社会に出た時に大変重要な技術となるわけです。
もしこの時期に、こう育てられていたらどうだろうか。
「掃除、勉強、やるべき事は誰も見ていなくてもちゃんとやりなさい。
誰かが見ている時しかやらないなんて小賢しいこと、こうした行いは必ず誰か見ているものです。
もし誰も見ていないとしても自分の行いは必ず自分に返ってくるもの。
自分がアレした、コレしたとアピールするのは謙虚さを欠いた言動。
言葉より行動で示しなさい!」
ちなみに、これは我が家の教え。
もちろん今でも美しい価値観だと思っています。
誰も見ていなくても一生懸命やっていれば、必ず見ている人がいると思っていたし、今でも思いたい。
この教えで大切なのは『自分自身を裏切る行為はするな』ということでしょう。
会社に評価される事、他者に「いいね!」をもらうことに固執したり、人の意見に揺さぶられる事なく自分軸で生きなさい。という意味においても金言でしょう。
しかし、人の声や評価というのは、自分自身だけでなく、現場や作品、物事のクオリティを上げ、ブラッシュアップするためにも必要。
誰になんと言われようとブレない自分軸を持ち、人との関係の中で自分を磨いていきたいものです。
そして大事なのは言葉。
まもなくコミュニケーションを司る水星が支配する双子座の季節。
火星が水瓶座入りし、5月末には水星も双子座入りすると風のサインに天体が3つ。
こんな時期こそ、自分は「こう思う」「こうしていきたい」「こんな事をやっている」とどんどん言葉にしてみてはいかがでしょう。
思いを軽やかに伝えていけば物事が動き始めるかもしれませんよ!
え?そんなに簡単に動くわけない?
まぁ、やってダメなら変えてみな!ですよ。
以上、『言ってみなけりゃわからない』な話でした。