1221日に開催した月イチ勉強会のテーマは冬至図読み。開始時間の前、zoomに一番乗りで入ってくれた生徒のKさんと話をしていたときに、「暗いニュースに触れて気持ちが落ち込んでいる」という話を聞いた。ほんとうにそうだ、誰もがそうだ。普段、そんなニュースに反応しない男性の友人も「さすがに気持ちが沈んだ」と話していた。

 そういう時代の空気の中、日本の集合的意識/無意識の空気の中で、魚座=海王星=木星の話を避けて通るわけにはいかないだろう。そこで、21日の勉強会の冒頭で、まず海王星の話を、そしてそのあと魚座の木星の話をした。

 

 トルコ系イギリス人の小説家であり政治学者、活動家でもあるエリフ・シャファクは、この時代を「苦悩の時代」と表現している。その中でも古ノルド語を語源に持つ「anger」をいう単語を用い、「嘆き、苦悩、悲しみ、苦悶、痛み、特に痛みに直結した怒りが沈黙の員の原動力になっているのは、私たちが傷ついているという事実があるからだ」と言う。

 

 運行周期165年の海王星が前回、魚座に回帰したのが1848年~1862年。ヨーロッパでは1848年革命と呼ばれた運動——フランス革命、イタリア統一運動等が各地で勃発し、日本では黒船襲来やら安政の大獄やら桜田門外の変やらが起こり、また各地で震災や水害に見舞われた。アメリカではアメリカ独立運動のきっかけをつくった隷制度廃止運動家のジョン・ブラウンが絞首刑に処され、エイブラハム・リンカーンが大統領となった。

 柔軟サインというのは、基本的に新しい季節への橋渡し、新しい動きの前の準備期間という位置づけとなっている。そういった大きく波打つ時代の中で、魚座=海王星=木星は、時代を動かそうとするものたち、またそれに巻き込まれた人たちをこれまで数多く犠牲にしてきた。新しい流れとは犠牲失くしては起こらないということだ。時代によって選ばれし者たちは、いつの時代もこのように時代のアイコンとして存在してきたのだ。

 講座の中で、「私は海王星に見つからないようにひっそり生きるのがいい」そんな冗談を言う。だってそうではないか? 海王星に目をつけられたら最後、勝手に時代の“必要”として大谷選手や藤井竜王のようにヒーローに仕立て上げられることもあれば、または井伊直弼やジョン・ブラウンのような、こちらも必要悪(ふたりとも賛否ある)として登場することになる。だから、おかしなイメージを誰かに投影しないこと、そして自分の人生を自分の責任の中で生き切ることをしないと、海王星はモンスターのような人物(魚座の麻原彰晃のような)を作り出すこともある。

 

 つまり、だいぶ前置きが長くなったが、2018年9月6日のブログ「誰かが私の代わりに痛みを引き受けてくれている」で書いたように、日々流れてくるニュースとは、たとえば殺人事件ひとつとっても、もしかしたら被害者だけではなく、加害者の立場に立つことだって起こりかねない状況に対し、自省の念を引き起こしてくれる、そんな身代わり=犠牲となってくれている人たちが日々、存在している、それを魚座=海王星=木星という天体が教えてくれるのだということ、それが学びや成長をうながす柔軟サイン魚座の本質ということになる。

 だから、私たちは運行中の海王星、またこれからイングレスしてくる魚座木星を考えるにあたり、まずはanger(嘆き、苦悩、悲しみ、苦悶、痛み、特に痛みに直結した怒り)を引き起こすニュースに対し、唯一できることは、苦悩や不安を感じ落ち込むのではなく、その感情に対し、どう向き合うのか。痛みを感じたその感情を原動力にして、前向きなものに転換し、自分やコミュニティ、社会に対しどう利用していくのか、そこがもっとも重要なテーマになるのではないか、21日の勉強会では、まず冬至図のチャート読みの前にそのような話を伝えさせてもらった。

 

 だから、ただ魚座=海王星=木星をキラキラとした未来をイメージするだけに終わらないでほしいということだ。その背後で、意識的であれ、無意識的であれ感情のエネルギーが誰かを犠牲にすることもあるかもしれないということだ。だから、自分のangerは自分自身で前向きに消化すること。それが魚座木星の重要な使い方として提案したい。

 

 このような話でもわかるとおり、まったくもって木星というのはやっかいな天体であることがわかる。昨日は、水瓶座木星についても話をしたが、水瓶座に木星がイングレスする際の占い従事者たちの大騒ぎぶりたるや! グレートコンジャンクションを前に、まるで夢のような時代がやってくるように表現していたではないか?

 情報を純金のように扱い、情報さえあればよりよい未来を築くことができる、情報さえ増えれば正しい選択を、待望の社会変化を起こせると騒ぎ立て、結局、コロナ禍では押し寄せる情報の中で、何が本当か嘘かもわからず、日々更新される数字をただ鵜呑みにするのか、声の大きいYouTuberの陰謀論に煽られるのか、熟考や議論が繰り返される前に、ただ入ってきた情報を手に知ったかぶりをし、その末に疲弊していく。

 水瓶座は一番最後の風エレメントであり、不動サインである。本当はもっとも慎重に議論し、熟考し、徹底的に分析し、time tested=時間に耐えうる知恵を生み出していくことができるサインのはずなのだ。

 それでは、もう一度、本当の意味で知性を知恵を取り戻すにはどうしたらいいのだろうか? そのためには、風エレメントの補完として水エレメント、つまりEQ(こころの知能指数、感情をうまく管理し、利用する能力)で補完することが大事になる。

 

 ということを踏まえて、今回の冬至図を読んでみよう。

 

 

 ASCは天秤座=風エレメント、天頂のMCは蟹座=水エレメントとなっていることから、2021年の冬至図の期間は、風―水の相互の利用の仕方を考えていくことが大事になるということだ。

 

 2021年はずっと天秤座がテーマとなっていた。天秤座(金星、風エレメント、活動サイン)とは、個人/企業/国の魅力や個性、存在の価値をどう他者に知らしめることができるか、その上で、他者/他企業/他国とどう対等に渡り歩くか、それが課題となっていたのだ。

 

 さて、みなさんはどのくらいそのテーマを獲得できただろうか。

 私がわざわざ獲得という言葉を使ったのは、他でもない、ASCというのはそのサインのふるまいや態度を獲得することによって、今、この時代を生き抜く力を持つことができるということになる。つまり、天秤座のふるまいは2021年の時代に日本が身につけなくてはいけないペルソナ=鎧であるということになる。

 しかし、見てわかるとおりASCルーラーの金星は逆行し、冥王星とコンジャンクション。この金星は8ハウスを支配していることから、まさに他者の存在(アメリカ?中国?)に圧倒され、自分の存在の価値をうまく表現できずにいることがわかる。

 私たちにとって、これは周知の事実である。金を散々ばらまいたにもかかわらず、コロナ外交、オリンピック外交の結果は惨憺たるもの。いまだに物資不足によるモノづくりの停滞やらで外交に優位なカードを持てないまま、一体、何を自分たちの価値や魅力にしていこうとするのやら。

 

 これが多くの日本人に中にある印象なのである。

 

 そこで、私たちは少しでもこの金星逆行のふがいなさを乗り切らないといけない。

 国は国益を考えて、国の将来が豊かになるための金星=価値づくりに徹底しなければいけないし、そのためには工夫(水星)と議論(天秤座)と熟考(水瓶座)を繰り返し行う必要があるだろう。

 個人もそうだ。ニュースの情報にただただ不安にならず、今あるものをどう工夫し、より豊かになるのか、他者の意見と共にそのアイデアを洗練させ、熟考する。そういった機会をより多く持つことが大事になる。

 

 

 魚座木星は、来年の511日には牡羊座に入る。先ほど、海王星の過去の運行を読んでもらった通り、天体が次の牡羊座に入ると世界は新しい時代に向かって大きく動き始める、魚座というのはその過渡期であることがわかっただろう。

 残りの魚座木星の期間は思っている以上に短い。ぜひ、その大切な期間として、この魚座期を風エレメントとセットでうまく乗り切ってもらいたい。

 

 もし、もっと詳しく話を聞きたいという方がいたら、ぜひ1221日に開催した冬至図読みの勉強会の動画を参考にしてもらいたい。そこでは、さらに冥王星や魚座木星イングレスチャートについても触れている。

 

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