nicoの星宙予報 2022 魚座 ~新陳代謝を活発にし、競争力をあげていく

 最近、日々のニュースが送られてくるたびに、「これは、うかうかしていられないぞ」という落ち着きのない思いに駆られる。それと同時に「一体、今まで何を見ていたのだろう」という情けない気持ちにも襲われる。きっとわかっていた。

 プーチンはこの年、「ウクライナ領土内に少しでも攻撃的な兆候が現れたら、それなりの措置をとる」と言い続けていたわけで、情報として頭のどこかでは理解していた、肌で感じてわかってはいたのだろうけど、日本の何とも言えない保守的なムードの中、つまりコロナ禍における年の間、のうのうと生きていた/生かされていた自分がそこにいたために、うまく反応できないでもいた。

 けれど、世界はこんなにも大きく動いていたのだ。

 

 まったく進まないコロナ対策のせいなのか、繰り返される「まん延防止」のせいなのか。この年、時間が止まったように感じることが多々あった。何が適切なのかもわからない、今、自分がどこに向かっているのかもわからない、そんな気分のままぼんやりと過ごしていたところに、北京オリンピックが開催され、台湾情勢やウクライナ情勢やらが緊張を増し、ようやくはっと我に返る思いだった。

 世界はこんなにも大きく動いていたのだ。

 

 政府はようやく水際対策を月から緩和すると言っているが、「緩和」と表現している時点で、前向き、戦略的な政策ではなく、しぶしぶ感漂う、後ろ向きの対策のように感じる。

 ここから日本はどうやって戦っていこうとしているのだろうか。

 守られることが当たり前になってしまっていると、見えてこないものがあるものだ。

 もちろん、コロナ禍で困窮した家庭も少なくはない。サービス業は軒並み苦戦を強いられてきた。しかし、結局のところ、必要なところに支援が届かず、必要のないところに協力金がばらまかれたりもした。制度がおかしくゆがんだまま、うやむやに進んでいるものも数多い。

 それでも、私たちはこの年間、ある意味「何もしない」というふるまい、または「現状維持」というふるまいの中でじっと過ごしてきた気がする。弱者救済的な声も上がっていたが、多くの人たちが、自分たちそれぞれが「弱者」の側にいるような不安を感じ、何もできないような状況にはまり込んでいたようにも思う。

 けれど、やはりもうそろそろ、頭ではわかっている「今のままではよくない」という意識を奮い立たせ、ちゃんと生きること、もっと言えば、ちゃんと「新陳代謝」していかなければならない、そういった時が来たと言えるだろう。

 それが2022年の魚座期のイングレスチャートに提示されている。

 以下のチャートを見てもらいたい。

 

 今期の魚座太陽イングレスチャートのテーマは射手座。

 占星術になじんでいる方たちは、この“射手座”が今、とても重要なサインであることに気づいているかもしれない。

これから迎える春分図をはじめとする2022年の日本の季節図は、射手座がテーマになっていることを踏まえると、2022年魚座期のチャートは、これから始まる年を迎えるための重要なヒントを与えてくれることがわかる。

 この一ヶ月、自分なりの射手座的ふるまい(火エレメント、柔軟サイン、木星、ハウス)が少しでも身につけば、春分からの年間は、少し明るい兆しを手にすることができるかもしれないのだ。

 では、射手座的ふるまいとは何だろうか? それが先ほどお伝えした「新陳代謝」になる。

そして、この「新陳代謝」というふるまいは、おそらく日本人にとって、もっとも苦手な意識と言えるのではないだろうか。

 

 その前に、イングレスチャートのASCの意味についてもう一度考えてみよう。

ASCとは、牡羊座・火星のハウスであることから、イングレスチャートのASCサインはこの時期、生き抜くため、生き残るために必要なふるまい=ペルソナ=鎧となる。このふるまい=ペルソナ=鎧が身につかないと、世界に飛び出すことに不安を感じ、結局、元居た場所に戻ってしまうことになる。つまり、ASCサインの鎧を身につける努力をすることは、今の時代を生きる上で必須だといえる。

 

 では、射手座とはどのような鎧になるのだろうか。

脱成長が叫ばれている今、むしろ日本人にとっては射手座の向かい側の双子座からやり直していくこと。救済=魚座・水エレメントではなく、まずしっかり競争力を高めて(双子座には競争原理という意味がある)、より流動的に、より新陳代謝を活発にしていくこと(呼吸=双子座と筋力=射手座)。

人でもモノでも企業でも、その競争に勝ち抜けないものを必要以上に救済するのではなく、すぐれたものを残し、勝てないものは縮小させていく、そういった「呼吸」「代謝」の意識が必要になるということだ。だから、営業しているんだかわからない店舗に協力金を与えるのではなく、成長を見込める企業に、未来を見据えた産業に投資していく。

ただでさえ借金国家の日本。そのような陽・火・柔軟サインのマインドがないと、ただただ民意の感情論に流されているだけとなり、限りある資源がどんどん失われてしまうのではないだろうか?

 

 これらを踏まえ、再度チャートを見てみよう。

ASCは射手座、そのルーラーの木星はハウスに在中している。イングレスの太陽もハウス、そして射手座の補完関係となる競争力を育てる双子座・ハウスが強調されているのがわかる。

守られることを良しとせず、果敢に環境へと働きかけていく。その土台として、古い知識や技術、人的価値を断ち切るのではなく、むしろ再利用し、新しい環境に生かし状況に当てはめていく。そこで足りない知識や技術は、積極的に外へと求め、新たな学びの力へと育てていく。それが今回のチャートで強調されたハウス、ハウスの流れとなるだろう。

 

 個人も同様。怖気づくことなく、環境の中で自分自身を切磋琢磨することを楽しんでみる。そうだ、本来、純粋な競争とは面白く楽しいものなのだ。そしてもっと言えば、自分を成長させること、つまり新陳代謝を活発にすることは、生命維持にとって欠かせないエネルギー循環のはずなのだ。

 

 そして、もう一つ、この魚座期(2022/2/19~3/19)にやっておきたい射手座的ふるまいとしては、日本の中の小さな私ではなく、もう少し視野を広くして、「世界で起こっていること」に意識を向けておくことだ。

 台湾はもちろんのこと、ウクライナ情勢は遠い国の話でもない。戦うべき相手はコロナウイルスだけでもない。

 

 今月の言葉にも書いたとおり、魚座は基本的に悲観論者だ。未来を恐れ、不安に襲われるからこそ、今、できる限りのアイデアや知識を絞って、よりよい未来を創造しようとする。それは、いわゆる祈りにも似た行為かもしれない。

 その恐れや不安を自分のため、身近な人たちだけに向けるにはエネルギーが大きすぎる。だからこそ、少しでも広い視野の中で自分には何ができるのかを考えてみるのもいいだろう。

 日常から少し意識を離し、肺を広げ、大きく呼吸をするように、新しい知識に心を開いてみよう。いつも自分が手に取らない本、知識、情報にあえて手を伸ばしてみるのもいい。筋力は、少し負荷をかけないとつかないもの。そうして脳の筋トレをして、理解の幅を大きく広げていく。知らない、わからない、聞いたことがない、そういったものに思い切りリーチしてみる。そうすれば、知らず知らずのうちに魚座的筋肉、つまり心が受容できる幅=器も広がっていくだろう。

 そうすれば、世界は恐怖だけではなく、知るべきものにあふれた場所となるかもしれない。

 

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天空で「起こっていたこと」「起こっていること」「これから起こり得ること」を丁寧に読み解くことで、物事の自然な流れを受け止め、理解し、あるべき姿として人生を生きることができるようになるでしょう。

一方、天体の運行を利用するということは、地図ではなく、コンパスを手に入れるということです。 Google Mapのように目的地までの順路、距離、時間が明確になるということではなく、進むべき方向がわかったら、その先は自分なりにクリエイトしなければなりません。

2025年には、大きな天体たちが揃って移動します。この天空の動きをどのような言葉で語り、どのように利用し、どのように語るのか。 この機会にぜひ占星術の一番すぐれた技術――天空の動きを読むという素晴らしい知恵を手にしていきましょう。