9歳の壁?『しつけ』についてつらつらと(後編)

前編はこちら

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先日、厳しく叱りつけたら、小学生の子が警察に児童虐待と通報し騒ぎになった、という話を耳にしました。

こんな話を身近で聞くようになるとは。

子どもの人権を法で守ろうなんて声高に叫ばれるようになったり、私が育った頃と、最近の子育て事情はかなり様子が違うようです。

 

さて、難しいと言われる小学生の『しつけ』。

特に9才前後は『9才の壁』と言われるぐらい難しいお年頃。

たしかに私自身も、あの年頃は忘れられない人生のポイントでしたが、 『壁』なんですね… なぜ9才前後が壁なの?

心理占星術でみると、9才にどんなインパクトがあるのか? 土星は7年ごとだし、プログレスの月は… 

なんて考えてホロスコープをぐるぐる回してみても、なんだかしっくりこない。そこで、nico先生にヒントをお願いすると『3の倍数は水星ー木星のラインに注目してね。 木星12年の3、6、9、12年の最後の曲がり角』とのメッセージ。

なるほど!

この水星ー木星と、ちょうどこの年頃の子どものしつけが騒動になった、あの時のグランドクロス、双子座ー乙女座ー射手座ー魚座の4サインに、『子どものしつけ』を重ねてみると、これがおもしろい。

 

そしてさらに、この4サインをそれぞれ次のサインへ成長させると、しつけのヒントが出てくるんですよ!

子どもは双子座から射手座へ 占星術でいうところの小学生・水星期は、IC=個人からMC=社会へ、水星から木星へと成長していきます。 私達を個人の活動から、社会での活動へと成長を拡大させる木星は、12年かけて公転し、3、6、9、12才とステップを登りながら12年の成長サイクルを完成させていきます。

 

最初のステップは3才前後。 なんでも自分の思い通りにしたい、やりたい、自分の力試しの時。 思い通りにならなければ、何もかもイヤイヤ、3才目前の『魔の2才児』と言われる頃ですね。

次は6才前後、子ども達は小学校に入学します。 組織に属し、集団の中で、自分で自身の面倒をみていかなければならない生活が始まります。

そして、9才前後からは12才に向けてラストスパート。 次のステージに進むために9才までに学んできた事、『しつけ』や経験から身に付けた事を試し、さらにブラッシュアップしなければならないので、勉強も、対人問題も、応用編になります。 親や先生、大人達の手を振りほどき、『俺』『わたし』の力を信じて社会へと打ち出し、自分の世界を拡大したい欲求に駆られ、親や大人が煩わしく思えたりすることも。

 

これまでにどんな体験をし、何を身に付けてきたかが問われ、対人力、社会性などの力量が試されるような出来事が起こります。 突然、お友達に仲間外れにされたり、親や先生との軋轢、望んでいない事を無理やりやらされたり、今どきは、私立中学受験に向けて本格的に勉強に打ち込まなくてはならない子どもだって大勢いる。この大きなプレッシャーやストレスの中で、子ども達は、大人からの干渉から離れ、自由と引き換えに自らの力で、判断したり、決断したりしながら自分の世界を開拓して、仲間や拠り所を築き上げていかなければならない。

 

つまり、『9才の壁』は、水星期の登竜門にして、木星の最初の12年サイクルの最終関門なんですね。

さらなる成長は、双子座から蟹座=月へ 様々な経験をしっかりと心に落とし込み、自己を確立していきます。 そして、射手座から山羊座=土星へ 今度は、社会=大勢の人々に通用する対人力、知性やモラル、常識やルールなどを身体に落とし込んでいきます。 実際に行動できるようになるまで繰り返し、地道な努力や我慢をすることも必要。

 

ここが大事なのね!  ああしなさい、こうしなさいと言っているだけではダメなんですよね。 『行動』にして体に落とし込まないと、出来るようにならない。 見守る方も、かなりの忍耐強さが必要です。 こうして、幼い頃からの積み重ねから心身を安定させ、自ら『親離れ』していく力をさらに鍛え上げていく事が『9才の壁』の時期のなのでしょう。

とはいえ、まだまだ未熟な子ども達。 この時期は、言葉を発することすらおっくうになったり、ささくれ立ち、訳もなく当り散らしたり反抗したりすることもやむを得ないのでしょう、こんな訳があるんですから。

この過大なストレスの中、家で反抗したり、生意気な事が言えるのは、安心して自分を出し、吐き出せる場所なのでしょう。 しっかりと吐き出す事が出来ないと人は潰れてしまうものね、あたたかくおおらかに見守り、必要な時に力を貸すのが親の務め。 この道は、私たちも通り過ぎてきた道、心に余裕を… なんてね いやいや、なかなかできませんよね。

 

子ども達と関わる、私たち大人も一緒に成長していく必要があるようです。

大人は、乙女座から魚座へ しつけは、教えたり、引き出したりと、人を育てる事は技術でもあります。 人のために役立つ技術、まさに乙女座力! これを全力で使わなければならない、それも毎日休む事なくノンストップで。 自分の事はさておき、子どもの事を考えなければならないことや、自身の気持ちを押し殺して身を捧げなければならない時もある。 怒ってばかりで疲れ果ててしまったり、たまに気晴らしに一人で買い物に行く機会があっても子どもの物を買って帰ったりしてね。

こうした経験から、さらなる人生観を得たり、何かを理解したり、無償の愛や何か大きなものの感覚を覚っていくことがあるのでしょう。 カオスな日々がこんな大きな体験とは。

 

さらなる成長は、乙女座から天秤座へ 天秤座は、相手の目に映る自分の姿を見て、カッコ悪くないか気にしちゃうんですよね。 ですが、大切なのは人と人との平等な関係、自分と同じように相手も尊重すること。 学ぶべきは、外に出しても親が恥ずかしくないように、親の為にしつけるのではなく、私たちと同じように、子ども自身がしっかりと生きていけるように、成長を促し、助ける事、これが『しつけ』ではないでしょうか。

 

最後は魚座から牡羊座へ これはとても切ない、そしてとても大切。 どんなに子どもに身を呈したところで、子どもは巣立ってゆく。 私たちは甘えや依存を断ち切り、人は一人の個人であるということを再認識して、精神的に成熟し子離れしていかなければならない。

巣立ちの時を迎え、親離れする為に反抗する子ども達への『しつけ』は、押さえつける事でも型にはめる事でもなく、握りしめていた『手を離していく』事。 この年頃の『しつけ』の心構えは、親も自身の生きる力、自分の人生に意識を向けて いくことかもしれません。 子ども達はそんな親の背中を見つめています。 9才の壁は反抗期ではなく、親離れ、子離れの時なんですね。

 

私は子どもの頃、『子どもにも幼少期から、大人と同じように人として尊重して接する事が大切』と友人親子の在り方から学ぶことがあり、強く心を打たれました。 絶対に忘れないようにと、こっそりメモして学校から帰ったぐらい。 時が来て、私は息子にこんな話をしています。 「あなたは神様からお預かりした子どもなんだよ。 大人になって、一人でちゃんと生きていけるようになるまで、しっかり育てるよう神様とお約束したの」と。 子どもは私の物ではない、私も息子も一人の尊重されるべき存在という意味をこめてね。 大人も、子どもと共に成長し、『人としての美しさ』を磨かなきゃね。

 

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