月の年齢期に大切なこと(後編)

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おひつじ座の季節が終わりを告げる頃、それは起きた。

子どもどうしの遊びの延長から小競り合いになり、息子が殴られた!

薄暗い道路に大量の鼻血が飛び散り、私は殴った子どもの手をつかみ一喝!
その場は騒然!!

 

子ども達には日常茶飯事のいざこざのようですが、それにしても少し度が過ぎたよう。
我が子に、顔面ど真ん中のパンチ! 流血!! バイオレンス!!
こんなのを目の前で見たら、さすがに母も冷静ではいられない!!

家の息子になにすんじゃー!! (なんてね)

 

帰り道は、胸が詰まって言葉がでなかった。
自転車の後ろに座る息子の手を握りしめて、無言のまま自転車を走らせ、家につき玄関に入ると、電気もつけずに息子をぎゅっと抱き締めた。
息子が離してというまで。

 

私たち親は、子どもをいつでも、いつまでも守ってあげられない。
大きくなってくればなおさら。

人を傷つける行為は、どんな理由であれ、やってはいけない、その逆も然り。
これは、私と息子のグランドルール。

 

息子は今回の痛みで、殴られるとどれだけ痛いか、どんな気持ちになるか、自分達だけの問題ではすまされないという事を、身をもって深く刻んだことでしょう。
そして、これからたくさんの体験を通して、様々なトラブルを自ら解決していく方法を学ばなければならないことを学んだはずです。

私たち親も、しっかりと子どもを見て、変化に気が付き、共に問題に立ち向かわなければいけない。
水星期へ移行し始める4,5歳になると、子ども達は家族以外の様々な人と関わり始める。
忙しいから、反抗期だから、という言い訳はもうできない。
我が子が逆の立場で、この衝動の原因が、もし私からのストレスだったとしたら、と考えるとヒヤッとします。

 

心理占星術は、私たちが自身について悩んだときに原因を示唆してくれ、道を見失ったときには、道しるべになり足元を照らしてくれます。
そして、子どもについて、私たち自身とは違う、一人の人間として個性があることを知り、理解できない部分を埋める手がかりをたくさん与えてくれます。
時には、問題についてどう対処するべきかアドバイスもくれますが、子どものホロスコープをじっと見つめていると、本当に大切な事はここにあるのではないと感じる事があります。

 

子ども達の星々は、空やホロスコープの中にあるのではなく、それぞれの子どもの中にある。
金星が司る五感の心地良さや、自分が大切な存在であると実感できる充足感。
心の繋がりや、安心できる拠り所を求める月の所属感覚。
こうしたものが不安定な時に子ども達の火星は、泣いたり暴れたりして訴える。
話せるようになってくると水星を使い、つたない言葉や態度で「こっちを向いて、気持ちをわかって」と一生懸命に伝えようとしたり、時には口をつぐんだり、気持ちを飲み込んだりする。

 

星々は、こう伝えているように思うのです。
「さあ、子どもをご覧なさい!月は安定しているのか、心はどんな状態なのか。
金星は何を求めているのか、何が嫌なのか。親は今、何をするべきか、しっかり感じなさい」と。

 

月の年齢域の子ども達に、まず私たち親がやるべきことは、しっかりと手を握り、身体を抱きしめる。
目を背けずに子どもに心を寄せ、ただ話を聞き、気持ちをくみ取り続ける。
こうした親の姿勢や心がけが、子ども達が自分らしく気持ちを表現し、心身を健やかに成長させていく環境を作るのだと私は思います。
成長の段階で通過する様々な体験の中で、時には新しい環境にうまく馴染めなかったり、仲間に受け入れられず孤独に苛まれたりすることもあるでしょう。
そんな、理解し合える仲間をみつけるまでの寄る辺ない時にも、自分には戻る場所があるという思いは、子ども達に無意識に寄り添い続け、心の支えとなるのではないでしょうか。
そして自らの力で、自分の居場所を作っていかなければならないタイミングが来た時には、私たち親と子どもが共に育んだ幼少期の環境は鋳型となる。
たとえ幼い頃の原風景が社会から見れば殺風景で、いびつであったとしても。
できれば、親から見守られ、慈しまれたという記憶で子どもの月を満たし、最初で最後の砦は暖かな環境で築いてあげたい。
私はそう願っています。

 

しかし、言うは易く行うは難しです。

いつも忙しいお母さん、お父さん
どうか少しでも手を止めて、深く呼吸をして、自身が健やかであるよう心を休めて。

身体がままならないのでなければ、子どもが嫌がらなければ、
たまには、いつもよりぎゅっと抱きしめて。

そして、いっぱい、いっぱい声に出して伝えよう。
どんなに大切に思っているか。
良い子でも、手におえなくても、大事な我が子であると。

母や父に抱きしめられた今日の事は、忘れてしまうかもしれない。
20年30年先にならないと思いださないかもしれない。

でも、心に残る。
きっと甦る。

母が握ったおにぎりの味も忘れない。
心をこめて握らなきゃね。

たくさんの思いが、愛する子どもへのギフト。

 

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