nicoの星宙予報2019 獅子座

 参院選選挙が終わったが、世間のもっぱらの関心は、まさに夏至図にも示されていた土星・冥王星 — 火星的象徴である父性の崩壊 — ジャニーズ事務所の、または吉本興業の圧力問題の露呈かもしれない。

 これまでTV業界や芸能界は、まさに金と権力、バーター取引、裏取引といった蠍座・8ハウス・冥王星的世界が日常茶飯事な場所だった。だから上記の関係者が起こした問題など驚くに値しないはずだったのだが、時代は昭和、平成から令和へと移り変わった。本当に時代は変わりつつあるのだ。

 「これまで」の生き方を「これから」の生き方にシフトしていく — そんな大事な時期に本格的に入ったのだと改めて実感している。

 

 しかし、だからといって古い体制やシステムを手放すには不安が残る。本気で変化を起こすためには、勇気と独立心がどうしても必要となる。

 今のわれわれにそれができるだろうか?

 明治維新のように20年近い年月をかけ、本気で社会を変える気があるだろうか?

 2009年に民主党が衆院選で圧勝し政権を獲得した後の、特に311のあの混乱を、あの不安を思い出さないわけにはいかない。

 頼るべき父性は崩壊した。

 では、一体誰にその未来を託せばいいのだろう。

 そういった心もとなさが、今回の中途半端な選挙結果を生んだのかもしれない。

 

 私たちが次にするべきことは何だろうか。

 やはり前回の蟹座期、夏至図のチャートに示されたテーマ — 既存の仕組みやルールに対する違和感を自分なりに払拭し、納得した生き方、働き方、人との付き合い方を育てていくことが大事になるだろう。

 その生き方に心地よさを感じているか。

 その扱いに不安はないか。

 その付き合いは、対等な関係性であるのか。

 

 

 そこを自分に問うことで、まずは在り方が変わってくるはずだ。

 

 

 しかし、土星・冥王星に対し、対等になるためには、個人の力と勇気、そして責任が必要になる。

 ただ自分のニーズだけを満たしたいなんていう一方通行の関係性はどこにもない。迎合する必要はない代わりに、自分自身が対等になるための価値づくりをしていかなければならない。

 この人が、この会社がないと生きていけない。そんな、すがるような思いで生きていたら、相手に食われてしまうのは当然だ。

 まずは独立心を育てること。それがこのアスペクトを生きる手立ての一つとなる。

 

 冥王星は、こちらの甘えや依頼心、欲望に入り込んでくる悪魔のささやきのようなエネルギーを持つ。ハデスの誘惑に負け、ザクロの実を食べてしまったペルセフォネではないが、こちら側の心が強く保てていれば、相手の思惑に乗ることはないということ。つまり、自分次第で影響や関係性が変わるというわけだ。

 

 また、冥王星は、相手に対する無理解があると牙をむかれるという体験につながることもあるだろう。相手のニーズを理解する努力を避け、自分のニーズを一方的に押しつければ、それは関係性の断絶となる。自分の中の違和感を一方的に訴えるという幼稚なことをすれば、必ず人は孤立してしまう。だからといって、相手の力に負けないためには、自分を強く押し出していく必要もある。

 こんな生き難い時代なのだ。お互いの理解の上でよい協力関係を築けた方がいいではないか?

 さて、そのとき、どのような方法をとることができるのだろうか。

 

 火星と冥王星、自分のニーズと相手のニーズの架け橋となるのが、実は太陽の力だ。

 恐れや不安、欲望の渦で見えなくなった世界をコントロールする白い光、カバラにおける無限の光(アイン=ソフ=アウル)。

 純粋に、もっと純粋に自分の理想の人生に向き合ったとき、進むべき道、やるべき事、取るべき責任といったことが明確になってくる。

 

 

 こちらが2019年の太陽獅子座期のイングレスチャートとなっている。

 品位の高い太陽が水星、金星といった内惑星を引き連れ、一番高いところに座し、光り輝いているのがわかる。

 

 人は誰でも、もっと建設的な人生を生きたいはずだ。

 けれど、人や環境からの圧力、未解決な心の問題、甘えや妥協といった自己の弱さに揺さぶられ、本来の目的を忘れあっちに行ったりこっちに入ったり、道をさまよってしまう。

 

 けれど、人はもっと創造的な人生を生きたいはずだ。

 誰かの何かの影響を言い訳にするのではなく、もっと自分たちにふさわしい国づくりをし、会社づくりをし、自分づくりをしたいはずなのだ。

 

 牡牛座に天王星が本格的にイングレスしてから、はじめての太陽とのスクエアを迎える。

 今こそ、自分にふさわしい未来意識が立ち上がり、それを選択する勇気が刺激される。

 

 純粋に人生の目的に向き合ったとき、どんな理想の自己像が見えるだろうか。

 2019年獅子座期は、そんなことを真剣に考えてみる期間にしてみるのはどうだろう。

 それができれば、もっともっと人や環境とよりよい世界を築くことができるようになるだろう。