nicoの星宙予報 2022 牡牛座

 

 このようなことを言うのは不謹慎だとは思うけれど、最近、トランジット読みが非常に面白い。物事がまざまざと現象化するので、「ああなるほどそういう意味か」と答え合わせにもなる。だから、当たる当たらないに関係なく、どんどん予測してみようと意気込んでいる。

 そのように思うに至った一番大きな理由は、やはり魚座の木星、海王星だろうか。木星は本当に扱うのが難しい天体だから、「魚座さんは12年に回の大チャンス!」のようにならないことを、占星術をまじめにやっている人たちは気がついてはいると思う。それでも心のどこかで、みんな木星がラッキースターだと信じたい気持ちはどこかにあり、木星が魚座に入ったら、きっと奇跡のように素敵なことが起こるのだろう/起こってくれたらいいな、程度の期待を感じつつも、現実の流れを見るにつけ、やはり木星は難しい天体だと改めて思わずにはいられない。そんなことから「じゃあどう読んでやろうか!」という占星術家魂に火が付くわけだけれど、実際、木星は破壊力がありすぎて驚く。

 よくよく考えてみれば、一番大きい惑星がそんな扱いやすいわけがなく、しかも地球からは距離もあり、それだけ巨大なのにもかかわらず、木星は約10時間という猛烈なスピードで自転していて、大きな遠心力を生んでいる。ということは、心理占星術的に言えば、こちらが重力を持っていないと、あっという間に巻き込まれてしまう、飲み込まれてしまうということだ。

 うまくいけば、つまりビッグビジョンを掲げるような人たち——政治家であれ、ビジネスマンであれ、宗教家であれ——は、大きな遠心力で周囲を引き付けることはできるのだけど、引っ張り込まれるほうも力がないと、あっという間に叩き潰されてしまう(木星が副支配星になっている魚座的人物には、そのような人が数多く存在している。麻原彰晃とかスティーブジョブズとか)。

 だから、この前の火星ワークショップ・魚座期でも話したように、木星という天体のエネルギーを利用しようというなら、こちらもそれなりの筋力をつけておかなければならない。ということは、筋力さえつければ、木星はビッグウエーブのように行きたい場所へと最速で連れて行ってくれるのかもしれない。

 やはり、人生一度くらい、気持ちよく波に乗ってみたい。成功とか幸運とかそういうことではなく、ビジョンと思いと状況が三位一体となる、そんな調和的なフロー体験のようなものをしてみるのは悪くない。それなら、火星ワークショップでも話したように、波に乗る訓練を積むしかない。

 

 その訓練にふさわしいときがやってくる。木星はこれから5/11に一度牡羊座入りし、そしていったん10/28に魚座に戻り、また12/20から牡羊座を運行する。

 牡羊座から新たにスタートするというのは、筋力を鍛えるのにはもってこいの時期だ。

 初心者が波乗りにチャレンジする際、最初に浜辺でボードに立つ練習をする。それと同じように、どんなビッグウエーブに乗りたいのかをイメージしながら、まずは小さなチャレンジから始めてみる。追いかけるように火星が牡羊座に入るのは、次の太陽双子座期からだが、とにかく、もうすでに小さなチャレンジから始めておくのは悪くない。

 

 牡牛座太陽イングレスチャートを見てみると、木星がいい配置になっているがわかるだろう。木星がナチュラルに支配しているのがハウス。木星が動きやすい位置にスタンバイしている。これは、木星的なことをやるのにとてもいいということだ。

 

 では、木星的とは、具体的にどういうことなのか。

 

 ハウス=木星の話をする際、professional プロフェッショナルの語源である profess=人前で告げるという話をよくする。これは宗教用語の一つなわけだけど、つまり神前、人前で、自分がどのような宗教を信じているのか、自分の立場を明らかにするという意味がある。

 これを国で考えた場合、まさに今、日本は対ロシアに対し、対ウクライナに対し、または対世界に対して、明確な立場を示す必要があるということ。でも、そのためには先ほどの話のように、太陽の力がよほど強くないと、思いがけない動きに巻き込まれることもある。木星を安定して使用するためには、獅子座=太陽の力は絶対に必要になるだろう。 

 獅子座=太陽=5ハウスのテーマは性能=パフォーマンス。日本という国がどのような性能を持っているのか、そのパフォーマンスを確実に示さないと、いいように各国に利用されるか、なめられるかしてしまう。どんな国として存在したいのかという木星的信念、そして、それを実行するための性能=パフォーマンスはどのくらいあるのかをとにかく明らかにする。それが今の日本に必要なことだ。

 これは個人にも企業にも必要になる。私は何をしようとしている人間なのか、それをするための性能=パフォーマンスはどのくらいあるのか。それを示さずして自分の都合のいいようには生き抜いてはいけない。

 

 イングレスチャートのASCは獅子座、その支配星の太陽はチャートのもっとも高い位置に輝いている。この太陽はハウスの支配星でもあることから、この牡牛座の時期は、徹底してこの力を育てていくことが必要になることがわかるだろう。

 しかし、この太陽は、実は10ハウスの中に閉じ込められている=インターセプトになっているのだ。せっかく高い位置で輝いているのに、それがうまく発揮できない状況になっているということだ。

 

 夏の参院選に向けての選挙戦が始まっているとは思うが、与党も野党も性能=パフォーマンスがまったく見えず、もちろんプロフェス、マニフェストも今のところ、それぞれの政党の個性としては伝わってこない。

 ウクライナ問題の行方、北朝鮮のミサイル発射による度重なる挑発、円安経済、食料問題、コロナ鎖国と本当に問題や山積みだ。日本が再び力を取り戻し、選ばれる国、認められる国になるために国はどのような対策をしていくのか。

 牡牛座期、太陽はハウス支配というのを考えると、やはり日本という価値の再構築が急務ということになるだろうか。武器を持たないというのならば、せめて別のかたちで抑止力を持つしかない。

 

 個人/企業も同じことが求められる。職場でも、またフリーランスの現場でも、選ばれるために何ができるのか。失われた年と言われているが、コロナ禍で消極的になってしまったエネルギーをどう外向きに変えていくことができるだろうか。

 牡羊座木星の新しいスタートとともに、太陽=性能=パフォーマンスの力を上げていくこと。そのためにも、すでにある価値をどう育て直していくか。いつか筋力が育った時に、牡牛座期で集めた自分にもともと備わっている価値がビッグウエーブに乗って、思いもよらない世界に連れて行ってくれるかもしれない。

 そんな日を楽しみに、牡牛座期を乗り切りたい。

 

 

【動画視聴】2022春分図リーディング、心理占星術の現場

日本の春分図リーディングのほか、混乱を極めるロシア・ウクライナ情勢のカギを握るプーチン政権の行方について90分、たっぷり解説。

当たる・当たらないではなく、考え方のヒント、考えをめぐらすことの重要性などとともに、マンデン占星術の面白さ―――人、国、時代に起こった出来事を私事にするための道具―――をお伝えした充実の内容です!

 

・魚座木星は、どんな意味をもたらしているか
・ロシア人の文化とメンタリティ
・デーメーテールとペルセポネの神話から考える国と国民の共依存関係 
・プーチン政権誕生図から考える「土星VS天王星」衰退のシナリオ
・日本国憲法公布図から見た近代国家になりきれてない日本
・システムをつくるで至っていない日本の構造的貧困
・2022年春分図から見た日本の課題
・心の刀を抜く日本人~哲学者マルクス・ガブリエルの言葉から

 

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ものすごい情報量で、、、、圧倒されまくりでした。

今月の月一勉強会は、リアル参加できずに動画で見ました。
春分図までを2回見ましたが、まだ消化不良です。

私は、日本の春分図しか見てませんでした。
潮流としての視点も、社会情報も、まったく足りてませんでした。。。。
世界の中での立ち位置としての不安、外交力や自衛力のなさ、資源不足の問題に関しても、自分ごととして揺らされました。

まさに自分自身に問いかけるチャンスですね。

揺らされている感がある一方で、占星術の学びを身につけていく道を進んでるってことは、すでにここにある宇宙エネルギーを使わせてもらえることになるわけですから、ものすごくありがたいことなんだな〜とも実感してます。

それ自体が、私にとっては、大いなる存在に守られている安心感。
自分が進んでいる方向に迷いなく、強くなっていけるような気もしています。

占星術を学ぶようになってから、いろんな神話も聞きかじるようになりましたが、その神話を、今を生きる人たちが書き換えているんだとも感じてます。

まさに、ひとつを知ると知らないことがいっぱいあったことに気づく体験でした。

Sさま・沖縄県
マンデンおもしろかったです

こうした使い方が世の中に広まっていけば、既存の占星術のイメージから脱却できるなと思いました。

いつまでも、お悩み相談ばかりでは、ループにはまるだけですから。

そのためには、チャートを読む人の知性が問われますけれども。

歴史、政治、経済、哲学、、、

そもそも、そうした学びとともに、占星術を扱っていくのが、本来の姿なんだろうなと私自身は思いました。

Fさま・神奈川県

 

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天体の声を聞くこと、時の流れを把握することは、宇宙の意図を汲むことです。ユングの言葉に「自然に物事が起こることを妨げない、それが叡智だ」というのがあります。

天空で「起こっていたこと」「起こっていること」「これから起こり得ること」を丁寧に読み解くことで、物事の自然な流れを受け止め、理解し、あるべき姿として人生を生きることができるようになるでしょう。

一方、天体の運行を利用するということは、地図ではなく、コンパスを手に入れるということです。 Google Mapのように目的地までの順路、距離、時間が明確になるということではなく、進むべき方向がわかったら、その先は自分なりにクリエイトしなければなりません。

2025年には、大きな天体たちが揃って移動します。この天空の動きをどのような言葉で語り、どのように利用し、どのように語るのか。 この機会にぜひ占星術の一番すぐれた技術――天空の動きを読むという素晴らしい知恵を手にしていきましょう。