先日、心理ホラリー&コンサルテーションチャート講座の中で実例を分析していた際、蠍座・8ハウス・バイアコンバスタの解釈が話題に上がった。
「蠍座・8ハウスの問題の一つは、相手が何を大切にしているのかという他者理解が欠けているということ。それでは、結局、物事は最終的にうまくいかない」という内容をお伝えしたのだが、その時、私は今の政治のことを頭の片隅で考えていた。
今の政治は、まさにここが欠けている、欠けているからこそ、すべてがうまくいかないのではないか。オリンピックも国葬も統一教会問題も、そしておそらく経済や円高も、すべては国民に対する理解が欠けているからこそ、同じ過ちばかりを繰り返すのではないか、そんなことを思った。
いや、もしかしたら、こう考えることもできるかもしれない。
こうまでしないと平和ボケ、政治離れした日本人の疑念を刺激したり、意識を目覚めさせたりすることはできないのではないか。
カルト教団から選挙協力を受けていたという事実を国民にひた隠しにし、与党という立場を守り抜いていたという呆れ返るようなショックを与えないと、私たちは重い腰を上げて自分たちの国の政治を真剣に考えることができないのか、そういう意味で、蠍座はやはり「負の遺産」という解釈でいいのかもしれない。
それが、今回の秋分図を見た最初の印象だ。
もしも、この危機をチャンスに変えることができれば、つまり一丸となって「日本をいい国にしよう」という機運を作ることができれば、森元首相の逮捕だってあるかもしれない…そんな期待も膨らんだりもした。
秋分図の天体配置からは、ぱっと見、意外といけるんじゃなかろうかという楽観的なムードを感じつつ、じっくり読んでみると、まさに「日本を良くしよう」という機運そのものが下がっていること。諦めに似たムードが漂い、結局、目的意識が明確な岸田首相に全体を持っていかれてしまっているような、そんな危惧さえ感じる。
国ごとにハウスの配置は変わるとしても、世界的なエネルギー高、物価高はもちろん、それぞれの国がそれぞれの未解決の問題にぶち当たったまま、この三ヵ月間、必死にもがくことになることが予想できる。ウクライナにはウクライナの、ロシアにはロシアの思惑に対する葛藤がやってくるということだ。
しかし、これもいいことなのかもしれない。問題はなくなってはくれないのだから、ここで気を引き締め直し、それなりの対策を打つことができれば、秋分の季節に起死回生ということもあり得る。それが起承転結の「転」の季節である秋分の時期の面白さなのだ。
というか、ここが今回大事なポイントなのだが、強い目的意識があってこそ(太陽)、戦略やアイデアを生み(水星)物事を動かすことができるということを考えると、その太陽の力は、天秤座期にはもっとも弱いデトリメント(-5点)。過剰に期待をしない冷静さ、身の丈に合った目的を持ち、自分の手持ちのカードをうまく利用しながら周囲の協力を仰ぐ。その結果、勝利を引き寄せることができる。そんな図式になっていることがうかがえる。そう考えると、プーチンとゼレンスキーはどちらがこれに当たるのだろうか。
また、秋分というのは春分の時期にまいた種の収穫をするときである。春からの動きが、この秋分のときにどのように実を結んだのか、実を結ばなかったのか。もし結ばなかったとしたら、結局、何が問題だったのか。
国民感情の理解不足だろうか。誠意に欠けた態度だろうか。「期待できない」とされる弔問外交に対する認識の甘さだろうか。
実際に秋分図を見ると、外交そのものを示す7ハウスも、そしてその結果を示す11ハウスも、その支配星は金星となっている。このチャートは、乙女座・金星と天秤座・水星がミューチュアルレセプションになっていることから、一見、外向きの活動はプラスに働くように見えるが、実際はどうなのだろう。間にいる太陽がその組み合わせに水を差すようにも見えるし、反対側の木星が煽っているようにも見える。
太陽は9ハウスを支配していることから、秋分から冬至までの三ヵ月間で、私たちにとって何が“正義”なのかが明らかになるような、そんな大事な時期であることもわかるだろう。
自民党、国葬、金融緩和は日本にとって正義となり得るのか。統一教会を切れるのか切れないのか。沖縄問題を日本全体の問題として受け止められるのか。こんな状態で岸田内閣は成果物を収穫することができるだろうか。嵐の影響で成果物が期待するほどではなかったというのなら、この三ヶ月は、それらの流れをじっくり観察し、その上で次の対策を考えなければならない。
ここから、企業/個人を考えてみよう。
私たちは、今、十分に太陽の目指す方向を理解できているだろうか。例えば「静かな田舎暮らしをしたい」というのなら、その目的のために、どんな工夫や戦略を立てることができているのだろうか。それはぼんやりとした夢だろうか、それとも春に種をまき、手塩にかけ、丁寧に世話をした結果だろうか。
何事も一朝一夕というわけにはいかない。
企業でも個人でも、活躍している人や組織の、今、私たちの目に見えている太陽の輝きは、何億光年前に放たれた勇気の証なのだ。だから、今、収穫できないことを嘆くのではなく、では来年の秋にどんな成果物を手にしていたいのか、それをしっかり思い描き、今から戦略を練ることが大事なのだ。
それが知性のサイン天秤座期にできることでもあり、太陽9ハウス強調、また、蠍座後半のASCを見てもそれは明らかだろう。
タロットカードの小アルカナの7である4枚のカードはそういった「秋分の時期の心得」を教えてくれている。
みなさんの中には、どのようなイメージが浮かぶだろうか。
この天秤座の時期(9/23~10/22)、そして冬至までの間に心得ておきたいことは
- 春分から続いている未解決の問題を解消する
- 何を収穫できたかできなかったかを考える。みんな一様に何かしらの収穫はある。「ない」と感じた人は、モノの見方を変えて、しっかりと成果物の実感を持つ
- 本当の夢=目的は何だろうか(小アルカナ・カップ)。それを得るためにどんな戦略が必要なのだろうか(小アルカナ・ソード)
これを読んでくれた方が、どのような成果を手にしたと実感したのか、ぜひ聞いてみたい。悔やんでも2022年の秋分は一度きりだ。嘆く暇があったら、未来へとイメージを馳せ、また新たに作戦を練ることだ。
それがこの時期の重要なふるまいになるだろう。
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ユングの4つのタイプ論のように、「ないものが個性である」という考え方を採用し、表出しないカードに光をあて、その人の隠された本質や欲求を考えます。カード1枚1枚を分断して理解するのではなく、欲求や不安・おそれなどの心の動きを流れとして組み立てるリーディング力を学んでいきましょう。