nicoの星宙予報 2022 射手座~土星の30年と木星の12年、サイクルの意識を受け取る重要な時

 

 最近、私のいくつかの講座では、半ば言い訳のようにこのようなことを伝えている。

 

 今年に入ってから、教えたいこと、伝えたいことがどんどん様変わりしてきた。コロナ以降、自分の考え方も変わり、そのせいで講座の内容やカリキュラムも見直しが必要となり、突然、開催の仕方や内容を変更したりと、皆さんにご迷惑をおかけしていますが、よりよいものを提供するための混乱なので、よかったらこの変化に一緒にお付き合いしていただけたらと思う。

 

 そして、こんなふうに付け加えている。「まるで岸田政権の人事のような混乱ぶりですが、どうぞよろしくお願いします」と。

 

 確かに、岸田内閣の人事はひどい。はなから問題があることがわかっていたにもかかわらず、不問のまま採用し続けたりと、まったく脇が甘いとしか思えない。

 そうなのだ。その通りなのだ。けれど一方で、戦争は続いている、ミサイルは飛んでくる、亡くなった首相の負の置き土産は波紋を広げ、物価高、エネルギー不足は続き、円安解消のめどは立たず、米軍基地の問題を沖縄に押しつけ…と問題は増える一方。今後、どのように国を立て直していけば、失われた30年から脱却できるというのか、まったく未来への対策が見えてこない。まさか、本当にサッカーW杯に望みをかけているわけではあるまい。

 

 自分自身、新しい仕組みづくりがうまくいっていない中、岸田政権の醜態も我が身のことのように恥じ入っているところである。これは何とかしないといけない。

 だが、どの国だって、どのような企業だって、誰であっても、今は混乱しながらも、それぞれの適正を模索しなければならないのではないか。

 アメリカは、ねじれ議会となり政権維持の難しさをにじませ、中国はロックダウンが続き、ヨーロッパはエネルギー危機に揺れている。企業も生き残りに必死になり、個人はそれぞれの問題に向き合いながら生きている。

 でも、これは悪いことではないだろう。移行期の混乱は、織り込み済みではないだろうか。

 片付けメソッドではないけれど、持っているものを全部ひっくり返してからでないと、あるべき場所に物事を落ち着かせることはできないのだろう。

 そんなことをぽつぽつ考えながら、射手座のイングレスチャートを見てみた。

 

 カルミネートしている水瓶座の土星以外は、精彩に欠けた配置だ。6ハウス、12ハウスの強調は安全保障や防衛がテーマになると考えられることから、22日に発表された有識者会議の「防衛費増額、安保政策を抜本転換、防衛費増額の財源は増税含めた国民負担の必要」ともなるだろうか。

 6ハウスの中にある月は、蠍座・フォール(-4点)であり経済=2ハウスの支配星。水星は射手座・デトリメント(-5点)であり、未来への投資=5ハウスが特徴的である。

 アメリカからの依存脱却と言っているが、経済政策も進んでおらず「足りない(蠍座・月)」という状況を盾に、国民の税金を期待し、希望的観測的(射手座・水星)に物事を推し進めていこうとするなど、かなり舐めた話だ。このチャートでは景気回復へのシナリオはまったく見えてこないし、柔軟サインのハウス、6-9-12ハウスの強調を見ても、出たとこ勝負で後手後手に立ち回る様子がうかがえる。いろいろ順番がおかしい。

 

 個人も企業も同様だ。今期の目標としては、ことが起こってから慌てるのではなく、また「こうなったらいいなあ」という希望的観測でもなく、活動サインからのスタートが重要だ。つまり、たった今できること、自分のサイズでできることに集中していく。ないものを期待しても、今はうまくいかない。

 新型コロナウイルス用飲み薬の承認などは明るいニュースのひとつだろう。そういった「できること」をかたちにし続けるしかない。

 

 

 そう考えると、カルミネートした水瓶座の土星の意味も見えてくるかもしれない。2022年の星宙予報は、この水瓶座・土星の話ばかりしているような気がするが、要するにこれができていないと何もはじまらないのだろう。

 

 まずは個人/企業/国の生来に見合った姿、特異性を重んじた姿に是正しようとすること。そういう努力さえすれば、おのずと必要/不必要がわかってくる。SDGsLGBTQやら「これからの時代に合ったものを!」など意気込まなくても、今の時代を普通に呼吸しながら、新陳代謝をよく生きていれば、自分たちの在り方に見合うマッチングが見つかるだろう。作為やあざとさが優位になると、それはやがて淘汰される。

 最後の風エレメント、最後の不動サインの水瓶座は、「自然に、ゆったりと深呼吸しながら」が目標だ。そういった深い呼吸をしながら、自分たちに最もふさわしい仕組み、システムを組んでいく。

 やっつけの人事、やっつけの構造では当たり前だが上手くいかないし、土星が水瓶座にいる期間は限られている。土星が魚座に移動する2023日までに、今ある姿を是正できそうなら、冥王星・水瓶座時代も無駄に恐れず生き抜くことができるかもしれない。

 自然に、ゆったり深呼吸するとどんな姿が見えてくるか。皆さんもぜひやってみてほしい。

 

 土星の話を中心に進めてきた一方で、もう一つの大物の惑星を見てみよう。この射手座期の間にいよいよ木星が逆行を終え、魚座から牡羊座へと戻ってくる。

 火星プロジェクトチームのみねんこさんが、昨日、このような情報を送ってくれた。

 

木星が2回目の牡羊座入りですね。

2010年からの木星サイクル12年を眺めてみると、アラブの春の民主化デモなど民主主義が高まる様子と、それが新たにナショナリズムとして自国向きになってきている感じ。

 

2011
カダフィ・ビンラディンの殺害
日本では、東日本震災、津波、原発事故

2022
トランプ・プーチン・習近平・ゼレンスキー
ぐだぐだ復興五輪 その後もドロドロ

 

 12年前に牡羊座に木星がイングレスしたときは、活動サインの初期度数に天体が配置されるというカーディナルクライシス(牡羊座・天王星、天秤座・土星、山羊座・冥王星)と言われる配置が形成されたときだった。私にとっては、忘れもしないインパクトがあった時期なわけだが、占星術的には、天体が牡羊座に戻ってくること自体、重要な意味があると考えられるので、新たなる12年の始まりは見逃せない現象である。

 

 木星が魚座にいる間*に、どれだけ目覚めの機会があっただろうか。
 *木星魚座の運行: 2021/5/15~6/29、2021/12/30~2022/5/12。現在は、10/29~12/21で最後の魚座を進行中。

 

 どんな夢や理想を描いたか。

 どんな成長への欲求が起こったか。

 どんなことに心が揺さぶられたか。

 それに対し、どんな学びや成長のアクションを起こそうとしたか。

 

 これらが今後12年の目標になるわけだが、もし自発的にイメージを手にできなかった場合は、外部から違和感のある揺さぶりが起こり、なんとか目覚めの機会を与えようとしてくるだろう。

 だから、「いやだなー」「つらいなー」と思える体験も逃げずに、しっかり目を見開いて生きてみるのがいい。そうすれば、いやでも重い腰が上がることだろう。

 

 そこで、2022年の射手座期は、私にとって30年サイクルの土星の意識を受け取るためにも、また12年サイクルの木星の意識を受け取るためにも重要な時期だと思っている。

 うかうかしてはいられない。けれど、「今月の言葉」にも書いたように、慌てて他者の欲望に舞い戻り、自分の在り方から遠ざかっても意味がない。

 

 ゆったりとAir空気を取り込んでみる。新鮮な空気と共に、自分本来の姿が確認できる。風の時代にもっともふさわしい姿勢を持ち、しっかりとこの期間を過ごしてみてほしい。

 

 

 

 

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