星宙百景 おさらい編 ~2024 乙女座・わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を考える

心理占星術家nicoによる「時期読み百景」。毎月、太陽がサイン移動した瞬間のホロスコープ(イングレスチャート)を分析し、わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を読み解きます。

おさらい編では、先の未来を読み解いた星宙百景の記事をセルフレビュー。

先月お伝えしたチャート読みの内容と、実際に起こった出来事を nico の視点で振り返るショート・レポートです。

前回の星宙百景では、冒頭にこのようなことを書いた。

自民党総裁選が騒がしい。その騒がしさが本当に腹立たしい。身内の問題を野放しにしている人たちに、問題山積みの国を任せられるのか。名乗りを上げている候補者自身も、裏金問題、統一教会問題等から遠く距離を置いていたとも思えない。この際、党首が誰になってもいいから、総理大臣はせめて自分たちで選ばせてほしい。今回ほど、それを切に願ったことはない。

議員たちが「誰が新しい総裁なら、次の選挙で自分は当選できるのだろう」といった身の保身ばかりを考えるようなら、間違いなく有権者は離れていく。日本の未来を本気で考えられる人物は誰か。その態度を、その姿勢を私たちは見なくてはならない。

星宙百景 2024 乙女座~ 良くも悪くも現状そのものが、自身のありのままの姿が明確になる
2024太陽・乙女座のイングレスチャート

この一カ月、このイングレスチャートを勉強会や研究会、またブログ等で何度も利用することになった。チャートを見れば見るほど、この時期は、誰にとっても大事な時期になると考えたからだ。

前述の記事では、このように書いた。

今期の乙女座期は、どういう姿勢や態度で生きるかということに対し、いよいよ迷いがなくなるタイミングとなる。ハリス支持かトランプ支持か。子どもをどう育てたいか。なぜその仕事を選んだのか。なぜそこに住んでいるのか。その他の選択肢はなかったのか。

ASC/火星、10ハウス/土星、4ハウス/金星は、今の私の、国の、企業の、それ以上でもそれ以下でもない等身大の姿で生きることを求めているように見えるではないか。

そうなのだ。今期の乙女座期は裏を返せば、ごまかしがきかない時期だということになる。国の、党の、企業の、個人のそのままの姿が示される時期なのだ。だから、取り繕ったところで無意味だ。それならば、開き直って、ここまでの成果や結果を受け止め、今の自分の姿を堂々とさらけ出す方がいい。

星宙百景 2024 乙女座~ 良くも悪くも現状そのものが、自身のありのままの姿が明確になる

この一カ月を振り返ると、たしかにそのような時期であったことは間違いない。

立憲民主党の党首候補者も、自民党の総裁候補者も、毎晩メディアに出演し、所見発表を繰り返す中で、誰が誰の推薦人であるとか、何をどう考えている/考えていないなど、まさに彼らの能力や正体を露呈する結果になっている。その彼らと共に、彼らを報道するメディアの姿勢や思想、正体も同時に露呈している。

こうした中、9月16日に朝日新聞がリークした統一教会関連のニュースはあまりに衝撃的だった。

自民党のこれまでの調査では、統一教会との組織的な関係はなかったと発表していたが、掲載された写真を見れば一目瞭然、まさに安倍政権と統一教会が一蓮托生の関係であったことを裏付けているではないか。このように言い逃れできない証拠が挙がっているにもかかわらず、裏金問題同様、自民党の総裁候補者は誰一人として、この問題を追及する姿勢、再調査に乗り出す姿勢を見せてはいない。自分にとって都合のいい媒体では、「決着!」などと威勢よく熱弁を奮っているわりに、TV討論会では、どの議員も口が重い。

先月の星宙百景では、「過去と決別できないうちは、新しい価値を手に入れることはできない」といった趣旨のことを書いたが、自民党がここから過去の歴史を乗り越えられるかどうか、もはや限りなく怪しい。彼らの正体を知れば知るほど絶望しかないのだが、物事が明らかになるのは悪いことではないのかもしれない。というより、それこそがこの一カ月の目的であったのだ。

こういった絶望、どうしようもない憤りこそが、イングレスチャートのT字スクエア(ASC上の火星、MCの土星、4ハウスの金星)の葛藤なのだろうか。

裏金問題、統一教会の問題など、そこに未解決な問題があるのはわかっているはずなのに、しがらみが邪魔しているのか、問題を解決する術がわからないのか、できるところから淡々と現実的に手を加えていけばいいはずなのに誰も本丸に触れようとしない。

これを個人/企業の問題にも当てはめると、「そこに問題があるのはわかっているが、関係性が邪魔をしていたり、どこからどう手を付けていいかわからなかったりし、問題の本質になかなかたどり着けない」こともあるだろう。

そこで、このT字スクエアをこう読むことができるかもしれない。「解決すべき問題は目に見えてわかっているのに、解決する勇気が持てないだけではないか」と。なぜなら、柔軟サインで欠けているサインは、火エレメント・射手座になるからだ。

過去を振り切る勇気と力強いビジョンでもって、我々国民を明るい未来に導いてくれればいいだけなのに、それがなぜできないのだろう。どうして誰も沖縄米兵の性的暴行事件に対し声を上げ、日米地位協定の見直しを約束することができないだろう。党員に対する忖度も、自分たちの利権を守りたいだけの霞が関の民も、この際どうでもいい。私たちは、本気で国民のために闘ってくれる日本のリーダーがほしいだけなのだ。

学芸会(または飲み会の三次会)のようなぐだぐだな総裁選(立憲民主党の党首選も似たり寄ったりだ)の茶番劇に辟易している最中だが、今まさに様々な有事が次々にやってきている。

なかなか進まない能登半島地震の復興、気候変動による自然災害の頻発、令和の米騒動。または南シナ海では中国船がフィリピン船に故意的に衝突し、この54日間ほど中国船二隻が尖閣周辺をうろうろしている。中国海軍の空母が日本の接続水域に初めて一時侵入した。以上の迫りつつある危機を前に、たるんだ総裁選を見るにつけ心から情けなくなる。

そういった憤りが、ASCや4ハウスから10ハウスに対してぶつけられているように見えるのは、私だけだろうか。

でも、まあいい。この憤りこそが未来への原動力になると期待したい。遅すぎることはないと信じ、弱体化した国をどうにか立て直したいと心から願う。