心理占星術家nicoによる「時期読み百景」。毎月、太陽がサイン移動した瞬間のホロスコープ(イングレスチャート)を分析し、わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を読み解きます。
おさらい編では、先の未来を読み解いた星宙百景の記事をセルフレビュー。
先月お伝えしたチャート読みの内容と、実際に起こった出来事を nico の視点で振り返るショート・レポートです。
9月24日に開催した月イチ勉強会「星宙百景・秋分図の巻」、それに続いてお届けした「星宙百景 2024 号外! 月ー冥王星の決着、中身が見えない水槽の水は入れ替わるのか」これら二本の記事、読んでいただけでしょうか。
そこでは、冥王星の二つの選択についてお話しさせてもらいました。わたしのブログ「心理占星術と未完成の日々」にも似たような話を書きましたが、今秋の3ヶ月間でもっとも大事なテーマは、約16年続いた山羊座・冥王星が11月20日にフィナーレを迎え、次の水瓶座へと移動すること。こちらは今、占星術をかじった人であれば誰でも知っている一大トピックとなっています。
そこで、9月の月イチ勉強会では、国でも企業でも、そして個人でも山羊座的トラウマや痛み、欲望としっかり向き合い、解消できてもできなくても、自分なりの決着をつけておく必要があるだろう、そのような話をしました。その「解消できないものたち」のイメージとして、「水槽にこびりついた苔や藻」の例をあげました。
まだ水槽がきれいだった頃は、そこに問題があるのがわかっていた。目の端っこに入っていた。いつか解消しよう、解消しようと思いつつ、そのまま放置し続けていたら、いつの間にか水槽の表面が苔や藻で覆われて中身が見えなくなっていた。まあいいか、外の世界がどうなっているのかもよくわからないし、住み心地が悪いわけではない。じっとしていれば何の不自由もないのだし。
しかし、一歩外に出たら、自分たちの知っている世界ではなくなっていた。そして、いつしか水槽の水は腐敗臭が漂い始めていた…
これはもちろん、苔や藻で心が覆われてしまうと自分の今の状態を客観視することができないし、今いる環境から身動きが取れなくなってしまうという、心=水エレメントのネガティブな状態の比喩ですが、これがまさしく自民党の今を示しているのではないでしょうか。
長きに渡り安倍一強政権が続いたせいで、呆れ返っている国民をよそに、身内で甘い汁を吸い合い、権力やら血税やらを我が物のように扱い、自分たちの立場を客観視できない自民党が、今、まさに窮地に立たされているわけです。
最も大事なことを閣議決定で決めてしまうという、昨今の自民党の悪しき慣例も安倍政権下でつくられたものでした。岸田政権下の2022年、安保保障改革の大転換――安保三文書(防衛費増税や相手の領域内を直接攻撃する「敵基地攻撃能力」等)を国民への説明も野党との議論もないまま決定したわけです。
そんな状態の中、いよいよ先の自民党総裁選を迎えたわけですが、裏金議員問題、そして統一教会問題が蒸し返されたにもかかわらず、いまだ藻で覆われた水槽の中にいて、自分たちを客観視できない自民党員が予想以上に多いこと、つまり、いまだ安倍首相のレジェントにしがみついている議員が多く存在していることに心底驚いているところです。
そこで前回の月イチ勉強会では、このような提案をしました。
冥王星が最後にどう出るのかは、実際のところ、わたしも計りかねている。だから総裁選の結果を見てから、今の時代がどこへ向かおうとしているのかを再度考えてみたいこと。天体の象徴というのは、表裏一体の出方をすることがあるので、もう少し判断材料がほしい、ということもお伝えしました。
その時、二つのパターンをお伝えしました。
① 安倍元首相のレガシー(負の遺産)を継承する、そのままの路線を行く解釈。
こちらは高市さん側。よって高市さんが勝利すれば、これまでの価値を守り、大切に育てていくという象徴が優位になる。アベノミクス継続、選択的夫婦別姓反対路線、タカ派、裏金議員容認。② このままではいかん! という死と再生、変容のエネルギー強めの冥王星解釈。
こちらは党内野党の石破さん側。石破さんが勝利すれば、安倍政治の終焉と新しい政治への挑戦。つまり、次の価値づくりへの一歩を踏み出す方向性。均衡を求めるリベラル保守。党内の支持が弱いということは、結果を残さない限り先に進む道はない。孤独な道になることも考えられる。
先のブログに書いたものですが、総裁は石破さんになりました。しかし、岸田元首相含め、古参議員らの意向なのか、苔なのか藻なのかを与し、結局、もとの濁った水槽に戻ることになったように思われるわけです。
本来、自然界には、外部からの力ではなく、自らを清めようとする能力、つまり自浄作用という素晴らしい力が備わっているはずです。けれど、それができないなら仕方ない。そういうときは、山羊座冥王星の最後の力を借りて、12年の安倍政権、そのあとずるずると続いた負の遺産を洗い流すしかないのではないか。それがこの一ヶ月の流れのように思うわけです。
山羊座冥王星の時間は、あと約一ヶ月あります。
この期間に、わたしはやはり水槽は掃除しておくべきだと思うのです。自分や身内だけが心地よく気持ちよければいいという世界から抜け出し、客観的に自分を眺めたときに見える世界、それに対する評価をしっかり受け取り、果たすべき責任を果たす必要があるのではないか。そうしないと国も企業も、そして個人も分断が進むだけになってしまうのではないか。
まず、この秋分図から考えられることを書かせていただきました。
実は、この話にはさらに続きがあります。ASC上にある木星、そしてそこに90度の角度で配置されている水星の重要性です。こちらがなぜ大事なのか。それをどう解釈すべきなのか。それは「星宙百景・蠍座期」でお読みいただけたらと思います。