2025 牡羊座期のおさらい編 ~牡羊座金星・デトリメントの無力感、多くを望まず小さな結果を積み重ねる

心理占星術家nicoによる「時期読み百景」。毎月、太陽がサイン移動した瞬間のホロスコープ(イングレスチャート)を分析し、わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を読み解きます。

おさらい編では、先の未来を読み解いた星宙百景の記事をセルフレビュー。

先月お伝えしたチャート読みの内容と、実際に起こった出来事を nico の視点で振り返るショート・レポートです。

 前回の星読み百景「魚座期のおさらい編」では、トランプ・ゼレンスキー会談の「あなたはカードを持っていない」と金星、水星の牡羊座から魚座への逆行をかけて、「国/企業/個人にはカードがあるのだろうか」をひたすら考えるざるを得ない時期になるだろう、そんな話を書いた。

 続く春分の星読み百景では、このような言葉を記した。

アメリカは、気に入らないことがあるといきなり梯子を外す国なのだ。われわれも覚悟を持ってカードを持たないとまずいぞ。そのように危機感を突き付けられることになったのは、これは悪いことではない。むしろ、重い腰が上がる機会になるのではないか。それは他のアジア諸国も、欧州も一緒だ。

 このように書いたは書いたが、その後の怒涛のトランプ関税、そして中国との関税の応酬合戦になるとは! その後、各報道でこの「カード」という言葉を度々耳にすることになった。

「トランプは、次にどのようなカードを用意してくるのか」
「それに対して、習近平にはどんなカードがあるのだろう」

といった具合だ。

 では、われわれ日本のカードとはどのようなものだろうか。

 その問いに対し、「まだこんな素晴らしいカードがあるのか!」という未来が明るくなるようなアイデアが誰かから披露されたことはこれまで一度もない(カルフォルニア米を無税で輸入するというくらいか)。たいては、「ゲームとして詰んでるじゃん」と思えるようなシナリオばかり。あのようなアホみたいな関税をかけられたら、どの国もそうなるのか。

 日本としては、トランプ関税に対する明確なカードを持たないまま、「日本が最優先」というトランプ大統領の言葉を鵜呑みにしつつ、カモにされつつ、4/17、赤沢経済再生担当相はトランプ大統領との1回目の日米関税交渉の場を終えた。

 その直後、赤沢氏はかなり興奮した様子で記者会見に臨み、こう言った。

 「トランプ大統領が私に会ってくださったことは大変ありがたいこと。(私は)格下も格下ですので。出てきて直接、話をしてくださったことは本当に感謝している」
 「本当に温かい配慮の方で、格下と会っているということを本当に感じさせない。本当に大統領の器の大きさというか、温かさというか、配慮は非常に強く感じた」

  「格下」って何度も言うな! と情けない気持ちに襲われたが、その後、今はこれしか道がないのかもしれないとも思った。これが今の日本の姿そのものなのかもしれない。実際のところ格下であるわけだし、そりゃもっと厳しい態度で出てほしい気持ちもあったが、ゼレンスキーの二の舞も嫌だし、今は多くを望まず、小さな結果を積み重ねること。これが、今のトランジットで示されていることなのかもしれないと。

 前述の星読み百景では、このようなことも書いた。

牡羊座金星は逆行しながら、このように訴えかけてくることだろう。「わたしにはカードはあるのだろうか」「そのカードは、いざという時、生きのびるための切り札になってくれるだろうか」

その後、3/27に金星は魚座へと逆戻りし、4/16に再び牡羊座に戻ってくる。

この流れはとても面白い。なぜなら金星は魚座でイグザルテーション(+4点)し、牡羊座でデトリメント(-5点)になる。これはどのように解釈できるかというと、たとえば金星は魚座では、「わたし、けっこうイケてんじゃない?」「けっこうやれるんじゃない?」といった根拠なき自信に満ちあふれ、意気揚々とするわけだけど、牡羊座で厳しい現実を突きつけられて、「あれ?わたし、ぜんぜんダメじゃん」となる。

この落差がけっこうキツイ。夢心地な夢想の世界から、生き残りをかけた厳しい現実へ。でも、この落差を体験し、しっかり凹んでおくと、次の牡牛座金星で、「こんなもんかな」「このくらいでよしとしよう」といういい感じの等身大の自己像に落ち着く。
 
理想を描き、現実にの厳しさに突き落とされ、それ相応のところで満足する。この流れは結構大事だ。

 いや、だから、そういうことなのかもしれない。

 現実は甘くないけれど、デトリメント金星でもトランプを前に戦っていかなければならない。カードがないどころか、「われわれは日本を守らなければならないが、日本はわれわれを守る必要がない」とか謂れなき不満に対し、「基地を提供することでどれほどの犠牲を払っているか、わかってないのかよ!」と怒り心頭だが、それも含めてのデトリメント金星なのだろう。

 牡羊座金星の無力感とはこういうものなのかもしれないが、ここからコツコツ交渉していくしかない。

 こういった象徴は、4/13に開幕した大阪万博にもつながるのかもしれない。問題点はいろいろあるが、ミャクミャクも大人気だというし、それなりにそこそこやれているのではないか。このまま何事もなく運営できれば成功と言えるのではないか。

 閉幕の10/13には牡羊座へと進んだ土星は魚座へと戻っている。これはどのような意味になるのか。今後も行方を見守りたいと思う。

 ここで春分図のチャートを見てみよう。

2025年太陽・牡羊座のイングレスチャート

 
 7ハウスに出たと思った水星、金星はこの後、後ろ向きに進み、魚座へと戻っていく。これは既に上記で書いたとおりだ。というか、4/4にトランプ関税が発動したと思ったら、90日間の停止なんて、そのまま金星逆行のテーマにつながっていて、逆にトランプってば、星の動きをわかってやっているのか? とも思えてくる。

 6ハウスの強調は「現状把握」であり、交渉の場から一旦退き、対策を練った後、再び7ハウスの場へと出て行く、そんなストーリーがうかがえる。
 
 また、トランプ関税に振り回されていた裏で、予算をめぐり、各党が参院選に向けた激しい攻防を繰り広げている。夏の参院選に向けて、自分たちの経済政策に対する姿勢を見せる機会として重要になることは間違いない。

 春分図では、2ハウスの支配星は逆行の金星。そして2ハウスはインターセプトになっていることから、新しい策を打ち出したとしても、前向きに進んでいくことはない、そんな読みになるだろうか。

 本国会での補正予算は見送られたので、目に見える改革案は出ないと言われていた。しかし、ここにきていきなり、トランプ関税や物価高への対策として自民党から国民給付金の検討案が飛び出し、野党や世論の批判を受け、早々に撃沈している。その一方、大きな経済政策として、各党から減税案の声が大きくなってきている。

 財源はどうするのか、将来に負担を先送りすることになるのではないか。「ポピュリズムな政策だ」「選挙病だ」という言葉も聞こえてくるが、今後、選挙に勝つためだけの聞こえのいい策が飛び交うことが増えるのは間違いない。

 経済政策を示唆する木星は6月10日に蟹座入りする、そこから一ヶ月間で各党は参院選に向けた動きを活発にすることになるのだろう。

 ということで、おさらいはこのくらいにして、この後の予測は星宙百景・牡牛座期に任せたいと思う。

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さまざまな話題を心理占星術的視点で取り上げながら、象徴の考え方やリーディング力の向上と心理カウンセリングへの理解を深めています。

今月は、二部構成。

前半は、今回の記事でもご紹介した春分からの流れを振り返りながら、牡牛座のトランジットチャートから、今どんな未来が読めるのか。双子座木星、牡羊座土星 エッセンシャルディグニティはトランジット天体にどう影響するか、「魚座から牡羊座へ」の意味についてを考えていきます。

後半は、現場検証。参加者からの持ち込みチャートを分析します。
「集客がうまくいかない。どうしたらいいか」
最近、多くの人から寄せられるお悩みですが、回答が難しい質問でもあります。こうした問いに対し、どのようなセッションをつくっていけるのでしょうか。

チャートを持ち込んでくれたTさんは、「イマイチ解決できた感がなくて、モヤモヤが残ったままなので、みなさんの知識をお借りしてスッキリしたい」という希望を伝えてくれました。参加者全員でお応えしてみましょう。

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