
心理占星術家nicoによる「星宙百景」。毎月、太陽がサイン移動した瞬間のホロスコープ(イングレスチャート)を分析し、わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を読み解きます。
おさらい編では、先の未来を読み解いた星宙百景の記事をセルフレビュー。
先月お伝えしたチャート読みの内容と、実際に起こった出来事を nico の視点で振り返るショート・レポートです。
おさらい編なので、まずは「星空百景2025射手座期」の風景を補助線にして書き始めてみたい。射手座期はこんなふうに始まった。
「イングレス直前に起こったことが、その一ヶ月の流れに影響を与える」という持論を踏まえると、11月22日の数日前の様々な動きからヒントを得られるかもしれない。まず、挙げられるのは、総合経済対策等について行われた高市首相の会見。
蠍座期からの既視感と逆戻り感、「弱い金星」「ASC冥王星」または「グランドトラインからの脱出」 ~星宙百景 2025 射手座
(略)
あれよあれよと進む円安には、どう考えても不安しかない。高市内閣が繰り出している補正予算案の結果、国債が売りたたかれ、円が売られている。対ユーロで考えると、182円にも迫る勢いということで、なかなか厳しい先行きだ。かつて、高市首相は「金利を上げるのはアホやと思う」と言っていたが、円安を止めるためには金利の正常化が不可欠なのではないか。
そして、減税はどこ吹く風、防衛費増税とか、シレっと国会議員の歳費5万円増に、一回きりの子育て給付金2万円、さらにはおこめ券やプレミアム商品券とか、一体何がどうなっているのか。
11月27日には政策委員会審議委員の野口氏が、また12月1日には植田日銀総裁の発言が予定されている。この辺で、方向性が定まって来るか。
ここに書いたとおり、射手座期は補正予算案を含む、経済政策が主たるテーマになるだろうというのは予想通りだった。
11月25日(火)の月イチ勉強会では、12月18日・19日の日銀の金融政策決定会合で新しい動きが見えてくるとお伝えしたが、19日(金)で植田日銀総裁は、30年ぶりの政策金利の引き上げ0.75%を発表し、またその前日には、高市首相と玉木代表が会談し、年収の壁(基礎控除と給与所得控除の合計)を現行の160万円からさらに引き上げ、178万円にすることに合意したというニュースが速報で流れた。
さらに16日には、2025年度補正予算が成立。その額、18兆3,034億円。ガソリン暫定税率廃止なども決定した。
つまり、射手座期は経済で始まり、経済で終わった月になった。
これを射手座期のイングレスチャートで振り返った場合、軸上にある不動サインの金星、冥王星、そして不動サインが担当する2ハウス、11ハウスの強調から、経済的なテーマをより強調して読めたのかもしれない。もしかしたら、予算編成、経済政策というのを、やはり不動サインの水瓶座の場所である11ハウスの象徴として読むことはできたのだろうか。そこに月火星と土星の90度が形成されていることを鑑みると、もしかしたら「財源のない予算編成」に対する不安と読むことはできないだろうか。

とにかく、カルミネート天体の蠍座金星はデトリメント(-5点)で、わたしが春分からずっと口にしてきた弱すぎる金星なのだ。現実的に考えても、円は相当弱い。
日銀が独自判断で利上げや金融引き締めを行うことに対して、政治的な牽制が働いていることはよく知られた話だが、10月の金融政策決定会合で記者からの「日銀の独立性と政治との距離感」についての質問に対し、植田総裁は、日銀の独立は法によって担保されていること、そして「金融政策は長期的な視野が必要であり、一方、選挙等で短期的視野の決定がなされるのは必ずしもよい結果を生まない」といった発言をしていたが、今回、金利上昇のニュースが流れた直後、円安が2円進んだことを考えるにあたり、どこか忖度しているような気弱な植田総裁の会見から、金融市場は明るい未来を予見できなかったのではないかとも考えられる。
これは、まさにASCの冥王星、水エレメントのグランドトラインの象徴的な現象ではないだろうか。
射手座期のもう一つのテーマとして、このようなことも書いた。
長くイングレスチャートを読んできたけれど、「あれ?これって同じチャートかな?」というような既視感というか、もしかしたらある意味、ルームランナーの上を走っているような不毛さをもたらす時期になるかもしれないぞと、射手座期のイングレスチャートからのファーストインプレッションをそのように受け取っている。
蠍座期からの既視感と逆戻り感、「弱い金星」「ASC冥王星」または「グランドトラインからの脱出」 ~星宙百景 2025 射手座
いや、さらに悪くなっていくのかもしれない。なんだろう、このモヤモヤする感じは。いや、待てよ、こういうのを「チャンス」と人は言うのかもしれないぞ。と、冒頭からもにゃもにゃしてしまうのは、だから、まさしく今期のチャートが与える印象ゆえだ。
さらに悪くなっていくのかもしれないという印象の理由の一つは、蠍座期のASCは水瓶座だったのが、一つ前のサインの山羊座に戻っていることにある。

台湾有事を巡る高市早苗首相の国会答弁に端を発した日中関係は悪化の一途をたどっている。12月6日、自衛隊機が中国戦闘機から2回にわたってレーダー照射を受けた。それから半月が経ち、中国からの経済制裁等もエスカレートし、不穏な状況の長期化も想定されている。
維新、自民の両議員の政治とカネの問題も再燃し、議員定数削減案も見送りになった。なかなか進まない円安に対する措置、政府推奨のおこめ券はほとんどの自治体で配布見送りも広がる中、消費者物価指数は3.0%上昇、食料は7%も上がり、庶民の暮らしはなお苦しくなっている。
そういった解消されない息苦しさが、ASCの後退、弱すぎる金星、水エレメントのグランドトラインに象徴されていたのではないだろうか。
こういったことを心理的に解釈するとどうなるのか。
明日、12月23日(火)の月イチ勉強会では、ここからまず話をしていきたいと思っている。次は、いよいよ冬至図読みだ。
明日12/23(火)開催! どなたでもご参加できます

心理占星術 月イチ勉強会は、毎月第4火曜日開催!
さまざまな話題を心理占星術的視点で取り上げながら、象徴の考え方やリーディング力の向上と心理カウンセリングへの理解を深める会です。
━━━━━━·.༶❍༶.·━━━━━━
今月も二部構成でお届けします。
🎉 年末スペシャル~ 🎉
①2025年のテーマ、「弱すぎる金星」をどう着地させるか
②ホラリー道場「義理の母がツラい…」にどう答える?質問とチャートの距離とは
③アスペクトの新解釈、家族の事例
冬至は、春分からの流れがひとつの結、着地を迎えるときですが、2025年は、なんといってもトランプ政権の誕生から生まれた世界の混乱がありました。
こうした中、日本が/わたしたち個人が対峙させられてきた「弱すぎる金星」=自分の価値が失われたような感覚を、この先どうしていくのか。
ここから春分までの間には、海王星と土星が本格的に牡羊座入り、逆行中の蟹座木星が順行を迎えて一気に進んでいくという、天体のビックイベントも目白押しです。
冬至からの流れを知っているのと、知らないとでは、これからの行き先に大きな差が出てきます! 皆さんからのご質問/聞いてみたいことなどがあれば、ぜひお寄せください。
後半は、ホラリー道場とアスペクト。
先月取り上げた「母と娘の関係性ーーわたしは毒親だったのでしょうか」には、静かな反響がありました。
🌟今回、母と娘の関係性をお互いの三重円で見たときの世界があまりにも違っていてとても面白かったです! この娘の時期を見れば、自分を毒親だと責めて蠍の世界に留まらず母の意識も変わっていきそうだし、とても勉強になりました!(M.Rさん)
🌟(後日の復習回で)再考させていただける時間を設けていただいたき、学びがとても深まりました。重なお時間のプレゼント、ありがとうございます。(A.Oさん)
まさに、この心象風景の違いを知り、相手への理解が生まれるのが、心理占星術の真髄であり、ホラリーの極意! そこで今月もホラリー道場と題して、家族間のお悩みを取り上げます。
今回は、「勝手に旅行を計画された!義理の母がつらい…」
この発言の背景に潜む心象風景をチャートでどう理解できるのか、質問とチャートの距離感を見極め、適切に言語化する練習をしていきましょう。
さらに「家族のアスペクト」をあわせて見てみましょう。心理占星術的アスペクトの新しい解釈をお伝えします!
今年最後の心理占星術、月イチ勉強会。
どなたでもご参加できます、ぜひお気軽にお越しください。

