お知らせ:これまで毎月の「赤ペン12サイン占い」に掲載していた全体の流れは、今月より「nico の星宙予報」として連載いたします。
ご存知の通り、12月20日に土星は山羊座にイングレスした。2014年12月24日に一時的に射手座に入り、その後、本格的に射手座を運行し始めたのが2015年の9月17日。これから、2020年12月17日まで、次の水瓶座でグレートコンジャンクションを迎えるまでの3年間、土星は山羊座を運行する。
占星術業界がこのイングレスに大騒ぎしている理由は、もちろん土星が自分のホームに戻った、土星回帰を果たしたことに他ならないわけだが、前回の射手座期の星宙予報にも書いた、天秤座土星から始まったカーディナルクライマックスの流れが終わりを迎えたこと、また新しいドラマが始まること、そこが重要であることは間違いない。
けれど、だからと言って、時は流れの一部である。
物事はあるべき場所に向かって流れ、収まるところに収まるということであれば、山羊座土星時代はそれを目の当たりにすることになると言えるかもしれない。
なるべくしてそうなっていく。
そういう時代へと移るわけだ。
その覚悟は、天秤座土星からの流れを丁寧に追いかければ自ずとできているはずなのだ。望むと望まざるとにかかわらず、リーマンショック以降、水面下で処理できなくなった問題が国際的に表舞台に引っ張り出され、すったもんだしながらしぶしぶ解決への努力を強いられることになった。このままどうにかなるだろうと幻想を抱いている国、企業、団体、個人に対しては鼻っ柱を折るという強硬に出て、目を覚ますよう呼びかけられ続けてきた。
こうしてみてみると、わざわざ問題点を突き付けてくれるわけなのだから、土星ってなんて親切な天体だろうと思う。
大事に至る前に軌道修正できていれば、大きなダメージには至らない。
しかし、変化に対し抵抗したものは、損失や不信、停滞、失望といったダメージを受けることになったかもしれないが、それでも人間は愚かなので問題を見てみぬふりをすることもあるわけで、そうすると天罰のようなものがどこかから下ることになる。占星術的には、これがトランスサタニアンの働きであると考えている。
今回、射手座の土星の通過により、物事は理想通りには働かないことがわかったわけで、だから、ここで自分なりの内省があり、軌道修正が進んでいれば、山羊座土星は、収まるところに収まるという働きをもたらすだろうが、もしそうでないとしたら、山羊座土星は、これまでの土星以上に親切、馬鹿正直にまざまざと問題点を突き付けてくることになるだろう。
重要なことは、射手座土星の時期に感じた理想と現実のギャップをこれ以上広げないことにある。
実力の限界、身の程を知り、それ以上でもそれ以下でもない自分自身そのもので勝負できる範囲を知ること。
「できるだろう」といった希望的観測ではなく、「確実にできる」という範囲をきちんと見積もること。
甘い見積もりは、今後、不誠実として社会の中で認知されることになる。
つまりは「己を知ること」、それが大事なわけだ。
これが12サイン最後の活動サイン、最後の地エレメント、牡羊座から始まった成長物語が迎える頂点、MCの最終目標となる。
山羊座は、物事の最適な在り方を目指す。
自分からかけ離れないよう、現実感覚と五感を総動員して、一番よい状態を探る。
ちょうどいいサイズがわかれば、物事はスムーズである。
国でも企業でも、そして個人でも、ちょうどいい法、ちょうどいい仕組み、ちょうどいい枠組み、そういったものが次々と形となっていく。
その過程をこの3年間で体験できれば、土星力が最大となる水瓶座で社会が完成を迎えることになるだろう。
もちろん、理想や希望は大切だが、木星は土星の内側に存在しているわけで、それは土星の枠組みの中で思い描けばいいことになる。できないことをシステム化することほど、無駄で愚かなことはない。
太陽が山羊座を通過するこの時期に、自分の範疇を知ることに意識を向けてみよう。
自分の感覚を研ぎ澄まし、正直になり、自分の活動に対し、生活の仕方に対し、どのような心持ちになるかを観察してみよう。
世間も社会も常識も、見せかけのプライドも昔の武勇伝も、そんなのはどうでもいい。
今(今という時間軸は活動サインのテーマ)、自分ができることの範疇を正確に定めること。
それができるまで3年かけたってかまわないので、まずはそこから。
自分自身で生きるということは、自由であるということだ。
自分の作り上げたシステムは、心地よく、安定感があり、持続可能である。
人にとやかく言われないものを作るべく、正直になるという感性を磨く。
そんな1か月を目指してみてほしい。