お知らせ:これまで毎月の「赤ペン12サイン占い」に掲載していた全体の流れを「nico の星宙予報」として掲載しています。
季節の変わり目はいつでも落ちつかない。
特に寒暖の差も気候の変化も激しい春は、気分だけでなく体調も不安定になりやすい。
占星術では太陽が柔軟サイン(学びと成長、そして調整のサインと言われる双子座・乙女座・射手座・魚座)を通過する季節は新しい季節を迎えるための準備期間と言われていて、環境の変化に順応すべく自分自身を調整しなければならないため、エネルギーを消耗しやすく、疲れやすくなる時でもある。
だから、とても眠いし、身体もなんとなくだるい。朝起きても、ぼんやりと夢の中にいるような気持ちになることもあっただろう。
天空では、2月以降、太陽(魚座)と火星(射手座)が柔軟サインを運行し、そしてその二つのサインの支配星である木星が3月10日から逆行を開始した。
太陽と火星、そして木星。
これらの天体は火エレメントと関連があり、未来の目的に向かって、物事を前向きに推進していくエネルギーを持っている。
木星が逆行して見える時期であるということは、つまり物事を未来へと進めていくのに不安を感じたり、信頼の揺らぎや見通しの甘さによって物事が停滞しているように感じたりしやすいということになる。
だから、何となく腰が引けてしまうというか、何もそんなときに無理して動く必要なんてないような気になってくる。
こんなときは心をしまっておけばいい。
静かに呼吸をしていればいい。
それなのに魚座から牡羊座への移行は、なんと強引に始まるように感じるのだろう。
急に暖かくなり、急に世界が明るくなる。
まだ心の準備もできてないのに、周囲は春だ!新しい季節だ!と大騒ぎして、なんだか一人置いていかれているような気がする。
でも、何のためにこの心地よい水の世界から出る必要があるの?
このままここにいればいいじゃないか。
魚座から牡羊座の移行は、いつもこんな葛藤から始まる。
飛び出したい気持ちと眠りから目覚めたくない気持ちの葛藤。
今年は、木星の逆行もあり、そして3/23からは水星の逆行も始まり、まるで後ろ髪惹かれるように次の季節に移ることを拒みたくなる天体配置になっている。
こんなので、気持ちを前に向けられるのだろうか。
でも、人は目覚めの時をいつも待っている。
きっかけがほしいのだ。
どんなことでもいい、ネガティブなことでもいい。
動きを起こすきっかけを、目覚めのタイミングを待っている。
誰だって人は、動きを作るためには意図や目的が必要だからだ。
人智学の提唱者ルドルフ・シュタイナーが残した詩にこんなのがある。
万物の根源は熱であり、火なのです。
宇宙の始まりは、死んだ原星雲なのではなく、生きた熱だったのです。
人間の魂は、熱の中で生きることが出来ます。
熱もしくは火は、魂に感じる力を与えます。
さて、皆さんの2018年の春の目覚めの意図、目的は何だろう。
魂に熱を感じるものとは何なのか。
正解でなくても何かしらの答えを、または何かしらの小さな熱を手にしていなければ、人はいつまでたっても目覚めることができず、結局、なんとなくぼんやりと日々をやり過ごしながら、また同じような一年を過ごすことになるのかもしれない。
では、どのように魂に火をつけたらいいのだろう。
今回の春分は、ちょうど火星が山羊座にイングレスしたタイミングと重なる。
そして2018年の春分図のASCは山羊座であり、1ハウスには品位の高い火星と土星が存在する。
この1ハウス的なテーマこそ、2018年の流れを動かす熱となり、個人を動かすモチベーションとなる。
立場が人を動かす。
この春はこんなことをイメージしてみるのはどうだろう。
どんな立場でもいい。
自分を明確に示す立場を一つしっかりと確立し、それを揺るぎないものとしていく。
もし立場を作れるような機会があるなら、それを自ら手に入れること。
今の自分を形作るものとして、堂々と手を上げて。
そのようにして、水から上がり、自己存在の輪郭をはっきりさせることで熱が生まれ、呼吸が生まれる。
今こそ、立場を明確にした今こそ、社会の枠組みから自由になることができる。
春分図のMCは天秤座、その支配星はマイナス5点のデトリメント牡羊座金星である。
自身の力を認識し、しっかりと足場固めができれば、もっと物申す自由な力を手にすることができるはずなのだ。
また、こんな見方もできる。
MCは与党、ICは野党とみれば、ICに比べてMCの立場はかなり弱い。
9月の総選挙を目指すなら、今は外に結果を求めず、足元をしっかり固めるべきときだということになる。
相手がどんなにもろくても、足場がもろければ戦いに勝つことはできない。
皆さんは、いつ目覚め、どのような立場を取り、自らの中に熱をつくり出すのだろうか。
そしてまた、どのようにして生活の基盤を整え、安定した環境づくりをしていくことになるのだろうか。
皆さんに素敵な目覚めが訪れますように。