6月12日に開かれた米朝首脳会談。両国のリーダーが直接顔を合わせたのは史上初だったという。歴史がひとつ動いた瞬間だった。
けれど、日本の立場はどうなったのだろう。いまだ未解決な問題が山積みである。時代は変わりつつあるが、まだ準備が整っていないのかもしれない。日本の在り方を作っていくには、まだまだ時間がかかるのだろう。4つの季節図を見ながらそんなことを思っていた。
春分から冬至までの季節の移り変わりを見ると、この1年は外交に活発な動きが起こりつつも、期待通りの成果を得ることができないこと、「日本の存在価値」が問われる年であることがわかる。他国との摩擦の中で、どのように「日本の存在価値」をアピールしていくのか。そこをじっくり考えていく、そんな年になっていくのかもしれない。
それは、春分図の5ハウスと、そしてMCを支配している牡羊座の金星(-5点 デトリメント)の状態と、そして7ハウスの支配星の牡牛座の月(+4 イグザルテーション)から見て取れるだろう。
これを個人のテーマに落とし込んでいくと、私たちの3か月はどのようなものだったのだろうか。活発な交流の中で、自分のイメージした世界を手探りで表現してきた。対人関係=7ハウスに向けた努力が、世界を広げるきっかけにはなったかもしれない。しかし、だからと言って、「これが私の求めていたものだ」と言い切れる自信はない。手が届きそうで届かない未来を前に、今後の動きを模索しているところなのではないだろうか。
では、夏至図からみた今後3か月の動きはどうなるのだろうか。
太陽が7ハウスの入り口にあり、7ハウスの支配星である天秤座の月は高い位置でカルミネートしており、ここでもやはり7ハウスの強調を見ることができるだろう。
つまり引き続き、外交、パートナーシップが重要なテーマになるとともに、さらなる議論の余地があると考えることができる。水星―木星―海王星のグランドトラインは、まさに国のアイデンティティと考え、そして、国の在るべき未来の姿を強固にして外交に臨む必要があるということを教えてくれている。
また、2ハウスー8ハウス上でできた火星(ICルーラー)、金星(MCルーラー)の強いアスペクトからも、お互いの価値を交流させ、築き合うといった共存のテーマや、または奪い合い、足を引っ張り合うといった力争いや腹の探り合いのテーマが強調されることが予想できるだろう。そういった関係性の中で火星の強化――自立の力と、金星磨き――日本の存在価値の実感――とが進んでいくことになる。
それを個人のテーマに落とし込んだ場合、活発な交流、価値を相互利用し合う環境づくり、コラボレーションや価値の提供、人によって成長し人によって豊かになることが重要なテーマになると考えられるだろう。
人との関係の中で切磋琢磨することにより、環境を生きる力と自己主張の力(火星)、そして、「この自分でOK」という自己肯定感(獅子座・金星)のテーマが育っていくことになる。
心理学者・河合隼雄氏の言葉を借りれば、「自立というのは、依存を排除することではなく、必要な依存を受けいれ、自分がどれほど依存しているかを自覚し、感謝していることでないだろうか。依存を排して自立を急ぐ人は、自立ではなく孤独になってしまう」ということになるだろう。
いいパートナーシップを生み出し、よい依存関係の中で相手を理解すること。
それにより、自分自身に自立心が生まれていくこと。
この3か月は、まず他者との友好な関係を築こう、そして、その中で自分をしっかり立たせてみよう。
そんなことを意識できれば、この3か月は少し成長を期待できるかもしれない。
そして、「依存と自立」のテーマを踏まえ、今月は、7月11日から順行に戻る蠍座・木星を意識して過ごしてみよう。
蠍座とは、他力、他者との共存、価値の共有を象徴するサインであり、また木星とは成長、恩恵のための挑戦ということから、「自立のための協力関係」を築くのにぴったりの時期と考えらえるだろう。
蠍座の木星は、ここから一気に射手座へと向かっていくことになる。
夏至図の水星―木星―海王星のグランドトラインが後押しし、木星が順行に戻る前に、今一度、自分なりの未来のビジョンを描き直すことが発展の糸口になる。
私の魂を喜ばす未来はどのような未来なのか。
どんなビジョンが私をわくわくさせ、冒険に向かわせ、夢を与えてくるのか。
脳にたっぷり栄養を与えることで、夏至の光の季節を成長のイメージとともに生きることができるだろう。