nicoの星宙予報2018 山羊座

 冬至図を読む際、2つの考え方を用いることができる。

 一つ目は、冬至図とは、春分から始まった4つの季節の最後にあたる図であるということ。春から夏、秋へ続いたテーマが最終的にどのように着地を迎えるのかを読むことができるという考え方。

 二つ目は、冬至とは陰が極まり陽となる転換点、この日を境に太陽の力がどんどん増していくということから、冬至図は次の春分へ向かうために、どのような未来のビジョンを描く必要があるのかを読むことができるという考え方だ。

 

 

 そうなると私たちは、2018年の春分図、夏至図と繰り返されている山羊座のASC、天秤座MCを最終的な着地点とすることが容易に考えられる。

 

 「個人」を主語にした場合は、個人がどのような「私」として存在したいのか、どのような「顔」を社会に見せていきたいのか、それを誇示するためには(山羊座ASC)、最終的に「私」という個人が対人との関係の中で、何を魅力として表現できる人なのか、それを示せる切り札が必要となる(天秤座MC)と読むことができる。

 これを「国」を主語にして言い換えると、つまり、日本という国がどのような国として存在したいのか、どのような顔を世界に見せていきたいのかを主張するためには(山羊座ASC)、最終的に日本という国が外交で勝つための切り札を持つ必要がある(天秤座MC)と読むことができるだろう。

 
 しかし、この1年、春分図から始まった2018年のサイクルは、ASC山羊座の支配星である土星の品位の持つ力(ルーラー+5点)に比べて、MC天秤座の支配星である金星の天体の品位がずっと低かった(デトリメント-5点)であることが思い出される。
 もちろん、冬至のチャートも同様だ。

 ということは、どんなに頑張って「側」「型」(土星)を作ろうとしても、どうしても「中身」「価値」(金星)が伴っていないような気がしてしまうということ。

 その印象のせいで、対アジア外交、対アメリカ、対ロシア外交、どの国を相手にしても、決定的な切り札がないままに、日本の存在を世界に知らしめることがうまくできないであろうということが考えられる1年であった。
 そして、それはこの冬至図でさらにその印象を強めることになる。
 韓国軍からレーダー照射を受けようが、日本は外交のためのカードがないばかりに、結局成す術がないままだ。

 これは個人にも言える。
 立派な志があったとしても、自分を魅力的に見せるためのカードがなければ、またはそのカードに自信がなければ、最終的に「自分が何者なのか」「どう存在しようとしているのか」を伝えることができないということになる。

 

 けれど、私たちは冬至の起点に転じていかなければならない。冬の時代から、暖かな春の日を目指すためのビジョンを持たなければならない。
 そのためにはどうしたらいいのだろうか。

 

 今回の冬至図で強調されているテーマのもう一つは柔軟サインである。

 双子座の月、射手座の木星、水星、魚座の火星、海王星が強めのアスペクトを形成している。
 ここから考えられるのは、柔軟サインのもう一つのサイン、地エレメント乙女座の欠如。想い(水)や理想(火)に引っ張られてしまい、結局、それを支えるだけの現実的な計画性や生産性に欠けるということだ。

 目の前に起こる突発的な出来事に振り回され、自分たちのペース、自分たちのやり方、価値観がうまく機能していないということ。

 また、こうも考えられる。
 最後の地エレメント山羊座を目指したかったら、そのひとつ前の地エレメントである乙女座の強化が不可欠である。つまり、感情論や理想論を手放し、生産性と戦略を見直し、国の土台を強化することだ。

 もちろん、それは個人にも言える。
 何もできていないという前に、どんな技術を持ち、何ができるのかを示していく。

 つまり、春分までの3か月は計画性を持ち、生産性を上げていく。
 これを意識することで、新しい季節に大きな一歩を踏み出すことができるようになるだろう。

 

 ちなみに、品位の低い金星は5ハウスの支配星でもある。
5ハウスは、マンデン占星術では株、為替の変動を読むことができると言われているが、今回、アメリカ、中国ともども、非常に株価が不安定になっている。同時株安なども考えられるかもしれない。

 個人でいえば、「私」の未来の内在価値を示す。

 つまり、まだまだ未来は未知数であり、賭けるには不安材料が残るということになる。けれど、価値を上げるのも下げるのも自分である。
 乗るか反るか。自分に賭けるだけの自信を持つことができるかどうか。

 春に向けて、未来のための投資価値を考えてみる必要もあるかもしれない。