柔軟サインである双子座の季節がやってきた。柔軟サインとは、新しい季節に順応するための調整の時期。気温や気圧の変化も激しく、心身ともに疲弊しやすいときである。自分の弱点や解決すべきテーマが浮き彫りになりやすいタイミングでもあるので、自己を観察しながらメンテナンスに勤しむのもいい時期だ。
日本維新の会の丸山議員の「北方領土を戦争で取り返す」発言から1週間。影響の拡大を避けるために党は丸山議員の除名処分を決めたというが、それを受けて丸山議員は「言論の自由」やら「言論の府が自らの首を絞める辞職勧告決議案」と反論した。
まさに双子座期にふさわしいザワザワである。
うっかりであっても意図的であっても、誰かが風を起こす。その風を受けて、関係者はもちろん、世論からも様々な意見や反応を引き出される。うまくいけば、ここから正当な議論が起こり、うやむやにされていた北方領土問題についても話し合う機会がもたらされることになる…という理想的な風エレメント的シナリオは、残念ながら日本の現場ではほとんど見たことがない。
大抵、今回の件のように、辞める、辞めないと責任問題を追及する話で大騒ぎになり、ずるずると不毛なやり取りが続いていく。マスコミも面白おかしく騒ぎ立て、問題の本質を問う前にみんなが飽き飽きしてしまう。
本当はもっと大事な議論があるのでないか? 議員を辞めさせるという後ろ向きの解決ではなく、「戦争をするかしないか」よりも「領土を取り戻すか放棄するか」といった議論、または「戦争以外の手段もある」という仮説を打ち出す議論、そういったもっと建設的で未来向きの議論を、私たちはさらにしていくべきだったのではないだろうか。
これが太陽・双子座期にやるべきテーマである。
責任回避、根回し、忖度といった体質から離れ、これからの日本の未来のために必要な議論をもっと積極的に行っていくべきなのだ。
しかし、これが本当に難しい。日本では、議論は攻撃と受け取られることが多いし、実際、個人同士が真剣にぶつかり合えば、強い衝撃を与えあうことはもちろんあるだろう。感情論にならないように言葉を交わすには、それなりに訓練や技術も必要となるかもしれない。
それは個人でも同じである。私たちは日常の中で言うべきこと、話し合うべきことをどれだけ議論できているだろうか。傷つくことを恐れ、関係が不安定になることを恐れ、または暗黙の了解の中で、言葉を飲み込むことはどれくらいあるだろう。日々、考えを表明できず、負の意思や感情をどれだけ自分の中に抱え込んでいるだろうか。
これらはもちろん、双子座=水星のテーマになるが、こういったやり取り=呼吸がうまくできなければ、人は心身ともに縮こまってしまうものだ。自信を失い、声を失い、そして自分自身を失っていく。
双子座期は、その意見が正しいか間違っているかの責任を問うのではなく、まず勇気を出して、自分の意見を伝えてみることから始めてみたい。
それにはもちろん大前提がある。
それは基本的に未来向きの意見、提案、アイデアへと結びつくものであるということだ。誰かをやっつけたり、愚痴を言ったりすることが目的ではなく、議論とは建設的な未来へと向かう努力であるべきものなのだ。
それが、双子座・水星―射手座・木星の補完関係のテーマとなっている。
ということで、今回も太陽のイングレスチャートを見てみよう。
双子座期のメインイベントは、もちろん今月27日に開催される日米首脳会談であろう。またトランプ大統領は天皇陛下との初会見、拉致被害者家族との面談等が予定されている。
そういったことを踏まえて、以下のチャートを見てみると、外交のテーマがとても華やかに表示されているのがわかる。
7ハウスのルーラーは牡牛座・金星と品位が非常に高くなっており、2ハウスの状態もとても安定している。今回は天皇陛下との会見ということもあり、日本の切り札をうまく使い、理想通りのおもてなしをし、安定した外交を進められるということだろう。表面的には成功といったムードは見えるがどうだろうか。
ASCルーラー蟹座火星(古典的アプローチ)を見てみると品位が不安定であることから、相手のペースで物事が動いていくことは避けられないという感じでもある。大きな成果を得られないまま会談が終わっていくということにならないよう、強い立場の主張と正当な議論がもたらされることに期待したい。
1~3月期のGDPは年率では2.1%増というが、内実は外需の伸びが高く、内需には陰りがあった。今回のチャートは、株価ともにやや景気ムードは高まりを見せるので、一息つけるという感じだろうか。消費税増税はほぼ決定ということなので、駆け込み消費なども期待できるかもしれない。
ということで今期の双子座期は、議論の力を鍛える練習をしていくとともに、前回に引き続き、牡牛座・金星・2ハウスのテーマを意識して、より人に積極的に働きかけていくことを目標としてみてほしい。
首脳会談的駆け引きではないが、自分の良さをうまくプレゼンテーションして自分の見せ場を作る練習、または自分の強みを生かしたおもてなしで、少しでも関係づくりにおいて優位に立つ努力などをしてみてもいいかもしれない。
こういったテーマは、すべて生き残りのための努力である。
出し惜しみせず自分の魅力をふるまってみることは、自己の魅力の再発見にもつながることだろう。