繰り返し書いていることになるのですが、太陽が柔軟サインを運行する時期は、季節の変わり目のための準備の時。環境を整え、新しい季節へと向かっていく時期です。
とりわけ双子座の時期は、梅雨入り、高温多湿と気候の変化も激しく心身が消耗しやすくなります。緊急事態宣言が解除されたとなれば、外出の機会、社交の機会も増えることから、神経を使う機会も増えてくるでしょう。
また、日が長くなるということは、今まで隠れていた、隠していたものにも日が当たるようになるということ。様々なほころびが目に入ってくるようになり、居ても立っても居られなくなるのです。持病が悪化したり、自分の弱点が気になったり、自分のネガティブな要素に神経質に反応してしまうこともあるでしょう。
生物にとって、夏はただ生きるだけでも過酷な季節。その季節を前に、自分のコンディションを整えることは毎年繰り返される課題なのです。
さらに今年は、それに加えて、余計な神経を使わなくてはならないことが目白押し。
今の時点ではウイルスに対する不安がなくなったわけではないですし、経済もここから立て直していかなければなりません。ワクチンや治療薬の開発も急ピッチで進んでいるようですが「いつ」の目途は立っていません。支援も必要な人々にはなかなか行き届かず、教育の格差も叫ばれ続けています。
しかし、これらの事象こそ、つまり少しも前に進んでいないような、もどかしさこそが、今期の太陽双子座期らしさを示しているのです。
双子座期イングレスチャートを見てください。
未来の可能性(木星)、そして今、抱えている課題(土星)を示す天体がそれぞれ逆行し、1ハウス=ASC上に配置されています。また、双子座のそもそものテーマ——(前述した)太陽の光の強さのせいで、問題を隠し切れなくなるというテーマ、そして、これから迎える季節に対処すべく、新しいアイデアや考えを生み出し、状況をより良く改善していくというテーマから、まずは、自分の中で強く光が当たっている問題点に、迅速にエネルギーを集中させていく時期になると考えられるでしょう。
北半球の強調、また1ハウス=ASC、そして太陽が入室している4ハウスの強調から、まず環境づくり、社会インフラを再整備させる必要性を読むことができます。特に3ハウス、5ハウスの強調からも、またコロナ禍において日本の教育分野におけるデジタル化の遅れを露呈したと言われていることからも、学校教育の環境づくり、さらなるオンライン化に着手させる必要があると分析できるかもしれません。また、ウイルスのデータ解析、研究なども果敢に挑まれていくことでしょう。
けれど、これらはすべて金星、木星、土星の逆行下で起こっていきます。つまり、私たちの思惑通りに進んでいくことはなかなかないだろうということです。
双子座期のイングレスチャートには、生活保障のための抜本的な取り組みが進むような、また経済的回復に向けた動きが進むような表示はありません。経済の回復は、木星、土星が順行になる秋以降(遅ければ10月以降)になると考え、腰を据えて「新しい生活様式」づくりに向けて動きを進めておくとよさそうです。
とにかく、双子座期は「蓋をしていた見たくないもの」「すでにそこにあった問題」に十分に向き合い、できる限りの解決に努めること。このほころびが解決できたかどうかは、次の蟹座期、夏至以降の流れに大きな意味を与えることになるのです。
これらの問題に取り組む段階で、国/企業/個人は双子座的知性を新たに利用することになるでしょう。大きな問題は後回し。まずは手前の問題から着手してください。人との活発な情報交換の中でひらめいたアイデア、試行錯誤の中から生まれた創意工夫、そういったものをぐずぐずせず、直ちに採用し、活発な動きをつくること。結果は後からついてくるし、責任はいつでもリカバリーできるのです。
遅い、何もしない、何も生まない、これは陽サイン・双子座にとっての大きなストレスになります。まずは動きをつくりながら考える、この姿勢で進んでいくことを意識して過ごしてみてください。
双子座期は、細かなことが気になり、神経質になりがちな時期です。あれができていない、これができていないと、あちこちが気になり、結局、何も進まず時だけが過ぎていくということもあります。
大事なのは、「アイデアを具体的に活かす」。双子座の大阪の吉村知事の「医療従事者にクオカードを配布する」というように、アイデアが生まれたら、ためらわず行動化するという動きを自分の中でも採用してみましょう。
双子座期は夏至前の重要な時期です。逆行している天体が多い時期ですが、陽サインとして、新しい動き、前向きな動き、試していく動き、この3つを意識して過ごしてみると、少しずつでも前進している実感を手にすることができるはずです。