星宙百景 おさらい編 ~2023 水瓶座・わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を考える

心理占星術家nicoによる「時期読み百景」。毎月、太陽がサイン移動した瞬間のホロスコープ(イングレスチャート)を分析し、わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を読み解きます。

おさらい編では、先の未来を読み解いた星宙百景の記事をセルフレビュー。

上記の記事でお伝えしたチャート読みの内容と、実際に起こった出来事を nico の視点で振り返るショート・レポートです。

2月16日、各紙の朝刊一面には、「日本GDP4位に転落」という文字が並んだ。GDPがドイツに抜かれることは半年ほど前から予測されていたことだが、15日に内閣府が正式に発表したことを受けてのこの見出しとなった。


水瓶座/水瓶座期には、「正当な評価」という意味がある。外から見られたとき、個人/企業/国はどのような価値を持っていると認識されているのか。その評価は、数字やデータといった客観的事実によって、または正式に手にした結果によって決定づけられる。

その判断基準は物事によってまちまちだが、社会や組織、また他者から「どう評価されるのか」を知ることは、「己を顧みる」という意味で重要である。己を客観的に知る機会――太陽のサイクルで考えれば1年に一回、火星なら2年に一回ごとに巡ってくる水瓶座の季節に、根拠のない思い込みや憶測を手放し、正当に自分と向き合うことは悪いことではないだろう。

支持率などを見ても、世間の風当たりの強さをしかと受け止め、謙虚になることは、公的活動を営む上では不可欠な態度である。それが獅子座=太陽の反対側に水瓶座=土星が来ている理由でもあり、この態度こそが水瓶座期に必要な振る舞いなのかもしれないと改めて思ったところだ。

だが、しかし、アメリカに次いで「世界第二位の経済大国」の立場を再び追い求める必要があるのかと問われると複雑な気持ちだ。低賃金、物価高の影響もあり個人消費は冷え込んでおり、またインフレによるコスト増の影響もあり企業の設備投資も減少している。このように「内需」が弱まり続ける中で、どんな未来を描けというのだろうか。いや、個人消費と企業努力に頼る成長戦略は、さすがにもう厳しいだろう。

実際、ドイツの平均労働時間は日本より二割ほど短いという。この日本の労働生産性の低さをどう考えればいいのだろう。どんな話し合いやアイデアの共有ができるのだろうか。



そもそもGDPを上げたところで、世界的に広がり続ける格差を是正することにはならない。いくら日経平均が高値を更新し続けても、個人消費は3四半期連続マイナスが続いているではないか。富裕層はより裕福に、貧困層はより貧乏になっている現実があるではないか。


先月の水瓶座期の星読み百景のテキストでは、冥王星が水瓶座にイングレスしたら…という話題に少しだけ触れたが、まあ、だからつまりそういうことだ。本来、公平や平等を意味する水瓶座に、奥の方にしまわれた暗い溝を意味する蠍座・冥王星がやってくるということは、公平や平等と言っておきながら、実はこんなに奥深い不平等が横たわっているんですよ、これから長きに渡り、こういった問題から逃れられなくなりますよ、なんてことになるかもしれない。ジェンダー問題しかり、社会的弱者問題しかりだ。

この辺は、折を見て、これからさらに詳しく見ていきたい。
 
前述のテキストでは、以下のように締めくくった。

 今こそ風エレメントが必要となる。忖度、癒着、天下り、世襲、族議員、イエスマンで組織を構成するのではなく、科学的なエビデンスをもとに政策が分析、評価が行われる環境を作ること。政治家は世論を気にして後ろ向きになることなく、また官僚たちも既得権益を守ることにしがみつくのではなく、今、もっとも解決すべき問題に全力で取り組むことを努めること。政策のチェック機能を強化し、それぞれの関係者の合意形成を図り、政策過程を全面的に共有することが今の政治には不可欠である。

 国民は国民で「知る」努力を怠ってはいけない。国民が無関心であることが、もっとも政治家を無能にさせることになるからだ。

 先の台湾総統選のように、国民総出で自分たちの政治と向き合うことが何よりも望まれる。今日の政治は、明日の私たちの生活である。
 
 関心を寄せ続けること。必要があれば声をあげること。情報をオープンにすること。情報の裏付けを求めること。関係者が対等に意見を交わし合うこと。国/企業/個人は、これから風エレメント的なやるべきことが山ほどある。
 
 さて、水瓶座期にこれらのことがどのくらい進むだろうか。

冥王星がもたらす出発する勇気、風エレメントの強調が意味する新たな流れ ~星宙百景 2024 水瓶座

自民党は15日、安倍派の裏金事件に関する調査結果を公表した。が、匿名での公表ということもあり、政治の信頼を取り戻すまでには至らない結果となった。また「セクシー田中さん」原作者死亡を受けて、日本テレビが社内調査チーム設置したという報道もこの水瓶座期で起こった動きではある。自民党の予定調和な調査結果の二の舞にならないことを望む。
  
ということで、簡単に水瓶座期をおさらいしてみた。水瓶座期は、まず何かしらの評価が向こうから与えられるということ。そういったフィードバックを受け、次の動きにつなげるための自己評価、自己採点をし、自分の今を理解するといいのではないかということがわかった。

また、既に起こった問題に対し、何かしらの動きは起こる/起こそうとすることはわかったが、ただの形ばかりのパフォーマンスでは未来につながる結果を手にすることはできない。立場の違う第三者をうまく活用すること、また過去としっかり向き合う真摯な姿勢が必要であることも、今回の水瓶座期から得た一つの教訓といえるだろう。