心理占星術家nicoによる「時期読み百景」。毎月、太陽がサイン移動した瞬間のホロスコープ(イングレスチャート)を分析し、わたしたちの暮らしと天体の運行から「今」を読み解きます。
おさらい編では、先の未来を読み解いた星宙百景の記事をセルフレビュー。
上記の記事でお伝えしたチャート読みの内容と、実際に起こった出来事を nico の視点で振り返るショート・レポートです。
春は誰にとってもせわしい時期なのかもしれないが、世界の動きがひときわ騒がしくなっているような気がする。どうだろう、気のせいだろうか。
いつもの通り、この一ヶ月を振り返りながら、自分が予測したことを検証し、必要ならば加筆修正をしていきたいと思う。
牡羊座期の星宙百景は、勉強会の内容をダイジェストでお伝えしたものだが、今、振り返ってみても、概ねその通りに進んできたように思う。
ASC蟹座と魚座の強調という水エレメントが目立った配置であることから、春分の三ヶ月、または牡羊座の期間は、スロースタートになるだろう、桜の開花も遅れ、天気もすぐれず、気分もすぐれず、何となくパッとしない春の始まりとなるだろう、そんな話から勉強会は始まった。水エレメントの強調ゆえに、水回りを掃除しなければならないような、つまり過去から続く問題に対処していかなければならないような後ろ向きの解決が必要になるだろう。ただし、2024年の主旋律はASC蟹座であることから、一年を通して、こびりついた汚れをじっくり落としていく必要があることが既に予想されていた。
たとえば、旧ジャニーズの性被害問題は、いまだ被害補償の解決が4割程度にとどまっているというし、宝塚歌劇団は3/28に会見を行い、パワハラの事実があったことを正式に認めたが、事件に関与したと言われている10人のうち4名からは謝罪はなかったという。新型コロナウイルスの無料PCR検査に対する補助事業は検査件数を水増し報告するなどして、総額約211億円の不正申請が判明したということだし、岸田首相は少子化対策法案に対し、「負担はゼロ!」と自信を持って回答していたが、それはまったくの見当違いらしいし、というか、そもそも自分の足元の問題も解決できない与党って、総理大臣ってなんだよ。ってなわけで、あっちもこっちも、まだまだ未解決の問題と向き合ってもらわないといけないようだ。この辺は、勉強会の際にお伝えした通りだ。幻になりかねないリニア新幹線などもそうだろうか。できれば拉致問題なども、この1年で前進してくれるといいのだが。
付け加えるとしたら、月ー冥王星のオポジションの解釈になるだろうか。
この一ヶ月でもっとも月ー冥王星らしい出来事といえば、イスラエルによる容赦ないパレスチナへの攻撃ではないだろうか。子どもたちが、女性たちが、なすすべなく縮こまって死ぬのを待っている。あの惨状が同じ地球上でリアルタイムに起こっているなんて、なんと恐ろしいことだろう。
朝日新聞の記事でイスラエルの作家エトガル・ケレットさんは、イスラエル人の多くが「人々が自分たちの痛みしか感じられない「選択的共感」に陥っていると指摘した。「自分自身や自分がくみしようと決めた側の痛みだけを増幅し、そうではない側は無視する」ということだと。そうなのかもしれない。これこそが、月―冥王星というアスペクトの難しさかもしれない。
この一ヶ月、自分にとって都合のいい側にしか立ってこなかったことはなかったかと、つい自問してしまった。
考えてみると、この一ヶ月に起こった出来事の背景には、常に月―冥王星の力学が働いていたように思う。森元首相を公の場所に引っ張り出せず、お茶を濁し続け、一方、大統領専用車の車内でバイデン大統領と共にご満悦の表情で写真に写っている岸田首相しかり。
日米首脳会談では「同盟は前例のない高みに到達した」と強調し、防衛、技術、経済、宇宙のあらゆる面で協力強化が確認されたという。石破茂元自民党幹事長は、「日本は、防衛でも経済でも、本当に主権国家と言えるのか。日本のあり方が今後議論になる。」と言ったという。
安全保障という意味では、現時点ではアメリカによるところが大きいが、国益は常に一致するわけではない。果たして岸田首相は、自分の身の保身のためのパフォーマンスではなく、どれだけ国益の側に立ち、政治を行っているのだろうか。
勉強会でもお伝えした、岸田政権の行く末を大きく左右する衆院トリプル補欠選挙が始まった。二敗が確定した自民が、島根1区で議席を守れるかが最大の焦点である。が、維新の会の馬場代表の「立憲民主党をたたきつぶす必要がある」とか「投票しないでください」といった発言を聞いて、心からガッカリしている。これじゃあ政権交代どころか、強い野党を育てるのも夢のまた夢だ。
しかし、馬場代表のこの発言も月―冥王星の「選択的共感」ではないか。与野党の誰も、候補者同士、または政党同士しかみえていないように見える。国益はどこへ行った?
利害は一致しないかもしれない。けれど、選挙を戦う理由くらいは、国益のためであってほしい。
さて、牡牛座期はどうなることやら。