心理タロットの挑戦! 春分の勉強会で見つめた未解決のテーマと未来への種

 心理占星術と心理タロットを学ぶ中で、私たちは占星術とタロットが織りなす新しい可能性を探求しています。この月イチタロット勉強会では、タロットカードと心理占星術で得た知識を統合(!)し、それぞれの課題・悩み・欲求といった心の模様をよみといています。

 実際に一人一人が読み手となったりクライアント側に立ったりといった現場体験をすることで理解を深め、内的成長へのプロセスを楽しんでいます。

 3月は、春分という新たな始まりの季節。今回は、タロットカードを通じて参加者それぞれの心の奥深くにある「未解決の問題」 に焦点を当てることがテーマになりました。
 「ケルト十字」で未解決の問題を確認した後、「5枚引き」で前向きなアプローチを考える二段構えのリーディング! これは未解決の問題を明確にし、そこからどのように行動していくかを考えるための試みです。

 もちろん春分図も参照しています。2025年の春分図で重要だったのは、アセンダント天秤座のルーラー=金星の逆行。これは頻繁に起こるものではなく、世の中で後ろ向きな金星のテーマ
が起こる可能性を示唆していました。


 さて、参加者それぞれの「後ろ向きな金星のテーマ」とは、どんなカードで示されているのでしょうか。

CASE1

未来へ向けた行動の躊躇

Aさんの悩みは多岐にわたりました。特に「自分には何もない」という感覚があり、何かを積極的に打ち出していくことに自信を持てないでいます。
💡ケルト十字も5枚引きも、真ん中にペンタクルのカードが正位置で出ていることに注目。自分に備わった資質や能力を使って、自分自身の王国をつくりたい! そんな欲求が見てとれます。

🔍リーディングのポイント

まず、ケルト十字と5枚引きの全体をながめてみたとき、Aさんのどのような欲望が読み取れるでしょうか。そこから考えてみたいと思います。

nico’s 心理タロットにおける「ケルト十字」リーディング
〜縦軸×横軸、軸から未解決のテーマを探る


心理タロットにおけるケルト十字のリーディングでは、縦軸(意志・潜在意識・顕在意識)と横軸(過去・現在・未来)を通してその人の心象風景を探ります。そこから障害の位置に出ているカードの象徴を取り込み、最終的にどのような未解決のテーマが現れるのかを分析します。特に今回は、3つの軸で見た「未解決の問題」をただネガティブなこととするだけではなく、欲望が叶えられないことによるモヤモヤとしても読み解いています。

ケルト十字も5枚引きも、真ん中にペンタクルのカードが正位置で出ています。それと共に、コートカードが複数出ていることから、

I have=自分に備わった資質や能力を使って、自分自身の王国をつくりたい!

そのような欲求が描かれていることがわかります。

心理占星術の構造からペンタクルを考えた場合、ペンタクルは地エレメント、地エレメントの土台となるのは牡牛座・金星。これらの象徴からペンタクルは、地に足のついた、安定感のある印象をわたしたちに与えてくれます。

今回、nicoが注目したのは、ケルト十字の潜在意識の場所に出たⅩⅣ節制の逆位置のカード、5枚引きの小アルカナ・Ⅵペンタクルのカード、そして5枚引きのⅩI正義のカードの3枚のカードになります。

節制のカードが象徴するカップからカップへ水を移し替えるイメージ、小アルカナⅥペンタクルと正義のカードが象徴する天秤のバランスという象徴がなぜ重要なのか。

対話の中で、Aさんから発せられた言葉にも注目すると、

「日々の現実的な事柄とやりたいことがうまく結びついていない」
「あっちもこっちも気になって、結局何もできていない」

つまり、Aさんの中で2つのテーマが引き裂かれていて、「やるべきこと」と「やりたいこと」の間に架け橋をつくることができていない(節制のカードの逆位置)印象を持っているのだろう。それが未解決の問題となっているのではないかと考えました。

総合アドバイス

「自分には何もない」、何かを積極的に打ち出していくことに自信を持てないでいます。

時間やお金の使い方といった、自分の中に現実的で適切なバランスをつくっていくことができれば(小アルカナⅥペンタクルと正義のカードが象徴する天秤のバランス)問題は少しずつ解消し、自分の本来の目標――I have=自分に備わった資質や能力を使って、自分自身の王国をつくる――に近づいていけるのではないでしょうか。

象徴を読んでいくっていうところの難しさ。その象徴を相手に響かせる、それを私はやっていきたいのかなと思いました。
Aさん
CASE2

人生の転換期への不安

人生の転換期を迎え終活を進めていますが、本当に自分が望む道や軸を見失い、方向性をどうするかという迷いを抱えています。

💡「水」に関連する象徴が繰り返し現れている点が重要なポイント。このテーマを通じて、Bさんの抱える未解決の問題とその解決策を探ります。

🔍リーディングのポイント

ケルト十字では、水に関する象徴が繰り返し現れています。ここでいう水とは『心の奥深くにある思いや感情』を指し、それらに向き合うことなく生きてきたこと=それが未解決の問題として浮上しているように見受けられました。

特に節制(14)の逆位置、スター(17)の逆位置、審判(20)のカードがあることから、未消化の感情や欲望が表面化していることを示していると考えられます。

ここから5枚引きで解決策を考えます。5枚引きではすべて正位置でカードが出ており、5と10(占星術でいうところの太陽と土星)の強調から「純粋に自分自身を生きる」ことが求められているように感じられました。これまで抱えてきた責任から解放され、本当にやりたいことへ進むことで、自分自身の幸せと充実感を取り戻していく。Bさんが「自分自身が本当に望むこと」、つまり内なる太陽を再発見する必要性がありそうです。

総合アドバイス

人生の転換期を迎え、終活を進めていますが、本当に自分が望む道や軸を見失い、方向性をどうするかという迷いを抱えています。

水=心の奥深くにある思いや感情を無視して生きてきた結果、自分自身の人生の目的や欲望への理解が深まらず、それが未解決の問題としてテーマに浮上している状態のようです。

「水のテーマが、直接カップのカードとして現れるわけではなく、(スター・節制・審判など)絵柄や象徴として奥深く潜んでいる。もっともっと心の奥底にある思いにゆったりと向き合う必要があります」「カップ7は選択肢を楽しみながら埋めていくイメージで進めると良いですね」と具体的なアドバイスがありました。

水の欲求に気づいていなかったんだと思います。水にちゃんと向き合えば、そのうちもっと『こうしたい』という思いが出てくるかな。火は好きなことをやっているうちに自然と湧いてくると思います。
Bさん
CASE3

2025年の未解決の問題は?


💡全体的にソード(剣)とワンド(棒)が多く出現しています。ケルト十字のムーン(18)と死神(13)という金星に関連するカードに注目。これらの要素から、Cさんの抱える未解決の問題とは金星の=自分のリソースを未来のためにどうにかしていきたいという欲求がみられます。

🔍リーディングのポイント

Cさんのケルト十字では、ソード(思考、情報)とカップ(感情)のカードが多く見られる一方で、ペンタクル9の逆位置が出ており、ご自身の持っているリソースや能力が将来どうなるかについて漠然とした不安を抱えている様子があります。

大アルカナのムーンと死神が出ていることから、「本当にこれでいいのだろうか?」という迷いを見て見ぬふりをしている未解決の問題があると考えられました。これらのカードには金星が共通項として関連しており、自己の体や能力が重要なテーマとなっている可能性があります。

5枚引きからの解決策としては、1の逆位置の多さ、ソードナイトの逆位置から、焦って行動するのではなく、4の正位置のように現状を維持し、日々の生活を淡々と丁寧に営むこと、そして勢いで動かないこと(ソードのナイト逆位置)が重要であるとされました。マジシャン(1)とワンド1が逆位置で出ていることから、意気込みや勢いだけで行動するのではなく、自分の本当にできる範囲を見極め、エビデンスに基づき地に足をつけて進むことが大切であると指摘されました。
 

総合アドバイス

2025年の未解決の問題は?

未解決の問題の背景には、ソードの不足、つまり客観的な視点や事実認識に甘さがある可能性が指摘されました。感情に左右されがちで、目の前の情報を一つ一つ確認したり、データや数字に基づいた判断をすることが課題であると考えられました。

「1の逆位置の、やるぞーー! みたいなやる気をだすのではなく、空回りせずに落ち着いて現状をきちっと維持していく。着々と日々を営むこと。チャレンジしなくてもいい、わざわざ始めなくてもいい、そんなに気合入れなくてもいいんじゃないですか? それよりもエビデンスや客観的なものを取り入れていきましょう」

そうですね、思考的なものがすごく苦手かもしれない。
Cさん

アンビバレントな状態に向き合うこと

人間が抱える「アンビバレントさ」。この春分の時期は特に(春分図のアセンダントが天秤座で金星が対向に位置)相反する感情や欲求が同時に存在し、その間で揺れ動く心の葛藤が各参加者からみられることから、それをどう捉え、どう統合していくべきかというテーマについてnicoより語られました。これは個人だけでなく、社会的なテーマとしても共通しているという示唆もありました!

nico  今もしかしたらそういう引き裂かれた中で、どうやって統合するかが大事な時期なのかもしれない。トランプ大統領を頼るか? いや、でも…みたいな。なんだかそういう感じがいろんなところで起こっている気がしました。


☁hikari’s もやもや編集後記☁

今回は特に難しかった! 春分という「これからの一年をどうしていくか」という大事なものがぎゅっと詰まっているその中で、自分自身が抱える「未解決の問題」とどう向き合っていくのか。冬の間に溜まった問題なのか、積年の課題なのか。誰もが「それを言っちゃぁおしまいよぉ」的な凝縮されたものを問われているのかなと感じました😿

この記事を書いた人

hikari さん


主に食べることと寝ることを専門としています。最近は、「防御こそ最大の攻撃」と「攻撃こそ最大の防御」の間で揺れる思考を楽しんでいます𓃠
「赤ペン12サイン占い」「心理タロット予報」を担当中。

どなたでも! 心理タロット勉強会は、毎月第4土曜開催

この勉強会では、タロットカードや心理占星術という象徴を通じ、参加者それぞれが自己理解を深め、新しい視点で未来へ進むヒントを得ています。

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タロットに関心や興味のある方は、どなたでも歓迎します。ぜひご参加ください。一緒にこの奥深い世界を探求していきましょう。

☟毎月第4土曜日開催、次回のテーマが決定次第お知らせします。

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「なぜ当たるのか」を曖昧にしない!
インスピレーションや直観に頼らないリーディングを実現するのがnico の心理タロットの特徴です。

心理タロットは、タロットカードの絵柄や数字の解釈に、心理占星術の解釈を加え、個人の成長の過程と心理背景を読み解いていくものです。その人にしか持ちえないの固有のパターンを明らかにしながら、心の奥底にしまわれた言葉にならない欲求を引き出します。

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