心理タロットの挑戦! クライアントの反応が得られない、そんなときには

 4月の勉強会は、これまで以上に「現場で使える鑑定技術の向上」を目指しました。実際のケーススタディを持ち寄り、クライアントの心に寄り添いながら、より現実的で実践的なアプローチを探る場となりました。

 特に、コミュニケーション面での具体的な課題――思っていたよりもクライアントの反応が薄い場合、警戒心の強い相手への対応、鑑定する側がクライアントの期待に応えようとしすぎる傾向など、現場に出ていれば「あるある!」という問題に対し、どう対応すべきかを具体的に検証。

 「クライアントの本当の問い」に応える技術を磨くこと、そして心理タロットやチャートの背後にあるテーマを見抜く力を養うことが、鑑定の質を左右する重要なポイントになりそうです。

CASE1│持ち込み検証

これから仕事を発展させるためにはどうすればよいか

イベントでタロット鑑定をした受講生Tさん。反応の薄いクライアントに「当たってないの?!」と焦ってしまい、現場がぐちゃぐちゃに。さらに鑑定後、SNSで「Chat GPTのタロットリーディングの素晴らしさ」を見て二重に落ち込んでしまったそうです。

自分がいったい何を伝えるべきだったのかを検証したいとのご要望です。さて、どのような見解になるでしょうか。
💡(左から)1枚目「運命の輪(10)」の逆位置、3枚目「世界(21)」、4枚目「塔(16)」など、変化や予期せぬ展開を示すカードが並びます。

何かが終わった仕切り直しのタイミング、一区切りついた変わり目のときではないか、と伝えたら、クライアントの反応が薄くて、パニックになり慌てて次のカードをひいてしまったというTさん。二度目の展開がこちら☟
💡2回目に引いたカードは全て逆位置。Tさんの動揺ぶりがカードに出てしまったようにも見えますが、さて最終的な結果は???

🔍リーディングのポイント

タロットカードは、視覚的な情報量も多く、相手と象徴を共有しやすい一方、ネガティブなカードが出たときには、相手に強いインパクトを残してしまいます。その時に、いったい何をどう伝えたらよいのでしょうか。

nico’s 心理タロットにおけるオルタナティブなリーディング
〜 知識がある相手にこそ「代替の物語」の効果がある


今回の「塔(16)」のように、誰がどう見ても素敵とは言えないカードが出ているとき、だからこそ、逆の展開を取っていく。

それが、いつも言う「オルタナティブストーリー」。
カードを見れば、本人が一番「もうこんなのわかってる!」そんな印象をもつはずです。でも、こちらが分かったようなことを言うと、そこに素直に乗れないところがある。

特に、相手が「おとなしくて反応がハッキリしない」「警戒して斜に構える人」などは、最初の伝え方に失敗すると、心が打ち解けてくれないまま終わってしまう場合も。

パワフルでネガティブな印象のカードが出た場合には、相手に安心感を与え、共有&賛同しやすいテーマから核心に入ること。

特に、深い話ができないイベント鑑定のような現場では、最初にネガティブな話題が出ると相手もビックリしてしまうので、安心感を与える切り口から入っていきましょう。

まず、5枚引きのうち、正位置が3枚出ているのは、ポジティブなエネルギー。前向きで自分の道を切り開いていきたい、力強い意志を持っていることが感じられます。

ですから、まず「今日のあなたは前向きに自分の人生を作っていくぞ、そんな意気込みがありますね」そんなポジティブな部分を共有して、「そうなんだ、私やる気あるかもしれない」と相手の情熱にちょっとだけ火をつけて、その気にさせる。

ちょっとしたテクニックですけど、どういうふうに相手に満足感を与えていくか、良き鑑定だと思えるようなアプローチをしていくかは、意外と大事だったりするんです。

まあ、テクニックっていうよりも、ちゃんと聞く耳・聞く心を持ってもらうためのアプローチの仕方——相手を喜ばせてチヤホヤするのではなく、自分が言うべきことをきちんと言えるような組み立てをしていく。そこから具体的に何をやったらいいのかを話しはじめるといいですよね。

総合アドバイス

これから仕事を発展させるためにはどうすればよいか

一番インパクトのある「塔(16)」は、8+8=16、8のカードの意味を含んでいます。その隣のペンタクル9が逆位置でネガティブになっている。念のため、ここで鑑定時間のチャートも確認すると、8ハウス強調、9ハウスに飛び出していこうとする様子が出ていました。

タロットでも、占星術のチャートでも、8から9へと移行できない様子が出ている。

実際、クライアントさんの「最初は人と一緒にコラボしたり、誰かの場所でやっていたけど上手くいかなくなった」発言からも、8から9への苦手意識=意欲はあるけど自分ひとりで飛び出すことに不安を感じるタイプ、それがこの人の癖だと言えると思います。

でも、仕事を発展させるためには、「自分はひとりでこれをやりたい」というビジョンや気持ち(9ハウス・射手座・木星)」と、「相手の価値観と波長を合わせる(8ハウス・蠍座・火星)」、その両立が必要で、どちらか一方だけでは上手くいきません。

両方をバランスよくできるようにするためには、「自分の価値をきちんと表現する(5ハウス・獅子座・太陽)」訓練をしていく。それが今回のアドバイスになります。

5と8は不動サイン、5と9は火エレメントと、両方に繋がりがある。鑑定時間のチャートのアセンダントも獅子座・5が出ていることから、最終的に5を意識した結果で良いと思います。

もう一度、この人に来てほしい~! こんなふうに着地できたら最高でした。
このクライアントさんは、その後、新しい仲間たち?と一緒に進んでいるようです。鑑定の時は、その始まりの直前で、自分のことを確認したかったのかなと思いました。記憶に残っているクライアントさんは、自分と同じというか、似ているんですよね、ちょっと恥ずかしくなりました。
Tさん
CASE2持ち込み検証

仕事が続かず金銭的な安定が得られません

zoom鑑定を行ったBさんからは、鑑定後、クレームに近いお申し出があったという事例が持ち込まれました。

現場を振り返り「画面がフリーズしたのかと思うくらい反応がなかったのでとにかく伝えようと、一方的に話しすぎてしまったかもしれません」との自己分析も寄せられました。さて、どのような対応が望ましかったのでしょうか。
💡 女帝(3)とペイジの逆位置、ソードの過剰さ、キングやナイトといったコートカードの逆位置などが多く並び、自己表現やコミュニケーションの難しい様子が見られます。

🔍リーディングのポイント

5枚引きで、唯一正位置で出ているのが中央にある「ソードの8」。相手の懐に飛び込んで、考えや意見を受け止めようとしている=クライアントなりに一生懸命頑張ってきた様子を示しています。しかし、全体的に逆位置のカードが多く、その頑張りは報われていない印象です。

先ほどのテクニックと同様、ここは先ずポジティブなところに着目。「頑張ってきたんですね」を切り口にすれば、相手の理解も得られ、クレームにはつながらなかったかもしれません。

ソードや3の多さから、自分の考えやアイディアはあるものの上手く表現できない様子も。

ソードの8=受けとめることを頑張った結果、「言いたいことが言えず、相手の言うことをそのまま受け止めてしまう」「全部を飲み込んでしまい、不満がどんどん積み重なる」「耐えきれなくなった結果、文句やクレームとして爆発する」そんなパターンかもしれません。

まずは、この部分を解消していく必要がありそうです。

nico’s 心理タロットにおけるソード・風エレメントの考え方
〜 コミュニケーションは、双方向で成り立つ「キャッチボール


自分の考えや気持ちを持っていても、それをうまく言えない、伝えられない。
そういう時に、問いかけるべきなのは「キャッチボールが上手くできているのか」。

そもそもコミュニケーションのキャッチボールが苦手だと、投げかけられた言葉に反応すらできないまま、一方的に相手の言葉を受け止めてしまう傾向になるでしょう。

まずは、キャッチボールが上手くなれるような提案です。
「女帝(3)」や3双子座的な「言いたいことを少しでも口に出す」ためには、投げられたボールを重く考えすぎず、軽く返してみる。小さなやり取りから始めていくことで、状況が変わっていくことを伝えてみましょう。

総合アドバイス

仕事が続かず、金銭的な安定が得られません

元々、ソードと8は相性の悪い組み合わせです。常に自分の言いたいことが言えないまま、じっと相手の言うことだけを聞く。そんな頑張りを無理にしてしまうから、どこの職場に行っても心身ともに疲れ果てて結局辞めてしまう。そんなパターンが繰り返されているのかもしれません。(「力(8)の逆位置」)

誰もが平気でなんでも口にするのが人間の世界、そんなに人の色々をすべて聞かなくてもいいんです。あまり取るに足らないことは気にせず、もっと気軽にやり取りしてみましょう! それが、この方にとっての生きる技術として必須となりそうです。

わたしも人からの言葉を重く受け止めるタイプで、アシスタント時代は毎日落ち込んでいました。ある現場で、仲が良かったカメラアシスタントさんに「全員の言うことなんて聞く必要ないで」「いちいち全部聞いたらきりないやん」と関西弁で軽く言われて、その一言にすごい救われたんです。重く受け止めがちな人には、ちょっと救いになる提案な気がしました。
Cさん


☁hikari’s もやもや編集後記☁

ケーススタディのやり直しは面白いですね。過去の事例だと、当時は見えなかった世界が、時間をこえて、歳を重ねて、学びを深めた今だからこそ、ちがったかたちで立ち上がってくるんだなぁ。

この記事を書いた人

hikari さん


主に食べることと寝ることを専門としています。最近は、「防御こそ最大の攻撃」と「攻撃こそ最大の防御」の間で揺れる思考を楽しんでいます𓃠
「赤ペン12サイン占い」「心理タロット予報」を担当中。

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