心理占星術家 nico が選んだ今月の言葉は…
It wasn’t no use to try and hide it from Him. Nor from me, neither. I knew very well why they wouldn’t come. It was because my heart wasn’t right; it was because I wasn’t square;
神に隠そうとして頑張ってみても無駄だった。
自分のことを隠そうとしてもだめなんだ。
僕は、なんで言葉がでてこないのかよくわかっていた。
それはなぜなら僕の心が正しくないからだ。
それは僕の心が誠実でないからなんだ。
今月の言葉
マーク・トウェイン
1835年11月30日アメリカミズリー州生まれ。射手座に太陽、火星、金星を持つ。
小説家。
アーネスト・ヘミングウェイをして「あらゆる現代アメリカ文学は、マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィン』と呼ばれる一冊に由来する」と言わしめたアメリカを代表とする作家である。
獅子座から蠍座までの他者との関係性のパースペクティブを体験したことにより、個人的視点から「内なる他者」の意識を手に入れることができた。射手座から魚座までで最後のパースペクティブ全体という意識を手に入れることになる。
射手座=木星=9ハウスは宗教性、道徳や倫理の象徴として解釈される。またはその逆、冒険やチャレンジというワイルドなテーマとして理解されることもある。
では、射手座のこれらの象徴の意味は、どこに由来し、どこへ向かっていくのだろうか。
「内なる他者」が成長した後、私たちの考え方、価値観にどのような変化が訪れるのだろうか。
それを知るべく、小説「ハックルベリー・フィンの冒険」を紐解いてみよう。
浮浪児であったハックは未亡人に引き取られ文明化された生活を送ろうとしたが、結局、誰にも拘束されない自由を求め冒険へと飛び出してしまう。ハックの求める自由とは、勝手気ままに暮らしたいという「行動の自由」を意味していたが、しかし最終的には冒険の目的は達成されないまま物語は終わる。
では、マーク・トウェインがハックに与えようとしたものは何なのか。
ハックは冒険の最中、様々な南部民衆と出会い、南部社会の抱える問題に巻き込まれる。その中で、ハックの善悪の判断は、南部社会=他律的良心や聖書=神律的良心の教えを基準としたものから、ハックの精神性=自律的良心を基準としたものへ変化する。
マーク・トウェインは本書において、自己の精神性における判断――見て、聞いて、感じる自己の感性が他者や社会における出来事の中で葛藤し、自律的良心へと成長を遂げるまで、自律的良心を育み「行動の自由」ではなく「精神的自由」を得ていくことを証明しようとした。
つまり、射手座の自由とは、または射手座の精神性とは、他者をも、社会をも超えた、自己の成長した精神を手に入れることである。その高観、自由を手に入れられたものだけが、大きな創造性を手にするということなのである。