2017 蟹座の言葉 アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

 

心理占星術家nicoが選んだ今月の言葉は…

 

 

あのともしびの一つ一つは、見渡すかぎり一面の闇の大海原の中にも、なお人間の心という奇跡が存在することを示していた。

(中略)

努めなければならないのは、自分を完成することだ。試みなければならないのは、山野あいだに、ぽつりぽつりと光っているあのともしびたちと、心を通じあうことだ。

人間の土地」サン=テグジュペリ 、堀口 大学(訳)

今月の言葉

アントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ

1900年6月29日生まれ。蟹座に太陽と金星を持つ。フランスの作家、操縦士。代表作は『星の王子さま』。 1944年7月31日、フランス内陸部の写真偵察のため、コルシカ島のボルゴ飛行場から単機で出発後、地中海上空で行方不明となる。

 

3番目のサイン風エレメント・双子座の知的体験を経た後、4番目のサイン水エレメント・蟹座の心的体験へと移り、個人の成長の完成を迎える。

双子座で得た体験とは能動的、積極的なものだ。外界に向けて好奇心を育て、人や知性と出会い、交流や学びといった活動に刺激を求めていく。そこで採集したものが、「私」の個性となり、アイデンティティの輪郭を作る。

その外向きの体験に対し、内的世界によって自己を完成させていく。その時とり行われるのが記憶のコラージュである。
双子座が行った外向きの体験に対し、残しておきたい記憶をコラージュする。
あの時一緒に過ごした仲間、来ていた服、大笑いした出来事…
たとえ誰かとともに同じ体験をしていようが、記憶のコラージュだけは完全に「私的」なものなのだ。
つまり記憶とは、個人の私的創造物なのである。
記憶にこそ、個人の個性、世界観があふれているのだろう。

サン=テグジュペリは著書「星の王子様」でこう書いている。

ぼくがこれほどあなたに執着しているのは、
たぶんあなたを自分で勝手に作り上げているからだ

蟹座が作り上げた世界は、一滴たりともその人自身のものでないものはない。
すべてが自身の体験を寄せ集めたものなのだ。

もしかしたら、もはや事実をとどめてない記憶もあるだろう。
けれどそれでいいのだ。
失われた時を求めることは、自己の生の確認であり、むしろ生きる力になり得るのだ。

蟹座の季節。双子座期で体験した「私の好き」をコラージュしてみるのはどうだろう。または、心に触れたあの体験、あの郷愁の世界を作り上げて、自分を完成させてみるのはどうだろう。