2018 牡牛座の言葉 レオ・レオニ

心理占星術家nicoが選んだ今月の言葉は…

 

 

わたしにとって、おのれとは何者かを知ることが、もっとも根本的な問題ではありますが。ただこのことは子どもたちも無意識のうちに強く心にかけていることなのです。

— 「レオ・レオ―ニ 希望の絵本をつくる人」松岡希代子・著より

 

今月の言葉

レオ・レオニ

1910年5月5日オランダ・アムステルダム生まれ。イラストレーター、グラフィックデザイナー、および絵本作家。太陽を牡牛座に持つ。

 

魚座という集合体から離れ、12サイン最初のサイン牡羊座でまた新たなサイクルがスタートした。

多くの人は、魚座時代を懐かしく思うかもしれない。幼少期の母に抱かれていた安心感、友人たちとふざけあった学生時代、必死に受験勉強をしたころの自分、甘酸っぱい恋愛話、心の痛みも武勇伝も過ぎてしまえば思い出はいつだって美しい。
けれど、過去に浸っているわけにはいかないのだ。

生きていくためには食っていかなければいけない。いやでも魚座から牡羊座に向けて、その一歩を踏み出さなければならなかった。心地よい思い出からシビアな現実世界へと。

 

スイミーは他の仲間と違っていた。仲間たちは赤かったがスイミーは真っ黒。大きな魚がやってきたとき、赤い仲間たちだけあっという間に食べられてしまった。

レオ・レオニはこの物語をこう説明する。

 

スイミーはその惨事の中でも生きのこります。苦しんだがゆえに、スイミーはじょじょに、人生の美しさに気がつくようになります。このところは私にとっては、とても重要なことなのです。スイミーははじめはさみしがっていますが、やがて人生を美しいものとしてながめるようになったことから、生命力と熱意をとりもどし、ついには岩かげにかくれていた小さな魚の群れを見つけだします。孤独の中で、自分とは何かを意識し、自己認識を深めていくのです。

 

生きていくために生きる。魚座から切り離された後、私たちにはそのような意識しかなかった。とにかく生きる。何とか生きのびようとする。

しかし、そのうちに気がつき始めるのだ。この世はそう捨てたものではない。太陽の暖かさ、新緑のみずみずしさ、風の心地よさ、目に見える景色はなんと美しいのだろう。

そして、こう確信できるかもしれない。
この世で、この私でやっていこう。
これが地エレメント、不動サイン牡牛座の大切なテーマとなる。
私の目に見えるもの、手に触れるもの、まずはそこから己の世界を構築していくのだ。

レオ・レオニはこう続ける。

まさに鍵となるのは「ぼくが目になる」と言ったときだからです。これはわたしにとっていうなればひとつの確信に形を与えることでした。

 

牡羊座と牡牛座この2サインで“個”の存在の確信、存在の意義を認識することになる。
世界の何に美しさを感じ、そしてどんな「ぼくは〇〇になる」という宣言が生まれるのだろうか。

まずは生きてみよう。世界の美しさに触れてみよう。
そして、おのれとは何者かを役割として見つけてみよう。
自分の生きている世界に自分のあるべき姿を探してみよう。

牡牛座で生きることの喜びを感じられたら、このサイクルは上々の滑り出しだ。