2018 射手座の言葉 ジミ・ヘンドリックス

心理占星術家・nicoが選んだ今月の言葉は….



Music is my religion – 僕にとって音楽が宗教だ

 

今月の言葉

ジミ・ヘンドリックス

1942年11月27日、アメリカ・シアトル生まれ。

太陽、水星、金星を射手座に持つ。ミュージシャン、シンガーソングライター。

ギタリストとして多くのミュージシャンに多大な影響を与えたロックのパイオニアの一人。ギターを歯や背中で弾き、火を放ち、破壊するパフォーマンスでも有名。「ローリング・ストーン誌が選ぶ歴史上最も偉大な100人のギタリスト」において2003年第1位、2011年の改訂版でも第1位に選ばれている。27才で急死。

 

あなたは、蠍座期に水源を深く、さらに深くたどり、「私」という源流、「私」の起源にたどり着くことができただろうか。あなたは、そこでどんな姿を発見しただろうか。

もしかしたら、その探求の、あまりの暗さに恐れを成し、逃げ出してしまいそうになったこともあったかもしれない。自分がイメージしていたよりも、ずっとちっぽけな自分の姿に、人生の虚しさやみじめさを感じることもあっただろう。

つまり、私たちは普段、自分の姿を見ているようで見ていないのだ。見たいものを見ていただけにすぎないのだ。現実は痛すぎる。人は羨ましすぎる。だから、自分の周囲をエゴという鏡で覆って、見たいドラマだけを見続ける。

だから、ずっと苦しい。今の自分は本来ではない。けれど、本来を見つけてしまったら、何を頼りにしていけばいいのだろうか。そうやって、いつまでたっても抜け出せない部屋に閉じこもることになる。

ジミは、楽曲「Room Full of Mirrors」の中でこんなふうに歌っている。

I used to live in a room full of mirrors
All I could see was me
Well I take my spirit and I crash my mirrors
Now the whole world is here for me to see
I said the whole world is here for me to see
Now I am searching for my love to be

俺は昔、鏡だらけの部屋に住んでいた
見えるのは自分の姿だけだった
俺は魂の声に従ってそいつを全て粉々にした
それでやっと俺の前に世界が広がった
それでやっと俺の前の世界が広がったって言っているんだ!
俺はこれから俺に相応しい愛を探すんだ

鏡とは、つまり心を防衛する壁である。その鏡を粉々にする事で、彼は自身のエゴを溶解させたのである。そのとき、新しい世界が目の前に広がるのだ。愛と光に満ちた世界が。

蠍座から射手座への大きなステップは、つまり世界を見る「新しい目」を手に入れることだ。
これまで、どれだけ自分が凝り固まった世界に住んでいたことか。「私」「私」「me」「me」と、どれだけ自分の世界にしがみついていたことか。

何の発展も得られないしがらみや関係性。
手放すことのできない不幸なエピソード。
過去の栄光。
誰も幸せにしない昔話。
捨てられない無用の品。
どうでもいい噂話。
興味のない仕事。
無駄に過ぎる日々の暮らし…

もう、そこにとどまる理由はないはずだ。昔の自分に別れを告げ、「新しい目」を手に入れるときがきたのだ。

けれど、一段高い場所から世界を見ることのできる「新しい目」を持つということは、なじみある世界との別れと意味する。また真実――自分の真の実力や立ち位置を知ることにもなる。

過去にとどまるか。未来へと歩みを進めるか。
新しいステージへと進むとき、私たちには「信仰心」が必要となる。愛を感じられるもの、魂の温かさや神秘を感じられるもの、自分の清らかにしてくれるものといった心の拠り所。

それが、ジミにとっては音楽であった。ある舞踏家の人は、「身体がバイブルだ」と言った。

あなたが求める愛、心を寄せる美しきものとは何だろうか。