2019 水瓶座の言葉 やなせたかし

心理占星術家・nicoが選んだ今月の言葉は….

 人がよろこんで笑う声を聞くのが一番うれしい。だから、人がよろこび、笑い声を立ててくれる漫画を長く描いてきた。

 自分が描いた漫画を読んで子どもたちがよろこんでくれる。その様子を見て、自分がうれしくなる。こうしてよろこばせごっこができることが本当に幸せだ。


 母親が一生懸命に料理をつくるのは、「おいしい」とよろこんで食べる家族の顔を見るのがうれしいからだ。父親が汗をかいて仕事をするのは、家族のよろこびを支えるためだ。

 美しく生まれた人は、その美しさで人をよろこばせることができる。学問が得意な人は学問で、絵を描ける人は絵を描くことで。歌える人は歌で。


 あなたは何をして、よろこばせごっこをしていますか?

今月の言葉

やなせたかし

1919年2月6日高知生まれ。水瓶座に太陽、水星、天王星を持つ。
日本の漫画家、絵本作家、詩人。唱歌「手のひらを太陽に」、漫画「アンパンマン」の生みの親。絵本作家・詩人としての活動が本格化する前までは頼まれた仕事はなんでもこなしたといい、編集者、舞台美術家、演出家、司会者、コピーライター、作詞家、シナリオライターなど様々な活動を行っていた。

 10番目のサイン・山羊座で一つの自己の到達「私は何者であろうとするのか」を迎えた。人が社会の中で生きるにあたり、どのような「私」を生きるのか、その「型=スタイル」をつくるのが山羊座の目標であった。

 次の風エレメント、不動サイン、全体サインである水瓶座の段階で、最終的な自己価値づくり=「個性化」へと歩みを進めていくことになる。

 個性化とは、個人に内在する可能性を実現し、自分とも周囲とも矛盾しない人格を完成していくこと、そして、その人格を最終的に社会へ生かしていくことである。社会的な成功や報酬にとらわれない意識、それこそが獅子座=太陽ともに歩む、水瓶座が目指す「自己実現」への道となる。

 自己価値は、最終的に社会の中で利用されなければ「価値」とは言えない。ではその「価値」とは何か? それが水瓶座の重要なテーマである「利他的」という発想である。   

 自己の個性化のためには、自分を喜ばせるためだけではつまらない。自分を取り巻く社会が幸福でないと意味がない。それが、やなせたかしがいう「あなたは何をして、よろこばせっこをしていますか?」ということになる。

 各々の個性が輝く社会。その個性をよろこびあえる社会。これこそが水瓶座が目指す幸福な社会=ユートピアということである。

 だからこそ、水瓶座は多くの人の意識に働きかけられるよう「普遍性」というのを意識するサインでもある。やなせたかしの描く世界、詩や漫画のセリフは、どれも一様にシンプルでストレートである。奇をてらうこともなく、直球で、人間社会の“理”や“幸福”について語るのだ。

 このようにして、最終的に人は「思想」という価値を言葉として残す。これが牡牛座(地エレメント)、獅子座(火エレメント)、蠍座(水エレメント)と続く最後の不動サイン、風エレメントの価値となる。

 人は何を語ったのか。

 最後に何を語るのか。

 どんな思想、言葉を残すのか。

 最後に残す言葉が誰かの価値になるように、一つの人生をまっとうすること。

 これが水瓶座までのステップとなる。

 やなせたかしは、最後に言う。

ほんとうの正義というものは、けっしてかっこうのいいものではないし、そしてそのためにかならず自分も深く傷つくものです。

 多くの水瓶座は、または多くの水瓶座体験は、時に虚しさを伴うことがある。人の求めに応えたところで、誤解されたり、恩をあだで返されたり、人の身勝手さを体験することもあるだろう。

 けれど水瓶座体験は、そこを超えることにこそ真の価値がある。人を信じ、希望を持ち、未来の理想を生きる努力をすること。自分を生かし、社会に貢献すること。

 それが次のサイン、魚座の夢へとつながっていくことになる。