2019 乙女座の言葉 カール・ラガーフェルド

心理占星術家・nicoが選んだ今月の言葉は….

 



未来が見えないならこの業界はやめるべきだ。

ChanelやFENDIと違って、私個人のアーカイブはない。

興味があるのは過去ではなく、今、そして未来だ。

「CHANEL PODCAST 3.55 インタビュー」より

 

今月の言葉

カール・ラガーフェルド

1933年9月10日ドイツ・ハンブルグ生まれ。

乙女座に太陽、水星、海王星を持つ。世界的なブランド「シャネル」「クロエ」「フェンディ」のヘッドデザイナー、またクリエイティブ・ディレクターを務め、様々なファッション・アートのプロジェクトで業績を残したファッション界の重鎮。2019年2月19日死去。享年85歳。

 

乙女座は、ユニークなサインである(と、私は思っている)。

乙女座・太陽を持つ実在の人物を見ても、どうも占星術の解釈としっくりかみ合わないことがある。確かに技術は持っている。才能豊かな人は多い。けれど、それが決定的な乙女座というサイン理解となるには、何かもう一つ足りない。

 

そんなとき、私は古典占星術のエッセンシャルディグニティ・トリプリシティの解釈を参考にすることがある。

地エレメントは、金星と月がトリプリシティ+3点の得点が与えられる。世界を理解する方法として、地エレメントは金星と月の内的感性、内的心地よさを重要視するということがここからわかる。

または、乙女座は柔軟サインであるという解釈。不動サインでもない、活動サインでもない柔軟サインである乙女座は、基本的に未来志向である。

未来をよりよくするため、今のやり方、考え方、価値観を簡単に手放すこともできるサインということだ。よって、地エレメント独特のこだわり臭が少ない。もちろん、自分の感性にはプライドを持っているが、よりよくするためなら「過去」にはこだわらないということだ。

 

カール・ラガーフェルドは言う。

 

「私には“問題”がない。あるのは“解決策”だけなのです」

カール・ラガーフェルド── モード界の重鎮が放つ名言10。

 

柔軟サインは、どのサインも「現状をよりよくしたい」という欲求を持つ。端的に言えば、風エレメントである双子座は「知性的なアイデア」を使って環境=世界をよりよくしたいと考える。火エレメントである射手座は「社会的理解のアイデア」を使って環境=世界を、水エレメントである魚座は「全体的理解のアイデア」を使って環境=世界をよりよくしたいと考える。

では乙女座はというと、「技術的なアイデア」を使って環境=世界をよりよくしたい、そのために自分に身についた道具(五感)を使い、目の前の物事がよりよくなるために自分の身を尽くす。

 

そのように、柔軟サインの存在理由は環境に由来している。環境がよりよくないと自分が心地よくないし、自分がうまく役立てられていないと環境の中で居心地が悪い。

だから、自分個人の手柄やアーカイブなど本来必要ないのだ。自分が「今」どのように環境と調和しているのか、自分が「これから」どう環境をよりよくできるのか、そういったことが存在理由の大きな目的となる。

 

知性であれ、技術であれ、全体を理解する力であれ、共感力であれ、それらは確実に美しい世界を育み、人々を考えさせ、喜ばせ、感動させ、夢を見させることができる。

だから、たゆまず努力することだ。自分が感じている「もっとこうしたらいい」という感覚を心から信頼し、世界に向けて表現してみることだ。

それはきっと誰かの何かの喜びへとつながっていく。

 

乙女座の季節、自分の中の道具 ―― 技術、技能、技巧を環境=世界の「よりよく」のために役立ててみたい。自分なりの“美しい仕事(カールのような!)”に打ち込んで、自分の存在をしっかり実感してみたいと思う。