2019 天秤座の言葉 リード・ヘイスティングス

心理占星術家・nicoが選んだ今月の言葉は….

 



ネットフリックスの根本にある価値観は「勇気をもつこと」です。みんなに本当のことを話してほしいのです。『無言で反対するのは不誠実だ』と言っています。自分の意見も言わずに決定を通すのはいけないことです。われわれは、よい議論からよい判断を生み出すことを非常に重視しています。

「TED カンファレンス」より

 

今月の言葉

リード・ヘイスティングス

1960年10月8日 アメリカ合衆国、ボストン生まれ。

天秤座に太陽を持つ。起業家であり慈善家。またNetflix(ネットフリックス:アメリカ合衆国の主要なIT企業で、FAANG*の一つである映像配信会社)の共同設立者であり会長兼CEO。カリフォルニア州教育委員会の元メンバーでもあり、アフリカで数学の教師も経験。チャータースクールを通じた教育改革の提唱もしている。
*FAANG:フェースブック(Facebook)、アマゾンドットコム(Amazon.com)、アップル(Apple)、ネットフリックス(Netflix)、グーグル(Google)の5社。

 

12サインの成長の道のりは、7番目のサイン・天秤座で大きな転換を迎える。“個”から“社会”へと意識を大きく進めていく。

そのために必要なのは、他者との関係づくりだ。

 

占星術では天秤座は調和的、バランスを重んじるサインと言われているが、それは決して受け身的な態度を示しているわけではない。むしろ風エレメントである天秤座は、自分から仕掛けをつくり、マンネリ化した環境に風穴を通していく。そして、そこに参加している人たちがそれぞれに平等、対等な“個”として存在すること、その“個”が全体の中で調和することをうながしていく。

 

つまり周囲に合わせてバランスを取るのではなく、全体の活性化のために個々人がそれぞれの「勇気」を持つことができるような場づくりをする。これが1番目の牡羊座と補完関係である天秤座の役割の一つである。

 

牡羊座が「個人が勇気を持つ場をつくる」のが目標だとしたら、天秤座においては「その場にいる人たちそれぞれ勇気を持つことができる場をつくる」のが目標となる。

ということは、勇気が持てない人たち — 自立心が弱い、自分の魅力に自信が持てない、何をしたいかもわからず、何ができるのかもわからない — は、天秤座=7ハウス=他者との関係性という土俵の上で強風にあおられ、その存在を脅かされるように感じる。

だからこそ、牡羊座から乙女座までの成長のステップ — どれだけ個人が自立心、独立心を持ち、個人の責任を持てるだけ成長したか — が重要となる。そうでないと、個人は結局、住み慣れた蟹座的世界に引きこもらざるを得なくなるのだ。

 

Netflixは、そのユニークなカルチャーで有名だ。休暇に関する規定がないことはよく知られている。社員たちは好きなときに、好きなだけ休暇をとれる。また、彼は情報をオープンに共有できる文化が根づくようにしている。情報共有というネットフリックスの文化は、社員たちに責任感をもたせるメリットがあるとヘイスティングスは言う。

 

組織を縦割りにすることなく、全社員がすべての情報を入手できるようにしている。私なしで大きな決断が下されたことも何度もあります。

 

自由な場には責任が生じる。自分の力で生き残れるだけの勇気、魅力、責任感、それが天秤座=7ハウスという場には必要なのだ。天秤座で土星がイグザルテーションするのも一つの天秤座の能力として理解することができるだろう。

もっと自由にのびのびと自分の能力を生かすため、そして多くの人たちの才能と出会い、イノベーティブな世界に触れるため、私たちは乙女座から離れ、新しい環境へと向かってく必要がある。

そして、“個”として存在するためにも、双子座から続く2番目の風エレメントとして、自分の考え、意見、判断を存在の力として利用していく。

牡羊座からの折り返し地点、「I am 私はここにいる」をもう一度意識するためには、存在の責任として「自分がどうありたいか=真実の私」をしっかり表明し、堂々とその一歩を進めていくことが大切となる。

 

天秤座の季節、私たちは胸を張って、自分を押し出すことができるだろうか。自由を手にするため、どれだけ責任ある大人へと成長できるだろうか。そして、多くの魅力ある“個”とともに、イノベーティブな環境をつくることができるだろうか。