心理占星術家・nicoが選んだ今月の言葉は….
http://www.mynewsdesk.com/no/bazar-forlag/images/paulo-coelho-210626
–
作家の役割は、人々に何かを伝えることではなく、人々が自らを映し出すための鏡となることだ。
今月の言葉
1947年8月24日生まれ。
ブラジルのリオ・デ・ジャネイロ生まれ。乙女座に太陽を持つ。
大学中退後、三年間、世界中を放浪したあと、ロックミュージシャンの作詞家として大成功を収めたものの、反政府運動の嫌疑をかけられ三回投獄される。1981年、再びヨーロッパへと旅立ち、魂の成長を真剣に学び始めた。小説第二作『アルケミスト – 夢を旅した少年』は38ヵ国の言語に翻訳され、世界中の国々の様々な文学賞を受賞している。
「関係性」のパースペクティブは、6番目のサイン乙女座へと移った。乙女座は、ホロスコープでは自己形成のための最後のサインとして地平線の真下に置かれている(1から6までが自己の土台を作るサインとなっている)。次の7番目のサイン天秤座から、いよいよ個人は社会へ向かって地平線を超えることになる。ここから社会へと旅立つため、ここ乙女座で、個人は個人の持つ資質を完全に育て上げ、整え上げておかなければならない。
6はヘキサグラム・六芒星。ピタゴラスは6を最初の完全数・調和数(1+2+3)と呼んだ。ヘキサグラムは上向きの三角形と下向きの三角形が重なった図柄。上向きの三角形は思考、知性、意識、下向きの三角形は物質、感情と男性性と女性性がひとつになった形と考えられている。つまり、6とは相反する二つの原理が調和し、一体化する意味を持つ数字である。二つの三角形は鏡のような関係であることから、乙女座は人、環境、とりまく世界との調和が何よりも大事なサインと考えられる。
だから、乙女座の人が描く世界は写実的であり、再現される音は忠実であり、提供される技術は目の前にいる人の必要に応じて絶妙に変化し、物事はそれ以上であることもそれ以下であることも望まない。
目の前の世界に嫌でも呼応してしまうからこそ、乙女座の段階までに完全なる自己、自分自身の1+2+3を完成させておかなければならない。そうでないと、乙女座はただ運命に翻弄されるだけになってしまうのだ。
著書「アルケミスト」の中には、繰り返しこのような言葉が出てくる。年老いた王様の言葉だ。
「おまえが何かを望めば、宇宙のすべてが協力して、それを実現するように助けてくれるよ」
「前兆に気がつくようになるのだよ。そして、それに従って行きなさい」
「おまえは常に、自分が何を欲しているのが知らなくてはならない」
主人公の少年は世界を旅しながら様々な人と出会い、自分を見つけ、自分を育てていく。世界は自分であり、自分は世界であるというように、出会う人は自分によく似た誰かであり、目の前の出来事は自分の能力に見合う体験だというように。
まずは基礎数として、また完全数として、自分の中の1(牡羊座・火星・直感)、2(牡牛座・金星・感覚)、3(双子座・水星・考え)をしっかり育てること。自分の像とその望みさえわかれば、世界は自分に見合う体験を用意してくれるはずなのだ。それが乙女座の段階で体験する奇跡である。そして何者かになるのではなく、「人々が自らを映し出すための鏡となる」べく、自らの存在を利用し世界の一部になっていく。
その努力は、まだまだ続く。
私たちが今の自分よりよいものになろうと努力すれば、自分のまわりのすべてのものもよくなるということを、彼らは教えているのです。
著書「アルケミスト」より
個人の育成は、ここ乙女座で完成する。自分の1、2、3を育て、よりよいものになる努力をし続けることができれば、鏡に映し出される世界も変わってくるはずだ。
自分が何者かではなく、誰かの望みが美しく映し出せるよう、自分をよりよいものになることができたらどんなに素晴らしいことだろうか? 乙女座期は、そんな努力ができたらいいと思う。
そのためには、まず1、2、3(地球型天体)を育てることだ。そして、自分に合う世界がどのようなものなのか、自分の眼で耳で確かめてみるといい。自分をよく知り、自分の望みをよく知れば、アルケミストの少年のように、必ず自分に見合う世界にたどり着けるはずだ。