2021 魚座の言葉 ルース・ベイダー・ギンズバーグ

心理占星術家nicoが選んだ今月の言葉は......


大切なことのために闘いなさい。

ただし、周囲の人が協力してくれるような方法でおやりなさい。

ジェフ・ブラックウェル&ルース・ホブデイ 編「ルース・ベイダー・ギンズバーグ 信念は社会を変えた!」より

魚座の言葉

ルース・ベイダー・ギンズバーグ

1933年3月15日生まれ。

アメリカ・ブルックリン生まれ。太陽、金星を魚座に持つ。

法学者、弁護士、米連邦最高裁判所の史上人目の女性判事。法学で学位を取得し、首席で卒業するものの、ユダヤ教徒で女性、そして母親という境遇の中、当初、法曹界で就職に就くのが難しく、大学で教鞭を執った。1970年、女性の権利に焦点を当てた雑誌「女性の権利法レポーター」を創刊。アメリカ自由人権協会の女性権利プロジェクトを立ち上げた。1993年にビル・クリントン大統領に指名されてから死去するまで27年間にわたって連邦最高裁判事の座につく。生涯、不屈の闘志で平等の実現に人生を捧げた。

 

 占星術とは、ときに固定された解釈の中にその象徴の持つ可能性を閉じ込めてしまうことがある。たとえば魚座は、柔らかな感受性、直感力や芸術的感性といった繊細な言葉ばかりが強調されているが、これらは魚座の持つ可能性のほんの一部しか表現していない。

 

 「魚座の人は、敏感すぎて人とかかわることができず、何時間も空想に耽り、自分だけの理想の世界に閉じこもる…」――魚座(または、その支配星である海王星)は、そんな現実離れした印象で語られることがとにかく多い。

 魚座には、本当にこんな特徴しかないのだろうか。ノートリアス(悪名高い)というあだ名で呼ばれたルース・ベイダー・ギンズバーグのように、辛辣な反対意見を叫び、激しく闘いを挑んだりするのは魚座にあるまじき態度なのだろうか。

 

 古典のエッセンシャルディグニティにおいて、水エレメント(蟹座、蠍座、魚座)がもっとも高い評価(トリプリシティ)を与える天体は火星。火星が水エレメントのサインにいるとき、より優位にその力を発揮することができるということである。本来、火星は情熱、闘い、獲得のエネルギーを支配していることから、水エレメントは、もっとも闘いに適したサインであることがわかる。

 考えてみれば当然だ。闘いのモチベーションは、たいてい想いに突き動かされるものだ。そして多くの場合、祖国のためか、愛する人のためか、または理想のためか、自分にとって「大切なもののために闘う」ものである。ギンズバーグのように、マイノリティや弱者を守るため、または自分の理想を守るためなら、どんな苦境にも耐え、闘いを挑み続けることができるのだ。

 

 また、水エレメントの闘いのモチベーションの背景には、「そうではない」「何かが違う」という違和感が常にある。自分の中の心の泉――透明で澄みわたった美しい――に異物が入り込むことの違和感、その気持ちの悪さに突き動かされ、「そうではない」「何かが違う」ものを取り除こうと奮闘することになる。ギンズバーグの場合、それは「自国が男女平等の社会ではないこと」に対する違和感、「女性が男性と同じレベルの人間だとみなされないこと」への違和感である。それらの違和感を払拭し、「社会のあらゆる階層で、男性と女性が真の意味でパートナーとなり、今より暮らしやすい世界が実現する」理想のために闘い続けたのだ。

 

 つまり水エレメントとは、世界の見たくないもの、目をそらしたくなるものにこそ心を向かわせ、それら「ネガティブなもの」に強い違和感を持ち、「ではどうしたらいいか」を考えるサインということになる。

 その時に、魚座のもう一つの重要なテーマ、環境との調和を目指す柔軟サインの役割が必要になる。向学心や成長への欲求を強く持ち続け、柔軟サイン(双子座、乙女座、射手座、魚座)は、知性や技術、精神や心を尽力して環境との調和を目指そうとするサインである。だから、「周囲の人が協力してくれるような方法」を取らなければうまく調和しないことを柔軟サインの人たちは知っている。

 

 ギンズバーグはこう言っている。

 私の話を聞く男性たちは、性差別が存在することすら認識していない。私が訴えかけている相手は、自分とは違う立場の人間の暮らしがどのようなものか理解していないのだから、理解できるように手助けをしよう、というとらえ方をする、そうすれば事態は進展する。本当の変化、永遠に残る変化は一歩一歩実現へと近づくものです。

 自分の理想の泉を持つためには、雪解け水が山肌に浸透していくように時間をかけ、じっくりとその理解を染み入らせてく。あせってはいけない、相手にも違和感を与えないように、少しずつ、ゆっくりと周囲を同じ色で染めていく。それが魚座の知性の見せ所だ。

 ただし、理想を追い求め、違和感を排除していくには、自分自身の心=月のコンディションを安定させておくこと、よい環境づくり=よき理解者の存在が不可欠となる。たった一人でも深く自分を理解してくれる人がいる、それがわかれば世界を敵に回しても、どんな闘いでも挑むことができる。でも、もしそうでないなら、月=心は、たいてい「わかってもらえない」という孤独を背負い、不安を抱え、闘う勇気や力を得ることができず、悶々とした日常にとらわれてしまうことだろう。

 幸いにもルース・ベイダー・ギンズバーグには、「私の仕事を自分の仕事と同じくらい重要だとみなしてくれる」素晴らしい伴侶がいた。人生には、よき支援者が必要であることも教えてくれている。理想をかけた長く大きな闘いは、一人では立ち向かえない。そういった支援者と一丸となって、人生の真実に挑んでいくことになる。

 

 魚座は、12サインの最終サインであるが、次の始まりの準備、次に向けて足掛かりをつくるサインでもある。

 まずは心の違和感を見つめてみよう。何が自分の泉を濁らせているのだろう。税金で私腹を肥やす政治家、国民感情を無視した政策、なくなることのない差別、差別に対する無知… 世界には吐き気を催すほどの異物であふれている。

 そんな大げさなものでなくてもいい。身近なところから、違和感をなくす闘いを挑んでみる。そのために「周囲の人が協力してくれるような方法」を考えてみよう。どんなやり方ができるだろうか。

 

 その際、ギンズバーグの考え方が役に立つかもしれない。

 人生ではしばしば、障害だと思っていたことが素晴らしい幸運になるものです。

 発想の転換もまた、柔軟サイン・魚座=海王星の知性の持ち方なのだ。

 ものの見方を変えてみる。

 相手のせいでも自分のせいでもない。目の前の敵は味方になることもある。困難が未来の糧になることもある。

 世界は、素晴らしい幸運で満ちている。魚座期は、そんな希望をもって過ごしてみたいと思う。

 

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